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GUIDE / FURAISUBAN

フライス盤とは?立形・横形・NC・卓上・門形の違いと選び方

刃物を回して金属の平面・溝・段を削るフライス盤の種類(立形・横形・万能・NCフライス盤・卓上フライス盤・門形・両頭⁠)の違い、旋盤やマシニングセンタとの違い、主軸テーパ・テーブル・移動量の読み方、値段、使うときの安全の決まりを、各メーカーの公式資料・日本工作機械工業会・労働安全衛生規則をもとにまとめました。

2026年10月13日更新

この記事の答え

フライス盤は、エンドミルや正面フライスを付けた主軸を回し、テーブルの部品を動かしながら平面・溝・段を削る工作機械です。選ぶときは「部品の大きさ」「材質と削り方の重さ」「何個つくるか」を先に決めます。1個ものの手直しは汎用の立形、深い溝や側面は横形、円弧や同じ部品のくり返しはNCフライス盤、小物の試作は卓上、大きな板やプレートの四方は門形・両頭です。

フライス盤とは

日本工作機械工業会は、フライス盤を「フライス工具と呼ばれる工具を回転させ平面、曲面、みぞなどを加工する機械⁠」と説明し、工具には正面フライス・エンドミル・みぞフライスなどがあるとしています(日本工作機械工業会)。英語ではミーリングマシンと呼びます。

比較ページでは、国内メーカー14社の22機種を、5つの方式に分けて並べています。

  • 立形フライス盤(汎用):縦の主軸で上から削ります。ひざ形・ラム形・ベッド形があります(イワシタ 2RC、静岡鐵工所 VHR-SD、ニデックオーケーケー MH2V・MH2P、山崎技研 YZ-8WR⁠)
  • 横形・万能フライス盤:横の主軸のアーバに円盤のカッタを付け、側面や深い溝を削ります(イワシタ 2HB、静岡鐵工所 SP-CH、武田機械 TK-HS2N-⁠LH)
  • NCフライス盤(CNCフライス盤):送りを数値制御で動かします。工具は人が替えます(イワシタ NV2、牧野フライス製作所 KE-55、武田機械 TK-VS2000NC、山崎技研 YZ-400NCR⁠)
  • 卓上フライス盤:作業台に載る小型機です。手動とCNCがあります(東洋アソシエイツ LittleMilling9・LittleMilling11、ホーザン K-280、オリジナルマインド KitMill AST200、エス.ラボ Sprout-⁠3)
  • 門形・両頭フライス盤:大きな板の面や、プレートの四方を削る大型機です(中央精機 C25N、ニイガタマシンテクノ JK1000、山崎技研 YZ-1121、浜井産業 2DS-A、武田機械 BXR800NC、和田機械 WH210A)

旋盤・ボール盤・マシニングセンタとの違い

  • 旋盤:丸い材料を回して、バイトを当てて削ります。フライス盤は工具のほうを回し、テーブルに固定した角物を削ります
  • ボール盤:ドリルを回して穴をあける機械です。フライス盤も穴はあけられますが、本来の仕事は面と溝と段です
  • マシニングセンタ:工具を自動で替えながら、多くの加工を続けるNC工作機械です。フライス盤は人が工具を替えます。同じ部品をたくさん削るならマシニングセンタ、1個ものや手直しならフライス盤で足ります

イワシタは、生産の主役がマシニングセンタに移った今も、生産ラインの一部・保全・試作や、高専・工業高校などの教育訓練でフライス盤が使われていると説明しています。

1個ものと手直し:立形フライス盤⁠(汎用)

縦向きの主軸で、テーブルの部品を上から削ります。ハンドルや自動送りで動かします。

  • ひざ形・ラム形:イワシタの2RCは主軸頭を前後に出せるラム形で、主軸はNT40・40〜4,000min⁻¹、前後・左右のデジタルスケールが標準です
  • タレット形:静岡鐵工所のVHR-SDはヘッドが左右に旋回し、部品を傾けずに斜め穴をあけられます。主軸は20〜6,000min⁻¹の無段変速です
  • ベッド形:ニデックオーケーケーのMH2V・MH2Pはテーブルが上下せず、重い部品を載せて削る作りです
  • テーブルだけNC:山崎技研のYZ-8WRは左右・前後をNCで、上下を手で動かし、数値を入れるだけの加工ガイダンスで削れます

