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GUIDE / KOUSAKU-KIKAI

工作機械とは?CNC旋盤・マシニングセンタ・複合加工機・研削盤・放電加工機の違いと選び方

金属の部品を削る工作機械の6つの方式(CNC旋盤、立形・横形マシニングセンタ、5軸・複合加工機、研削盤、放電加工機⁠)⁠の仕組みと向き不向き、研磨機・切断機・レーザー加工機との違い、仕様表の読み方、砥石と切りくずの安全の決まりを、各メーカーの公式資料・日本工作機械工業会・労働安全衛生規則をもとにまとめました。

2026年10月10日更新

この記事の答え

工作機械は、金属の材料から要らない所を削り取り、図面どおりの形と寸法に仕上げる機械です。選ぶときは「部品が丸いか角か」「どこまで仕上げるか」「何個つくるか⁠」⁠の3つを先に決めます。丸い部品はCNC旋盤、角物はマシニングセンタ、旋削とミーリングを1台にまとめたいなら複合加工機、焼入れ後の寸法を仕上げるなら研削盤、刃物で削れない硬い金型や細い溝は放電加工機です。

工作機械とは

日本工作機械工業会は、JIS(日本産業規格⁠)⁠の定義として、工作機械を「主として金属の工作物を切削、研削などによって、又は電気、その他のエネルギーを利用して不要な部分を取り除き、所要の形状に作り上げる機械⁠」⁠と紹介しています(日本工作機械工業会)⁠。手に持って使う電動ドリルやグラインダは入りません。

作業者がハンドルを回して動かす汎用機と、数値制御で自動で動くNC工作機械に分かれ、今は日本の工作機械の生産額の90%程度をNC工作機械が占めます。比較ページでは、NCの工作機械を6つの方式に分け、各社の代表機種を並べています。

方式 削り方 向いている部品 掲載した製品の例
CNC旋盤 部品を回して刃物を当てる 軸・フランジなど丸い部品 オークマ LB3000 EX Ⅲ、シチズンマシナリー Cincom L20VII
立形マシニングセンタ 縦の主軸の工具で上から削る 角物の部品・金型 ブラザー工業 SPEEDIO S700Xd2、ファナック ROBODRILL α-D21MiB5 Plus
横形マシニングセンタ 横の主軸で、回るテーブルの部品を削る 箱形の部品の量産 牧野フライス製作所 a51nx、ジェイテクト FH5000S-i、OKK HM400
5軸・複合加工機 傾く・回る軸を足して多面を削る 複雑な形の部品 ヤマザキマザック INTEGREX i-200 NEO、松浦機械製作所 MX-520
研削盤 回る砥石で薄く削って仕上げる 焼入れ後の部品・金型プレート ナガセインテグレックス SGC-64、太陽工機 NVGH-6T
放電加工機 放電の熱で溶かして削る 硬い金型・細い溝 ソディック AL400G iG+E、三菱電機 MG12R

研磨機・切断機・レーザー加工機のページとの違い

このページは、部品の形と寸法を削り出す工作機械の親のページです。形ができた部品の表面を磨いて平らさやなめらかさを上げるラップ盤・バレル研磨機などは研磨機のページ⁠、棒やパイプ・形鋼を決まった長さに切る機械は切断機のページ⁠で比べます。研削盤は砥石を使う点が研磨機と同じですが、寸法を決めた値まで削り出す工作機械なので、こちらに入れました。板をレーザーで切り抜くレーザー加工機は、別のページで扱うため、ここには入れていません。

丸い部品を削る:CNC旋盤

材料をチャックでつかんで回し、刃物を当てて外径・端面・穴・ねじを削ります。刃物台に回転工具を付けてミーリングもできるもの、Y軸を足して偏心した穴まで削れるものがあります。

  • チャック式の旋盤:オークマのLB3000 EX Ⅲは最大加工径410mm、ヤマザキマザックのQUICK TURN 250MYは最大加工径380mmでY軸付きです。中村留精密工業のWT-150IIは主軸を2つ、タレットを2つ持ち、左右で同時に削ります
  • 主軸台移動形の自動旋盤:シチズンマシナリーのCincom L20VIIとスター精密のSR-20JⅡは、最大加工径20mmの細長い部品を棒材から量産します。主軸台が動き、ガイドブッシュの近くで削るので、細長い部品でもたわみにくくなります

