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GUIDE / SAKKIN-SOUCHI

殺菌装置とは?紫外線・加熱・電解水やオゾン水の違いと、水道とレトルト食品の殺菌の決まり・選び方・手入れ

食品・飲料・医薬の工場や水処理で使う殺菌装置のしくみ、紫外線(流水・表面)・加熱(プレート式・レトルト⁠)⁠・電解水やオゾン水や次亜水の違い、水道の紫外線処理と塩素消毒の決まり、容器包装詰加圧加熱殺菌食品の加熱条件、選び方と手入れを、厚生労働省の資料と法令、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月10日更新

この記事の答え

殺菌装置は、工場で使う水や液、製品や容器の表面に、紫外線・熱・薬液を当てて菌を減らす装置です。何を殺菌するかで、配管の水や液に紫外線を当てる流水型、容器や包材の表面に紫外線を当てる表面用、液の食品やパウチの食品を温める加熱、洗いに使う電解水・オゾン水・次亜水をつくる装置の4つに分かれます。選ぶときは「何を」「どれだけ」「どこまで減らすか⁠」⁠を先に決め、交換品と補充品の費用まで含めて比べます。

殺菌装置とは

食品・飲料・医薬の工場では、原料の水、充填する前の液、パウチや缶に詰めた食品、容器や包材、器具や床に菌が残ると、製品の傷みや食中毒につながります。殺菌装置は、それぞれの場所で菌を決まった条件で減らし、その条件を毎回くり返せるようにする装置です。

比較ページでは、メーカーが型式やシリーズとして案内している工場向けの装置を、殺菌するものごとに4つの方式で並べています。医療用の滅菌器(⁠オートクレーブ)⁠、部屋の空気を除菌する機械、家庭用の除菌グッズ、薬剤だけの販売は載せていません。

4つの方式の違い

方式 しくみ 向くもの 気をつけること
流水の紫外線 配管の途中の筒の中でランプを光らせ、流れる水や液に紫外線を当てる 用水・洗浄水・純水、透過率の高い液 濁りや色があると効きが落ちる。ランプの交換と保護管の汚れの手入れ
表面の紫外線 コンベアの上で、容器・キャップ・フィルムの表面に紫外線を当てる 乳製品の容器、シール用フィルム、キャップ 光が当たった面にしか効かない。影になる所が出ないよう灯の数と向きを決める
加熱 熱交換器や蒸気で液を決まった温度まで温めて保つ。パウチや缶はレトルト殺菌機で圧力をかけて温める お茶・ジュース・牛乳、カレーやソースのパウチ 食品ごとに決まった温度と時間を守り、記録を残す。蒸気と冷却水が要る
電解水・オゾン水・次亜水 食塩水の電気分解、オゾンの溶解、次亜塩素酸ナトリウムの希釈で、殺菌に使う水をその場でつくる 器具・床・設備の除菌、食材の洗浄、飲料水の残留塩素の管理 食塩や薬液の補充と、濃度の確認。食品に使えるものかを確かめる

水の殺菌で決まっていること

水道の水は、水道法施行規則 第17条で、給水栓の水に遊離残留塩素が残るように塩素消毒をすることが決まっています(e-Gov法令検索 水道法施行規則)⁠。工場で使う飲料水の配管に、塩素の濃度を測りながら薬液を少しずつ入れる装置があるのはこのためです。

塩素に強いクリプトスポリジウムなどの対策として、水道では紫外線処理も使えます。厚生労働省の資料では、紫外線処理設備は、照射槽を通る水量の95%以上に、253.7nm付近の紫外線を常時10mJ/cm²以上当てられることが条件です。低圧紫外線ランプの紫外線は、10mJ/cm²でクリプトスポリジウムを3log(⁠99.9%)不活化できるとしています。紫外線を当てる水は、濁度2度以下・色度5度以下・紫外線の透過率75%超であることも条件です(厚生労働省 紫外線処理設備について)⁠。

工場の用水に紫外線の装置を付けるときも、この考え方が役に立ちます。メーカーには、流す量と、水の濁り・色・紫外線の透過率を伝えて、照射量が足りる機種を選んでもらいます。

食品の加熱殺菌で決まっていること

食品の加熱の条件は、食品衛生法にもとづく「食品、添加物等の規格基準」で、食品ごとに決まっています。厚生労働省の資料では、容器包装詰加圧加熱殺菌食品(いわゆるレトルト食品)は、中心部を120℃で4分、またはそれと同等以上の殺菌をします(厚生労働省 容器包装詰加圧加熱殺菌食品編)⁠。

レトルト殺菌機を選ぶときは、槽の中の温度のむらが小さいか、温度を記録できるかを確かめます。パウチ・缶・瓶など容器の種類と、1回に入れる数も伝えます。

電解水・次亜塩素酸水を食品に使うとき

厚生労働省は、食塩水や塩酸を電気分解してつくる次亜塩素酸水には、食品添加物(殺菌料⁠)⁠に指定されて規格が決まっているものがあり、食品工場の野菜の洗浄などに使われる、と説明しています。一方で次亜塩素酸水には製法がいくつもあり、時間がたつと効果が落ちるとも書いています(厚生労働省 新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について)⁠。装置でつくった水を食材に使うなら、その装置の水がどれに当たるかをメーカーに確かめます。

選び方の順番

  1. 何を殺菌するかを決める:水・液・パウチの食品・容器や包材・器具や床のどれかで、方式がほぼ決まります
  2. 量と条件を書き出す:1時間や1日に流す量、液の温度と粘り、濁り・色・紫外線の透過率、容器の種類と1回の数を書き出します
  3. どこまで減らすかを決める:減らしたい菌と、守る規格基準(水道の基準、食品の規格基準、自社の基準⁠)⁠を決めます
  4. 置く場所とつなぎ先を確かめる:電源、蒸気、冷却水、給水と排水、換気、配管の継手(⁠サニタリー仕様かどうか⁠)⁠を確かめます
  5. 費用を比べる:本体と工事の費用に、ランプ・電極・ガスケットの交換、食塩や薬液の補充、電気と蒸気の費用を足して、何年かの合計で比べます

付けたあとの手入れ

  • 紫外線:ランプの点灯時間を記録し、寿命の前に替えます。ランプを覆う石英の保護管が汚れると紫外線が弱まるので、決まった間隔で拭きます。紫外線の強さを測る計器が付いた機種は、その値を毎日見ます
  • 加熱:温度計と記録計の校正、プレートのガスケットの交換、熱交換器の洗浄(CIP⁠)⁠をします
  • 電解水・オゾン水・次亜水:食塩や薬液を補充し、出てくる水の濃度を試験紙や計器で確かめます。電極やオゾンの発生部は、メーカーの決めた間隔で点検します

どの方式も、殺菌した後の水や製品の菌の数を決まった間隔で測って記録しておくと、効きが落ちたことに早く気づけます。

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