製品を比べる種類から探す・無料
GUIDE / SHINSUI-SHEET

浸水防止シートとは?4つ⁠の方式・対応できる水位・止水板や吸水土のうとの使い分け

出入口や建物の外周、車をシートで覆って水を防ぐ浸水防止シートの方式(張る・常設・水の重さで押さえる・包む⁠)⁠、対応できる水位と漏水量の見方、止水板・吸水土のう・防水扉との使い分け、補助金の扱いを、東京都・自治体の資料とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月8日更新

この記事の答え

浸水防止シートは、水を通さないシートで出入口や建物の外周、車を覆って水を防ぐ浸水対策品です。板の止水板より軽く畳んで保管できますが、対応できる水位と留め方は製品で大きく違います。「どの高さの水まで防ぎたいか」「その場で張るか常設にするか」「何に留めるか⁠」⁠の3つを先に決めると、候補が絞れます。

浸水防止シートとは

水を通さないシートで、水が入ってくる所を覆う製品です。東京都の「止水板設置事例集」は、床や壁に収めておいたシートや支柱を必要なときに引き出して張る方式を、止水板の「簡易型」として紹介し、建物の出入口や地下駐車場の出入口などの広い開口に向くとしています(東京都「止水板設置事例集」)⁠。

考え方は家庭の水防にもあります。名古屋市は、水を入れたポリタンクや土を入れたプランター⁠をレジャーシート⁠で巻き込み、連結して使う簡易な水防工法を紹介しています(名古屋市「簡易水防工法の例」)⁠。市販の浸水防止シートは、これを留め具や重し、シートの形まで含めて製品にしたものと考えると分かりやすいです。

4つの方式

比較ページでは、どこに・どう留めるかで4つに分けています。

  • その場で張る:テープ・つっぱり・重りなどで、出入口にその場で張ります。くればぁの防水シート、TAフロンティア⁠のとめっぱ Light、文化シヤッター⁠の止めピタ、三和シヤッター工業のeシートなど。
  • 常設・収納:床と枠に収めたシートを引き上げて張ります。取り付け工事が要ります。鈴木シャッター⁠の防水シートⅢ、大奉金属のシート式止水板など。
  • 水で押さえる:床に広げたシートを、上に来た水の重さで地面に押し付けます。公益創造センターのマジックダム、サンリョウ⁠のSANWRAP、萩原工業のウォーターバスター プラスなど。
  • 囲う・包む:建物の外周に巻いたり、車を包んだりします。サワヤの止らっぷ、蔵田工業のAQ Barrier、南榮工業のウォーターセーフシートなど。

どの方式でも、シートは水の圧力で建物や地面に押し付けられて隙間をふさぎます。文化シヤッター⁠は止めピタについて、押し寄せる水の圧力を建物の強度で支えるしくみだと説明しています。そのため、シャッター⁠や壁がその力を受けられるか、シートの端が床にきちんと沿うかが大事になります。

対応できる水位と、漏水量の見方

対応できる水位は、製品で15cmから1m以上までと幅があります。

製品 対応できる水位 漏水量の等級(各社の試験値)
とめっぱ Light(TAフロンティア⁠) 15cmまで Ws-4相当
eシート(三和シヤッター工業) 300mm以下 Ws-1相当
止めピタ(文化シヤッター⁠) 500mm Ws-1相当
防水シートⅢ(鈴木シャッター⁠) 1,000mmまで Ws-3相当
シート式止水板(大奉金属) 200〜1,500mm Ws-6相当
マジックダム(公益創造センター) 10〜100cm(注文時に決める) 数値の記載なし
SANWRAP(⁠サンリョウ⁠) 100〜1,800mm(シリーズによる) 数値の記載なし

漏水量の等級は、止水板のJIS A 4716の区分です。1時間に1㎡あたり漏れる水の量で、Ws-1(200L以下)からWs-6(1L以下)までの6段階に分かれます。東京都の事例集は、Ws-1⁠を「一般的な土のうよりは浸水防止性能は高い」簡易な設備、Ws-3⁠を一般家屋や機械室などで最も一般的に使われる性能としています。