角物を削る:立形と横形のマシニングセンタ

マシニングセンタは、工具を自動で替えながら、穴あけ・ねじ立て・面削り・溝削りを続ける機械です。主軸が縦なら立形、横なら横形です。

  • 立形:ファナックのROBODRILL α-D21MiB5 PlusはATC 21本で工具交換0.9秒、ブラザー工業のSPEEDIO S700Xd2は工具を最大100本まで積めます。碌々スマートテクノロジーのAndroidⅢは主軸60,000min-1で、小径工具の微細加工に使います。ニデックマシンツールのMVR30Axは門形で、テーブル長さ3,000mmの大型機です
  • 横形:牧野フライス製作所のa51nxは、パレット400×400mmを回すB軸を持ち、箱形の部品の4面を続けて削ります。OKKのHM400もパレット400mm角、ジェイテクトのFH5000S-iはパレット500mm角で1,000kgまで載せられ、工具はオプションで312本まで増やせます

1回の段取りで多面を削る:5軸・複合加工機

直交3軸に傾く・回る2軸を足した5軸のマシニングセンタと、旋盤とマシニングセンタを1台にした複合加工機です。松浦機械製作所のMX-520はA軸とC軸を持つ5軸の立形機で、ATC 60本です。ヤマザキマザックのINTEGREX i-200 NEO、オークマのMULTUS U3000、DMG森精機のNTX 2000は、旋削主軸とATC付きのミル主軸を持つ複合加工機で、NTX 2000は工具を246本まで選べます。

焼入れ後の寸法を仕上げる:研削盤

回る砥石を当てて薄く削り、寸法と面を仕上げます。黒田精工のGS-45PFNCとナガセインテグレックスのSGC-64は平面研削盤で、SGC-64は上下・前後の最小単位が0.0001mmです。ジェイテクトのG1は小物の軸の外径を仕上げる円筒研削盤、太陽工機のNVGH-6Tはワークを立てて回し、内径60〜550mmと外径を1回のチャッキングで研削します。アマダのMEISTER-52 UPは、砥石とワークの交換を機内のロボットでこなす成形研削盤です。

刃物で削れないものを削る:放電加工機

電極と部品の間の放電の熱で、金属を少しずつ溶かします。電気を通す材料なら、焼入れ鋼や超硬でも硬さに関係なく加工できます。

  • ワイヤ放電加工機:細いワイヤを電極にして、輪郭を切り抜きます。ソディックのAL400G iG+E、三菱電機のMG12R、西部電機のM50HP、ファナックのROBOCUT α-C400iCを載せました。M50HPは800kgまでの工作物を載せられます
  • 形彫り放電加工機:形を作った電極を押し当てて彫ります。ソディックのAL60G+は、最大加工物1,500kgです

選ぶときに見るところ

  1. 加工できる大きさ:書き方は方式で違います。旋盤は最大加工径と最大加工長さ、マシニングセンタと放電加工機はX・Y・Z軸の移動量、研削盤は研削できる範囲やテーブルの大きさで書かれています
  2. 主軸回転数と工具の本数:小径工具でアルミや金型を削るなら回転数、品種が多いなら工具の本数を見ます。ATCの本数は、多くの機種でオプションで増やせます
  3. 大きさと質量:ヤマザキマザックのINTEGREX i-200 NEOは10,780kg、QUICK TURN 250MYは5,800kgあります。入れる前に、床の強さと搬入経路を確かめます
  4. 値段:値段を公式に出している機種はわずかです。ブラザー工業のSPEEDIO S700Xd2は864万円(税抜)、ソディックのAL400G iG+Eは2,050万円から、AL60G+は2,000万円から(どちらも税抜き⁠)⁠。ほかは部品の図面と台数を伝えて見積もりを取ります

工作機械を使うときの安全の決まり

労働安全衛生規則には、工作機械に関わる決まりがあります(e-Gov法令検索)⁠。

  • 切りくず:切りくずが飛んで危ないときは、機械に覆いか囲いを付けます(第106条)
  • 砥石の取替えと試運転:研削といしの取替えと取替え時の試運転は特別教育の業務です(第36条⁠)⁠。その日の作業の前に1分間以上、取り替えたときは3分間以上試運転します(第118条)
  • 回し方:研削といしは、最高使用周速度をこえて使いません(第119条)
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