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GUIDE / MAKUATSUKEI

膜厚計とは?原理と種類・使い方(ゼロ調整と標準板)・めっきの測り方と選び方

塗装・めっき・コーティングの品質管理で使う膜厚計の原理(電磁式・渦電流式・両用・蛍光X線式・電解式⁠)と使い方、ゼロ調整と標準板、校正、超音波式・ウェットゲージの扱いを、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

膜厚計は、塗装やめっきの膜の厚さを μm の単位で測る測定器です。選ぶときは「素地は何か(鉄か、アルミ・銅か、金属でないか)」「膜は塗装か、めっきか」「その場で測るか、卓上で測るか」の3つを先に決めます。

膜厚計とは

膜厚計は、鉄やアルミの上の塗装、部品のめっきやアルマイトの厚さを測る測定器です。塗膜厚計・膜厚測定器とも呼びます。塗りすぎや塗り足りないをその場で数字で確かめ、品質の記録に残すのに使います。

比較ページには、塗装・めっき・コーティングの品質管理で使う膜厚計を、種類ごとに代表の型式で載せています。板やパイプの肉厚を測る超音波厚さ計、光で薄膜を測る光干渉式・分光式、蒸着の水晶式膜厚モニタ、ウェットゲージのような簡易ゲージは載せていません。

原理と種類

サンコウ電子研究所の膜厚計の選び方では、素地と膜の組み合わせで方式を選ぶとしています。

電磁式(電磁誘導式)

  • 鉄芯の入ったコイルを鉄に近づけたときの、インダクタンスの変化から膜の厚さを測る
  • 素地:鉄・鋼・フェライト系ステンレスなどの磁性体
  • 測れる膜:塗膜・めっき・樹脂ライニングなど(めっきは電解ニッケルを除く)

渦電流式

  • 金属の表面に起きる渦電流の大きさと、膜の厚さの関係から測る
  • 素地:アルミ・銅・オーステナイト系ステンレスなどの非磁性金属
  • 測れる膜:塗膜・樹脂膜・アルマイトなどの絶縁性の膜

両用(デュアルタイプ)

  • 電磁式と渦電流式を1台に入れ、当てた素地が鉄か非鉄かを見分けて切り替える
  • 鉄の部品もアルミの部品も扱う工場や、受入検査に向く

蛍光X線式

  • めっきにX線を当て、出てくる蛍光X線から金属の膜の厚さを壊さずに測る
  • 2層・3層のめっきや、合金のめっきの厚さと組成も測れる
  • 卓上の装置が多く、成膜ラインに付けるインライン型もある

電解式

  • めっきを電解液で溶かし、溶け終わるまでの電気の量から膜厚を出す
  • 測った所のめっきが溶けるので、抜き取りの検査に使う
  • フィッシャー・インストルメンツは、一定の膜厚を超えると蛍光X線での測定は限界に達し、そこで電解式(クーロメトリー)を使うと説明している

載せていない方式

  • 超音波式:プラスチックや木材など、金属でない素地の上の塗膜を測る
  • 非接触式:粉体塗装を乾く前(ウェット)や乾いた後に、当てずに測る
  • ウェットゲージ:乾く前の塗膜に刻みの付いたゲージを押し当てて、塗料が付いた刻みで厚さを見る(ケット科学研究所⁠のウェットゲージは、1型が25〜700µm、2型が100〜1500µm)

使い方

使う前の調整

  • 塗っていない素地(ゼロ板)に当てて、ゼロ調整をする
  • 厚さの分かった標準板を素地に載せて、標準調整をする
  • サンコウ電子研究所の膜厚計は、このゼロ調整と標準調整を行う2点調整式

測るとき

  • プローブを面に垂直に当てる(精度は平滑な面に垂直に当てたときの値)
  • 素地に合う方式で測る(鉄の上の電解ニッケルめっきは、電磁式では測れない)
  • 記録が要るなら、データを残してパソコンへ出せる機種を使う

校正

ケット科学研究所は L‑600 のオプションに、校正証明書・校正成績書・トレーサビリティ体系図を付けた校正を用意しています。取引先に記録を出すなら、校正証明書が要るかを買う前に決めます。

規格

  • ケット科学研究所は、LZ‑990 の適合規格に JIS K 5600‑1‑7・JIS H 8501・ISO 2178 などを挙げています
  • 中央製作所の TH‑12 は、JIS H 8501 に決められた電解式の方法に準じた測定器です

選び方

  1. 素地を決める:鉄だけなら電磁式、アルミ・銅だけなら渦電流式、両方なら両用
  2. 膜を決める:塗装・アルマイトはハンディ型、めっきの多層・合金・薄い金めっきは蛍光X線式、厚いめっきや抜き取りは電解式
  3. 測る範囲と精度を見る:塗装の厚膜なら測定範囲の上限、薄いめっきなら分解能
  4. 記録の要否を決める:データの件数とUSB・Bluetoothの有無
  5. 値段を比べる:ハンディ型は公開価格で比べられる。蛍光X線式・電解式は見積もりを取る

蛍光X線式を入れるとき

アワーズテックは、インライン型の OURSTEX100TA‑F を入れる前に、労働基準監督署への届出が必要と案内しています。蛍光X線式を入れるときは、メーカーに届出の要否と必要な書類を確かめます。

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