深い溝と側面:横形・万能フライス盤

横向きの主軸に通したアーバに、サイドカッタなどの円盤の刃物を付けて削ります。

  • イワシタの2HBと静岡鐵工所のSP-CHは、どちらもテーブル1,100×280mm・NT50・3.7kWの横フライス盤です
  • 静岡鐵工所のSP-CHは、バーチカルアタッチメント(オプション)を付ければ立フライス盤としても使えます
  • 武田機械のTK-HS2N-LHはテーブル1,350×320mmで、3番・5番の大きい型式もあります。立形と横形を1台で兼ねる万能形(US形)も作っています

円弧と同じ部品のくり返し:NCフライス盤

送りをモーターと数値制御で動かします。汎用の操作とNC運転を切り替えられる機種が多いのが、マシニングセンタとの違いです。

  • 山崎技研のYZ-400NCRは、汎用の操作・加工ガイダンス・NCプログラム運転の3通りで使えます
  • 牧野フライス製作所のKE-55は、ハンドル操作のままで円弧・斜め・ポケットを削れ、MDI運転・メモリ運転もできます
  • イワシタのNV2は、ひざ形の構えのままNCで動かす機種で、主軸はNT50です
  • 武田機械のTK-VS2000NCはコラムが動く形で、X軸2,000mm・3,300mm・4,000mmから選べます

小物の試作と教育:卓上フライス盤

作業台に載る小型機です。100Vで動く機種が多く、手動とCNCがあります。

  • 手動:東洋アソシエイツのLittleMilling9は50.0kg・100Vで、モールステーパ3番の主軸です。LittleMilling11は左右の自動送りが標準です。ホーザンのK-280はフライス盤とボール盤の兼用機です
  • CNC:オリジナルマインドのKitMill AST200は鋳鉄のフレームで、削れる材料に鋼材を挙げています。エス.ラボのSprout-3は主軸が24,000min⁻¹まで回り、テーブルは360×640mmです

大きな板とプレートの四方:門形・両頭フライス盤

  • 門形(プラノミラー):中央精機のC25Nはテーブル1,000×2,400mmに4,000kgまで載せられます。ニイガタマシンテクノのJK1000は電磁チャックで鋼板を吸着して上面を削ります。山崎技研のYZ-1121はハンドル操作のまま大物を削れる門形のNCフライス盤です
  • 両頭:浜井産業の2DS-Aと武田機械のBXR800NCは、向かい合う主軸で両面を同時に削って平行度を出し、モールドベースの四側面を削ります。和田機械のWH210Aは、小物の両側面を量産で削る機械です

仕様表の読み方

  1. テーブルと移動量:部品と万力・治具が載るか、削りたい範囲まで動くかを見ます
  2. 主軸テーパ:NT40・NT50のように数字が大きいほど、主軸と工具の付け根が太く、重い削りに耐えます。今ある工具とホルダに合わせます
  3. 主軸回転数と主軸モーター:小径の工具でアルミを削るなら回転数、鋼を重く削るならモーターの出力を見ます
  4. 送り・制御:手動か、自動送りか、NCかを見ます。汎用とNCを切り替えられる機種もあります
  5. 大きさ・質量と電源:2RCは2,500kg・総電源容量7kVAです。入れる前に床の強さ・搬入経路・電源を確かめます

値段

値段を公式に出しているのは、22製品中7製品です。

  • 卓上の手動機:ホーザンのK-280が127,000円、東洋アソシエイツのLittleMilling9が275,000円、LittleMilling11が429,000円(いずれも税抜)。この3製品は同じ級(左右の移動量300mm以下)なので、比較表で安め・平均的・高めを付けています
  • 卓上のCNC機:オリジナルマインドのKitMill AST200が1,098,000円〜(税込)
  • 工場向けのひざ形:イワシタの価格表(2026年4月1日現在の現金販売価格)で、2RCが9,140,000円、2HBが9,500,000円、NV2が13,400,000円です。方式が違うので、安い・高いの判定はしていません

ほかの機種は、販売店かメーカーに見積もりを取ります。工具・万力・デジタルスケール・搬入・据付けは本体と別にかかることが多いので、見積もりに何が入っているかを確かめます。

使うときの安全の決まり

労働安全衛生規則には、刃物を使う機械の決まりがあります(e-Gov法令検索)⁠。

  • 刃物の掃除・検査・修理・取替え・調整は、機械の運転を止めてからやります(第108条)
  • 回る刃物に手が巻き込まれるおそれがあるときは、手袋を使わせません(第111条)
  • 切りくずが飛んで危ないときは、囲いを付けるか保護具を使わせます(第106条)
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