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GUIDE / STEPPING-MOTOR

ステッピングモータとは?2相・5相・閉ループの違いと選び方

自動化装置の位置決めに使うステッピングモータの仕組み、2相・5相・閉ループの違い、基本ステップ角とマイクロステップ、保持トルク・定格電流・取付寸法・軸仕様の確認方法を、メーカーの公式資料からまとめました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

ステッピングモータは、パルス信号に応じて一定の角度ずつ回り、装置の位置決めや送りを行うモータです。選定では「回転速度ごとの必要トルク」「基本ステップ角と指令の分解能」「取付寸法・軸・ドライバの組み合わせ⁠」をそろえます。2相と5相は相数の違いで、閉ループは位置センサを使う制御の違いです。保持トルクの大きさだけで決めず、運転条件付きのトルク特性まで確認します。

ステッピングモータとは

ステップモータ・ステッピングモーターとも呼びます。コントローラが出すパルスの数で回る角度が、周波数で回る速さが変わります。回転機構だけでなく、ねじやベルトと組み合わせる送り機構にも使います。

メーカー比較では、製造元の公式資料にあるモータ部品を型式ごとに並べています。ドライバ単品やサーボモータ、ギヤヘッド付き・リニアアクチュエータ、家庭・ホビー専用の製品は分けています。

仕組みと脱調の説明は、ASPINAの技術解説⁠によります。以下の仕様は2026年10月28日に確認しました。

2相・5相・閉ループの違い

  • 2相型は、コイルへの電流を切り替えて回す型です。多摩川精機のTS3641N1E1は基本ステップ角1.8°、片軸、フランジ□28mmです
  • 5相型は、基本ステップ角を細かくした型です。多摩川精機のTS3682N1は0.72°、フランジ□20mmです。同社は5相型を、なめらかで低振動な動作が特長と説明しています
  • 閉ループ対応型は、位置センサの情報を適合ドライバへ返す型です。オリエンタルモーターのAZM46ACは通常オープンループで動き、過負荷時には閉ループで位置を補正します
  • フエストのEMMS-ST-42-S-SE-G2は、インクリメンタルエンコーダ付きです。対応コントローラと組み合わせて閉ループで使います。センサ付きモータ単体で制御が完結するわけではありません

相数と閉ループは別の分類軸です。比較ページでは、位置センサによる補正に対応する型式を、閉ループの区分へ優先して置いています。

出典は、多摩川精機の2相仕様・5相仕様、AZシリーズの公式カタログ、フエストの公式カタログです。

基本ステップ角とマイクロステップ

基本ステップ角は、モータの基本の回転刻みです。ドライバのハーフステップやマイクロステップは、その駆動を細かく分けます。モータ本体の基本角と、ドライバで設定する分解能は分けて仕様書に書きます。

  • 多摩川精機のTS3641N1E1は、基本ステップ角1.8°です。対応ドライバはハーフステップ・マイクロステップで駆動できます
  • AZM46ACのカタログにある0.36°/パルスは、1000P/Rに設定したときの分解能です。この数値をモータの基本ステップ角として扱いません

必要な位置決め精度は、モータだけでなく、負荷や機構の条件も含めて確認します。

保持トルクだけでモータを決めない

保持・最大静止トルクは、回転中に出せるトルクと分けて読みます。ASPINAは、負荷を動かすための必要トルクがモータのトルクを上回ると脱調すると説明しています。回転速度と加減速条件を決めてから、メーカーのトルク特性を確認します。

  • マブチモーターNPMのPJP42T40D16は、最大静止トルク250mN・mです。公式の回転中の特性には、ユニポーラ定電流・設定電流1.2A/相・電源電圧24Vという駆動条件があります
  • AZM46ACは、励磁最大静止トルク0.3N・mと、停止時通電の保持トルク0.15N・mを別に示しています。同じモータでも、状態の違う値を取り違えないでください
  • 通電時のトルクを、停電時の負荷保持に使いません。上下軸などでは、ブレーキの有無と機構側での保持方法も決めます

NPMの数値と条件は、PJP42T40D16の公式仕様⁠によります。

定格電流・結線を合わせる

ユニポーラはコイルに一定方向へ、バイポーラは双方向へ電流を流します。モータの定格電流は巻線側の条件です。ドライバが電源から取る入力電流とは分けて確認します。

  • 山洋電気のSF2422-12U41は、ユニポーラ、定格電流1.2A/相、保持トルク0.33N・mです
  • 同社の103H7121-5740は、バイポーラ、定格電流2A/相、保持トルク0.55N・mです。サイズも異なるため、この数値の差を結線だけの効果とは読めません
  • ASPINAのSST59D110Xは、ユニポーラとバイポーラの仕様表に載っています。比較ページではユニポーラ仕様の1.0A/相・667mN・mを使っています。方式の違う表から電流とトルクを混ぜないでください

出典は、山洋電気のSF2422-12U41と103H7121-5740⁠の製品ページと、ASPINAのユニポーラ仕様です。

取付寸法と軸仕様

同じ外形サイズでも、取り付けられるとは限りません。外形図で取付穴のピッチ・インロー・軸径・軸の突き出し・軸端形状を確認し、カップリングやプーリの寸法と合わせます。

  • SF2422-12U41は、フランジ□42mm、長さ39mm、片軸のDカットです
  • PJP28T32E16は、外形□28mm、長さ32mm、質量110gです。軸端の細部は公式の外形図を確認します
  • ミネベアミツミの17PM-K044Uは、外径42.0mmの型式です。表の外径を、取付穴ピッチの数値へ置き換えないでください

比較表の「記載なし」は⁠、その寸法や機能が存在しないという意味ではありません。取得した公式資料の文字で確認できない値は、図面を確認するかメーカーへ照会します。

価格と見積もりのそろえ方

モータ単体・ドライバ・ケーブル・位置センサ用配線を分けて確認します。カタログに過去の定価があっても、現行価格を確認できない場合は、最新の見積もりを取ります。試作用の小ロットと量産時の購入条件も分けます。

  • モータの型式・数量・結線・軸仕様を指定する
  • ドライバの型式と電源、必要なケーブルをそろえる
  • 回転速度・負荷・加減速・停止時の保持条件を伝える
  • 図面・納期・現行価格と、継続供給の条件を確認する

ドライバから選び直す場合はモータードライバの比較へ、速度域や運転条件から別方式も検討する場合はサーボモータの比較⁠へ進めます。

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