この記事の答え
ユニットハウスは、土地に据えて使えば建築基準法の建築物です。空き地に新しく置くなら、10㎡以下でも建築確認が要ります。選ぶときは「あとで広げるか(連結・2階建て)」「どこに置くか(地域と手続き)」「価格に何が入っているか」の3つを先に決めると、候補が絞れます。
ユニットハウスとは
工場で鉄骨の箱(ユニット)を床・壁・天井や照明・コンセントまで仕上げ、トラックで運んでクレーンで据えて使う建物です。ナガワは製造工程の約9割を工場で行うと説明し(ナガワ)、三協フロンテアは、部材を現場で組み立てるプレハブより工期が短く、移設できる点を違いに挙げています(三協フロンテア)。
1つで使う単体のほか、横や上につないで広げられる製品があり、使い終わったら運び出して別の場所で使い直すこともできます。
建築物として扱われる
建築基準法は、土地に定着する工作物のうち屋根と柱または壁があるものを「建築物」としています(建築基準法 第2条第1号)。ユニットハウスも基礎などの上に据えて使えばこれに当たり、ナガワも「ほとんどの場合、建築確認申請が必要」と案内しています(ナガワ よくあるご質問)。
似たものとの違いは次のとおりです。
|
何の上の建物か |
建築基準法の扱い |
| ユニットハウス |
工場で作った鉄骨の箱を、基礎などの上に据える |
建築物 |
| コンテナハウス |
輸送用のコンテナを倉庫などに使う |
随時かつ任意に移動できなければ建築物(国住指第2174号) |
| トレーラーハウス |
車輪の付いた車両の上の建物 |
いつでも動かせる状態を保てば建築物に当たらないと扱われる |
コンテナの扱いは国土交通省の通知によります(国土交通省・広島市)。
10㎡以下でも建築確認が要る場合
よくある誤解が「10㎡以下なら申請は要らない」です。都市計画区域の中では、建築物は大きさにかかわらず建築確認の対象になります(建築基準法 第6条第1項第3号)。申請が要らないのは、防火地域・準防火地域の外で、増築・改築・移転する部分が10㎡以内のときだけです(同 第6条第2項)。
| 置き方 |
建築確認 |
| すでに建物がある敷地に、10㎡以内で置く(防火・準防火地域の外) |
要らない |
| すでに建物がある敷地に、10㎡を超えて置く |
要る |
| 空き地(更地)に新しく置く |
大きさにかかわらず要る |
| 防火地域・準防火地域に置く |
大きさにかかわらず要る |
三重県亀山市も、物置について同じ整理で案内しています(亀山市)。都市計画区域の外では扱いが変わるため、置く場所の自治体に確認してください。
申請が要らなくても、ルールは守る
建築確認が要らない場合でも、建築物として構造や敷地のルールは守る必要があります。亀山市は、基礎を設けて本体と緊結することなどを挙げています。
工事現場の事務所と仮設の店舗
工事をするために現場に設ける事務所・下小屋・材料置場などの仮設建築物は、建築確認の規定が適用されません(建築基準法 第85条第2項)。防火地域・準防火地域で延べ面積50㎡を超えるものには、屋根の防火の規定がかかります。
仮設の店舗や興行場などは、特定行政庁が安全上・防火上・衛生上支障がないと認めれば、1年以内の期間を決めて許可を受けて建てられます(同 第85条第6項)。
連結と2階建ての条件
連結や2階建ては、製品ごとに条件があります。このページに載せた製品では、次のような違いがありました。
| 区分 |
公式資料にある条件の例 |
| 単体専用 |
連結も2階建てもできない(三協フロンテア MSL、ナガワ SH-E、音頭金属 PX) |
| 単体で2階建て可 |
ナガワ SH-H(単体)は、2階建てにできないのは2坪以下と記載(3坪以上は可) |
| 連結・2階建て |
日成ビルド工業 ユニティは2.0K・3.0Kタイプだけ2階建てにできる。システムハウスR&C FLEX-αは2階建てまで構造評定を取得 |
| 3階建てまで |
三協フロンテア MS1は57・75サイズの専用フレームで3階建てまで |
三協フロンテアは、将来2階建て以上にする予定があるなら、基礎と本体のフレームの仕様が違うため、最初から対応品を選ぶよう案内しています。なお2階建ては、建築基準法 第6条第1項第2号の建築物として構造の審査も受けます。
価格の目安
公的な相場の統計は見つかりませんでした。比較ページに載せた各社の公開価格を拾うと、次のとおりです。
| 種類 |
公開価格(税込) |
| 小型の単体 |
本体およそ47万〜82万円から |
| 用途の設備をそろえた単体のパッケージ |
およそ150万〜210万円から |
| 2連棟(約26㎡)の展示品 |
本体249万円から |
多くは本体だけの価格で、基礎・運搬・据え付け・電気や水道の引き込み・建築確認の費用は別にかかります。価格を公開していないメーカーも多いため、同じ条件で見積もりを取って比べます。
選び方
- あとで広げるかを決める:人が増える・上に積む予定があるなら、連結・2階建てに対応した製品を最初から選ぶ。
- 置く場所を確かめる:都市計画区域か、防火地域・準防火地域か、すでに建物がある敷地か。建築確認の要否がここで決まる。
- 寸法と搬入経路を確かめる:トラックとクレーンが入れるか。決まった寸法で収まらなければオーダー型も候補になる。
- 見積もりの中身をそろえる:本体・基礎・運搬・据え付け・設備の引き込み・申請費をそろえて、同じ条件で比べる。