ただし、建材試験センターの止水板の技術評価基準は、評価の対象を鋼製・樹脂製の止水板とし、「シート状のものは対象外」としています(建材試験センター「浸水防止板(止水板⁠)⁠に関する技術評価基準」)⁠。シートの等級は、各社がJISに準じて自分で測った値や「相当⁠」⁠の表記で、保証値ではないと書くメーカーがほとんどです。テープで貼るシートや外周に巻くシートは、水位も漏水量も示していないものが多くあります。

止水板・吸水土のう・防水扉との使い分け

比べる点 止水板 浸水防止シート 吸水土のう 防水扉
置き方 開口部に取り付ける 張る・広げる・巻く 積んで並べる 扉そのものを替える
漏れ 等級で示される 示す製品と示さない製品がある 等級はなく、継ぎ目から漏れる 扉として水を止める
保管 板と支柱の置き場が要る 畳んで袋や紙管に。常設型は床と枠に収納 薄く積んで保管。期限がある 置き場はいらない
工事 支柱や枠に工事が要るものが多い 張る型は不要。常設型は要る 不要 要る
向く所 守る出入口が決まっていて漏れを抑えたい 幅の広い出入口・外周・車をすばやく覆いたい 場所を決めずに備えたい 電気室や地下の出入口など、毎回の作業なしで守りたい

シートと土のうは組み合わせても使えます。萩原工業の「⁠ウォーターバスター プラス」は、吸水土のうを並べて自社のシートでくるみ、継ぎ目からの水を防ぐセットです。サンリョウ⁠のSANWRAPも、床に伸ばしたシートの先をまくら土のうで押さえます。

止水板は止水板のメーカー比較⁠、吸水土のうは吸水土のうのメーカー比較⁠で比べられます。入ってしまった水や、雨で床にたまった水は排水用水中ポンプ⁠で出します。

張るときに気をつけること

  • 床と壁の状態:テープで貼るシートは、濡れた床や土・芝生・凸凹の面には貼れません(くればぁ⁠)⁠。雨の前に張るか、乾いているうちに練習しておきます。
  • 風:止めピタやeシートは、強風のときに外れるおそれがあるとしています。
  • 留める相手:留める相手が決まっている製品があります。eシートは三和シヤッター工業の軽量シャッター専用です。南榮工業のシートは同社の車庫に付けて使います。止めピタは屋内側に補強材が要ります。
  • 張ったあとの出入り:常設型の防水シートⅢは、張ったあとは乗り越えられないとしています。マジックダム⁠は張ったまま人や車が通れるとしています。避難の経路を先に決めておきます。
  • 浅い浸水まで:ほとんどのメーカーが、完全に水を止める製品ではないと書いています。水位が上がりそうなときは避難を優先します。

補助金の扱い

止水板の補助金に、シートが入るかは自治体によります。広島市の止水板設置補助金は、止水板には「板状やシート状など、様々な種類があります」としていて、購入や設置工事の費用の2分の1(上限50万円⁠)⁠を補助しています(令和8年度。広島市「止水板設置補助金の交付」⁠)⁠。交付決定の通知が届く前に買ったものは対象になりません。申請する前に、自分の自治体の要綱で対象と順番を確かめてください。

選び方

  1. 守る所を決める:出入口か、建物の外周(床下の換気口)か、車か。車なら、まず高い場所へ移せないかを考える。
  2. 防ぎたい水位を決める:ハザードマップ⁠の浸水の深さと、出入口の段差から考える。浅い浸水なら張るタイプ、深くなりうるなら水位と漏水量を示した常設型や注文生産の製品から選ぶ。
  3. 留め方を出入口に合わせる:シャッター⁠か扉か、床がコンクリート⁠かタイルか、屋内側に補強材を付けられるか。専用品は対象の型番まで確かめる。
  4. 保管と練習を決める:保管場所と張る人を決め、晴れた日に一度張ってみる。テープやシートの交換時期(くればぁは保管の目安約5年、マジックダム⁠は推奨交換5年⁠)⁠も控えておく。
浸水防止シートのメーカー14社を比べる

対応できる水位・設置の手間・固定の方法・価格を一覧で見られます。

比較表を見る