この記事の答え
コンテナハウスは、置いて使えば建築基準法の建築物で、建築確認が要ります。確認を取るなら、輸送用の中古コンテナではなく、JIS鋼材で作った建築用のコンテナを使うのが前提です。選ぶときは「建築用のコンテナか」「どこに置き、何に使うか」「価格に何が入っているか」の3つを先に確かめます。
コンテナハウスとは
コンテナの形をした鉄骨の箱を基礎に据え、事務所・店舗・宿泊施設・倉庫などに使う建物です。20フィート(長さ約6m・幅約2.4m)や40フィート(長さ約12m)の箱を1つで使うほか、横につないだり上に積んだりして広げます。
「コンテナハウス」は法令の言葉ではありません。国の通知は「コンテナを利用した建築物」と呼んでいます。
建築物として扱われる
1989年の通達は、カラオケルームなどに転用したコンテナを、その形と使い方から建築基準法第2条第1号の建築物に当たるとしました(住指発第239号)。2004年の技術的助言は、倉庫として置いて継続的に使い、随時かつ任意に移動できないコンテナも建築物に当たるとしています(国住指第2174号)。
2014年には、確認を取らずに置かれたコンテナ倉庫が後を絶たないとして、国が違反対策の徹底を求めました(国住安第5号)。そこで挙げられた主な違反の例は次のとおりです。
| 違反の内容 |
根拠 |
| 適切な基礎がない/コンテナと基礎が緊結されていない |
建築基準法 第20条(構造耐力) |
| 積み重ねたコンテナどうしが適切に接合されていない |
同 第20条 |
| 低層住居専用地域などに、コンテナの貸し倉庫を置いている |
同 第48条(用途地域) |
横浜市では、第一種低層住居専用地域にコンテナを2段に積んだ貸し倉庫が、除却命令を受けて撤去された例も紹介されています。倉庫に限らず、事務所や店舗に使う場合も同じ扱いです(広島市)。
建築用コンテナと海上コンテナの違い
建物の基礎や主要構造部に使う鋼材は、大臣が指定するJISに適合するか、大臣の認定を受けたものでなければなりません(建築基準法 第37条)。千葉県も、コンテナを建物に使うなら第20条(構造耐力)と第37条(建築材料の品質)に適合させる必要があると案内しています(千葉県)。
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鋼材 |
構造 |
建築確認 |
| 建築用コンテナ |
JIS鋼材 |
柱と梁で支える |
証明書を付けて申請 |
| 海上コンテナ |
ISO規格 |
壁と骨組みが一体 |
通りにくい |
建築用コンテナは建物に使うために作り、柱と梁で支えるラーメン構造なので、壁に大きな窓や扉を開けられます。建築確認の申請では、ミルシート(鋼材の品質を示す証明書)と構造計算書を出します。海上コンテナは船やトレーラーで荷物を運ぶために作るもので、壁と骨組みが一体で強さを持つため、開口を開けると補強が要ります。
構造の違いはメーカーの説明によります(エスジェースチール・コンテナワークス)。コンテナワークスは、中古の海上コンテナは建築確認の要件を満たさないとして扱わず、RESも基本的に断っています(RES)。
海外の工場で作るコンテナでも、ミルシートなどで鋼材がJISに適合すると確かめられれば、第37条の条件を満たすものとして扱えます(国土交通省 2023年3月31日の事務連絡)。このページに載せたメーカーにも、中国や韓国の工場で作る会社があります。どこの工場で作るかより、鋼材の証明と構造計算書を出せるかを確かめます。
国が挙げた3つの留意点
1989年の通達は、コンテナを建物に使うときの留意点として次の3つを挙げ、千葉県も同じ3点を案内しています。①構造上主要な部分が腐食・腐朽していないコンテナを使う。②鉄筋コンクリート造などの基礎に緊結する。③開口部を新たに設けるなら、必要な補強をする。
ユニットハウス・トレーラーハウスとの違い
|
何の上の建物か |
建築基準法の扱い |
| コンテナハウス |
コンテナの形の鉄骨の箱を、基礎に据える |
建築物(国住指第2174号) |
| ユニットハウス |
工場で仕上げた建物用の鉄骨の箱を、基礎などに据える |
建築物 |
| トレーラーハウス |
車輪の付いた車両の上の建物 |
いつでも動かせる状態を保てば建築物に当たらないと扱われる |
コンテナハウスとユニットハウスは、どちらも工場で作った箱を運んで据える建物です。ユニットハウスは事務所や倉庫向けの規格品を、床・壁・天井や電気設備まで工場で仕上げて出すものが中心で(ユニットハウスの比較)、コンテナハウスはコンテナと同じ寸法の箱をつないだり積んだりして、店舗や宿泊施設まで設計して建てる例が多くなります。動かす予定があり、車両として置きたいなら、トレーラーハウスを検討します(トレーラーハウスの比較)。
価格の目安
公的な相場の統計は見つかりませんでした。比較ページに載せた各社の公開価格を拾うと、次のとおりです。
| 買い方 |
公開価格 |
| 20フィートの箱(躯体)だけ |
税込108万円から(コンテナワークス。開口加工込み、諸費用58万円からが別)/税別70万〜100万円(Uni-Kon。中国の工場渡し、輸送費が別) |
| 40フィートの箱(躯体)だけ |
税込209万円から(コンテナワークス)/税別140万〜180万円(Uni-Kon) |
| 内装まで付いた集合住宅用ユニット(20フィート2台・27.7㎡) |
税別280万円(Uni-Kon) |
| 断熱・内装から建築確認・基礎工事まで込み |
21フィートで約870万円から(TSUTSUMI・税別の概算。水回り工事・地盤改良は別) |
| 2階建てのパッケージ |
躯体1,090万円から(RES・税別) |
箱だけの価格には、断熱・内装・設備・基礎・据え付け・建築確認の費用が入っていません。税込か税別か、輸送費が入るかも会社ごとに違います。価格を公開していないメーカーも多いため、同じ条件で見積もりを取って比べます。
選び方
- 建築用のコンテナかを確かめる:JIS鋼材を使っているか、ミルシートと構造計算書を出せるか。
- 置く場所を確かめる:都市計画区域か、用途地域で建てられる用途か。都市計画区域では、新しく置くなら大きさにかかわらず建築確認が要る(ユニットハウスの解説に整理)。
- 基礎と搬入経路を決める:鉄筋コンクリート造などの基礎に緊結する。トラックとクレーンが入れるか(RESは幅4.0m以上の道が要るとしている)。
- 買い方を決める:箱だけ買って工務店が仕上げるか、パッケージか、設計施工まで頼むか。
- 見積もりの中身をそろえる:本体・輸送・基礎・据え付け・断熱と内装・設備・申請費をそろえて、同じ条件で比べる。