口コミを書く 製品を比べる種類から探す・⁠⁠⁠⁠⁠⁠無料
GUIDE / SCANNING-ACOUSTIC-TOMOGRAPH

SAT(超音波映像装置)とは・選び方|周波数・分解能・走査範囲の違い

電子部品・半導体・接合材の内部欠陥を調べるSATの仕組み、機械走査と電子スキャン、反射法と透過法、分解能と走査ピッチの違い、価格の確認点をメーカーの公式資料から解説します。

2026年10月28日更新

この記事の答え

SATは、超音波を使って部品内部の剥離・ボイド・クラックを画像で調べる非破壊検査装置です。選ぶときは、試料の材質・厚さ・大きさ、探したい欠陥の位置と大きさ、水に触れてよい範囲を先に決めます。周波数や走査ピッチだけで判断せず、実試料での画像と検査時間を確認します。

SAT(超音波映像装置)⁠と⁠⁠⁠⁠は

SATは、部品に超音波を送り、内部から返る反射信号や試料を通った信号を画像にする装置です。超音波顕微鏡とも呼びます。半導体パッケージ、電子部品、ウェーハの接合界面、金属・セラミック・樹脂の内部欠陥を、試料を切断せずに調べます。

日立パワーソリューションズは、内部の音響インピーダンスが変わる界面で超音波が反射する性質を利用し、わずかな隙間や剥離を観察すると説明しています。測定できるかは、材質や積層構造、超音波の減衰・散乱でも変わります(公式FAQ)⁠。

メーカー比較では、SAT本体を型式ごとに並べています。医療用の超音波診断装置、厚さ計、単体プローブ、受託検査だけのサービスは対象にしていません。

機械走査と電子スキャンの違い

  • 機械走査式は、プローブを動かして位置ごとの信号を集めます。平面を走査する卓上機から、曲面に合わせて探触子を動かす多軸機まであります。
  • 電子スキャン式は、直線状に並べた振動子で焦点位置を電子的に移動させます。日立のES5100は、半導体・電子部品・IGBTなどの内部検査に使います。
  • ES5100では、30mm角を200µmピッチで測る例で約4秒です。異なる試料やピッチで同じ時間になるとは限りません。

方式の説明と測定例はES5100の公式資料⁠によります。装置には機械軸もあるため、「電子スキャンなら機械が一切動かない」⁠と⁠は読み替えません。

反射法と透過法は、走査方式とは別

反射法は試料から戻る信号を使い、透過法は試料を通り抜けた信号を使います。機械走査・電子スキャンという分け方とは別に、装置と試料に合う検査方法を決めます。

  • 日立のFineSAT 7は、直径300mmウェーハを反射法・透過法で一括測定します。
  • インサイトのIS-350は、反射法・透過法に加え、非線形超音波法にも対応します。
  • KJTDのD-viewは、パルス反射法を使う卓上型です。

出典:FineSAT 7、IS-350、D-view。

分解能・走査ピッチ・スポットサイズを混同しない

走査ピッチは、データを取る位置の間隔です。機械操作精度は位置決めに関わる数値で、探触子のスポットサイズとも異なります。どれかを、そのまま検出できる最小欠陥の大きさには置き換えません。

  • 本多電子のHA-60Aは、X・Yの走査ステップが8μmです。標準50MHz探触子のスポットサイズは100μm、オプション140MHz探触子は10μmです。
  • インサイトのIS-202は、機械操作精度が0.1μmです。公式のこの値を、欠陥分解能としては扱いません。
  • FineSAT 7のADサンプリングに関する分解能も、空間的に識別できる欠陥の大きさとは区別します。

出典:HA-60A、IS-202、FineSAT 7⁠。

周波数・走査範囲・速度の比べ方

プローブの周波数、装置が対応する周波数、レシーバの帯域は意味が違います。日立のFAQでは、プローブの周波数と焦点距離は、試料の大きさ・厚さ・表面粗さや欠陥の位置・種類によって変わると説明しています。

  • FineSAT 7のプローブ周波数は、5〜400MHzです。有効ストロークは350×350×80mm、最大走査速度は公称1,200mm/sです。
  • VSA M350の走査範囲は、350×320×80mmです。走査速度は1,200mm/sで、IC・JEDECトレイ・MLCC・300mmウェーハを検査します。
  • HA-60Aの現行メーカー仕様では、ステージ移動量が135×135×80mm、最大走査速度が500mm/sです。
  • ADS71000は、X・Yが各1,000mm、Zが350mmの走査範囲を持ち、曲面を含む形状を7軸同時制御で検査します。

出典:FineSAT 7、VSA M350公式カタログ、HA-60A、ADS71000⁠。

走査範囲に収まっても、試料の固定やプローブの位置によって観察範囲が変わります。比較では、有効走査範囲・ステージ移動量・最大ワーク寸法の表記を残しています。

水と試料の形状を確認する

水浸式は、水を介して試料へ超音波を伝えます。ES5100には、試料と探触子の間だけに水を介在させる局所水浸法があります。全体を沈めなくても、水との接触はあります。

平坦面を前提にする装置では、段差・凹凸・曲面に観察できない部位が生じます。多孔質材料や減衰の大きい材料も、実試料で確かめます。剥離部の深さ位置を調べることと、剥離した隙間自体の厚さを定量評価することも別です(日立の公式FAQ)⁠。

X線検査との使い分け

日立のFAQでは、X線は透過量の変化を画像にし、多層構造内のはんだボールのボイドや内部構造の観察に優れると説明しています。SATは界面からの反射を使い、X線で検出しにくい剥離や樹脂中のボイドを観察します。対象欠陥を決め、必要に応じて結果を突き合わせます。

見積もり・サンプルテストで渡す条件

掲載製品の本体価格は、確認した公式資料では公開額を確認できていません。見積もりは、次の条件をそろえて依頼します。

  • 試料の材質・厚さ・外形寸法・積層構造と、固定する方法
  • 探したい剥離・ボイド・クラックの位置と大きさ
  • 全没できるか、濡れてよい面はどこか
  • 測定範囲・ピッチ・必要な画像と、判定までの検査時間
  • 本体・プローブ・治具・解析ソフト・水の管理設備・保守の見積範囲

日立はテストルームでのサンプル測定を案内しています。実試料の画像と測定条件を受け取り、検出できた欠陥と観察できなかった部位を確認してから仕様を固めます。

比較記事にしてほしい製品の依頼はこちら👉