この記事の答え
トレーラーハウスは、いつでも動かせる状態で置くかぎり建築物として扱われず、建築確認が要りません。選ぶときは「動かすかどうか(大きさ)」「何に使うか」「価格に何が入っているか」の3つを先に決めると、候補が絞れます。
トレーラーハウスとは
車輪の付いたトレーラーの上の建物を、いつでも動かせる状態で置いて使うものです。日本トレーラーハウス協会は、適法に公道を移動できるトレーラーを置き、電気や水道などを工具なしで外せる方式でつなぎ、公道まで出せる通路を確保して設置したもの、と定義しています(日本トレーラーハウス協会)。
その状態を保てなくなった時点で、トレーラーハウスではなく違反建築物として扱われる、とも書かれています。
建築物にならない条件
建設省(当時)の通知(平成9年 住指発第170号)は、いつでも動かせるトレーラーハウスは建築基準法の建築物に当たらないと扱う、としています(国土交通省の回答資料)。
日本建築行政会議の適用事例では、次のどれかに当たると建築物として扱われます(2022年版・協会掲載)。
| 建築物として扱われる例 |
具体的には |
| 動かすのに邪魔なものがある |
階段・ポーチ・ベランダ・柵などが付いている |
| 設備の接続が着脱式でない |
給排水・ガス・電気などを工具なしで外せない |
| いつでも動かせるとは認められない |
車輪を外している、走れる状態に保たれていない、公道まで出す通路がない、法律どおりに公道を走れない |
仮ナンバーや特殊車両通行許可を取っただけでは「いつでも動かせる」とは見なされません。運用は自治体ごとに違い、神奈川県や浜松市のように独自の取り扱いを示している自治体もあります。置く前に、設置する自治体へ確認してください。
車検付きと大型の違い
|
車検付きで走れる大きさ |
幅広・大型 |
| 大きさ |
長さ12m・幅2.5m・高さ3.8m以下 |
どれかが上限を超える |
| 車検・ナンバー |
取れる。公道をけん引できる |
取れない |
| 運ぶとき |
ふつうにけん引して運ぶ |
そのたびに基準緩和の認定と特殊車両通行許可・臨時運行許可を受ける |
| 税金(協会の整理) |
自動車税の対象 |
自動車税の対象外。償却資産として課税されうる |
大きさの上限は道路運送車両の保安基準 第2条です(e-Gov法令検索)。大型を一時的に運べるようにする制度は、2012年12月の国土交通省の制度改正で整いました(国土交通省)。
税金の扱い
日本トレーラーハウス協会は、建築物に当たらなければ土地・建物の固定資産税はかからないと説明しています。ただし自治体によっては償却資産として課税され、車検付きのものには自動車税がかかります(協会のよくある質問)。
業界団体の見解です
税金の扱いは協会の整理で、税務署や自治体の公式な基準ではありません。不動産取得税について、トレーラーハウスを名指しした公的な資料は見つかりませんでした。最終的には設置する自治体に確認してください。
何に使うかで変わること
| 使い方 |
気をつけること(協会のよくある質問より) |
| 事務所・店舗 |
飲食店は条件を満たせば営業許可を取れる |
| 宿泊施設 |
建築行政・消防署・保健所の三者の許可が要る |
| 住まい |
使う例はあるが、特別な事情がない限り住民登録はできない |
| 防火地域に置く |
準耐火構造が要る |
| 農地に置く |
農業委員会の了承が要り、認められた例はごく少ない |
価格の目安
公的な相場の統計は見つかりませんでした。比較ページに載せた各社の公開価格を拾うと、次のとおりです。多くは本体だけの価格で、運搬と設置は別にかかります。税込か税別かも会社ごとに違います。
| 種類 |
公開価格の幅 |
| 幅2.5m前後・長さ5〜9mの事務所・店舗向け |
およそ450万〜860万円 |
| 水回り付きの住まい・宿泊向け |
およそ460万〜1,400万円 |
| 幅3.3〜3.5mの大型 |
およそ835万〜1,220万円 |
選び方
- 動かすかどうかを決める:移設の予定があるなら、車検付きで走れる大きさ。動かさず広さを取るなら大型。
- 何に使うかを決める:宿泊施設にするなら、消防署と保健所の許可を先に確かめる。
- 置く場所を確かめる:公道まで出せる通路があるか、防火地域や農地ではないか、自治体の運用はどうか。
- 見積もりの中身をそろえる:本体・運搬・設置・車検登録・税をそろえて、同じ条件で比べる。