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GUIDE / HIJOU-TOILET

非常用トイレとは?何回分備えるか・保存期間・捨て方と、マンホールトイレの方式

断水や停電で水洗トイレが使えないときの非常用トイレについて、携帯トイレ・組み立て式・自動密封型・マンホールトイレ⁠の違い、何回分を備えるかの計算、保存期間、使ったあとの捨て方を、内閣府・国土交通省・自治体の資料とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月8日更新

この記事の答え

非常用トイレは、水洗トイレが使えないときに使う災害用のトイレです。会社や避難所で備えるなら、まず人数に1日5回と3日をかけた回数の携帯トイレを置き、便器が使えない場所の分を組み立て式で足し、屋外の長い避難にはマンホールトイレ⁠や仮設トイレを組み合わせる、という順に考えると決めやすくなります。

非常用トイレとは

地震で水道や電気が止まったり、建物の配管や下水道が壊れたりすると、見た目に無事な水洗トイレでも水を流せなくなります。内閣府の「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン⁠」(令和6年12月改定)は、災害用のトイレとして携帯トイレ・簡易トイレ・仮設トイレ・マンホールトイレなどを挙げ、市町村に備蓄や確保の計画を作るよう求めています(内閣府)⁠。

比較ページでは、メーカーが自社の製品として出しているものを、次の4つの方式に分けて並べています。

方式 使い方 要るもの
携帯トイレ 洋式便器や便座に袋をかけ、凝固剤や吸収シートで固める 使える便器(個室⁠)⁠と袋・凝固剤
組み立て便座型 段ボールなどの箱を便座にして、袋と凝固剤で使う 置く場所と袋・凝固剤
自動密封型 本体が1回ごとに袋を熱で閉じる 本体・専用の袋(電源が要る製品も)
マンホールトイレ 下水道につながる管の上に、便座と囲いを置く 前もっての工事と、流すための水

何回分を備えるか

内閣府のガイドラインは、トイレの平均的な使用回数を1日5回とし、携帯トイレの1日分を、最大想定避難者数に5回をかけた数として出し、まず3日分を目標にするよう示しています。東京都も、1人1日5回を3日間で15回分ほど備えるよう勧め(東京都総務局総合防災部)⁠、神奈川県は、5回⁠に家族の人数と最低3日分をかけた数を目安に、できれば7日分としています(神奈川県)⁠。

帰れない人の数 3日分の回数 100回分の箱で
10人 150回⁠分 2箱
50人 750回⁠分 8箱
100人 1,500回⁠分 15箱
300人 4,500回⁠分 45箱

会社なら、帰宅困難者として社内にとどまる社員と、受け入れる来客の数で数えます。100回分の箱は、比較ページの製品でおよそ2.4〜6.5kgです。

トイレはいくつ要るか

回数とは別に、同時に使える便器の数も足りるかを見ます。内閣府のガイドラインは、スフィア基準をもとに、災害発生当初は避難者50人あたり1基、避難が長くなる場合は20人あたり1基、女性用と男性用は3:1を目安にしています。この数には、建物のトイレの個室(携帯トイレをかけて使う⁠)⁠と災害用のトイレの両方を含めます。

個室が足りない、便器が壊れた、という場所には、組み立て便座型を足します。

保存期間と入れ替え

メーカーが示す保存の目安は、製品によって7〜15年です。

メーカー 保存の目安
ニード 15年(品質保証期限)
セットアップ横浜・まいにち・無臭元工業・スターライト工業 10年
総合サービス 保証7年
日本セイフティー(⁠ラップポン⁠) 専用の消耗品が未開封で5年保証

ケンユーと香彩堂の製品は、年数の記載を公式で確かめられませんでした。総合サービスは、7年⁠を過ぎても使えるが固まる力は少しずつ落ちると案内しています。期限が近い分は防災訓練で実際に使ってみて、袋のかけ方や捨て場所を確かめる機会にすると、無駄になりません。

凝固剤と吸収シート

携帯トイレには、粉の凝固剤を袋の中にふりかける型と、袋の中に吸収シートが入っている型があります。掲載している製品の多くは凝固剤の型で、総合サービスの「⁠サニタクリーン⁠」⁠が吸収シートの型です。

固まるまでの時間を公式に出しているメーカーは少なく、スターライト工業が自社試験で約5秒(水温25℃・300mL⁠)⁠と示しています。1回⁠にどれだけの量を固められるかを公式に書いているメーカーは、確かめた範囲ではありませんでした。

日本トイレ研究所は「携帯トイレに関する規格 Ver.1.0⁠」⁠を定め、構造・吸収性能・表示(必須⁠)⁠と防臭性能(任意⁠)⁠を評価した製品のリストを公開しています(日本トイレ研究所)⁠。選ぶときの目安のひとつになります。

使ったあとの捨て方

固めた袋は、口を結んで自治体の区分でごみに出します。セットアップ横浜・香彩堂・無臭元工業・和弘プラスチック工業は可燃ごみとして出すよう案内し、出し方は自治体のルールに従うよう書いています。スターライト工業は、トイレや下水に流さないよう注意しています。

災害のあとは、ごみの収集が止まることがあります。内閣府のガイドラインも、使用済みの携帯トイレを長く避難所に留めないよう、定期的な回収を手配するよう求めています。固めた袋をためておく、ふた付きの箱や置き場所を先に決めておきます。

マンホールトイレの方式

マンホールトイレは、下水道につながる管やマンホール⁠の上に便座と囲い(テントなど⁠)⁠を置いて使うトイレです。国土交通省の「⁠マンホールトイレ整備・運用のためのガイドライン」(⁠2025年版)は、地下の部分(下部構造⁠)⁠を次のように分けています(国土交通省)⁠。

方式 仕組み 使える条件
本管直結型 下水道の本管にそのまま流す 下流の下水道と処理場が無事なこと
流下型 管にためた水で、まとめて流す 同上。流すための水と送水の手段
管路内貯留型 管の中にためて、弁を開けて流す 処理場が被災しても一定期間使える。水が要る
流下貯留型 下流に設けた槽にためる 同上。ためられる量に限りがある

同じガイドラインは、マンホールトイレ⁠の必要数を50人に1基を目安とし、全国で710の地方公共団体が約49,000基を整備している(令和6年度末)としています。国の交付金(下水道総合地震対策事業⁠)⁠の対象になるのは、敷地0.3ha以上または想定避難者200人以上の防災拠点・避難地に整える下部構造で、補助率は2分の1です。

比較ページ⁠に載せたメーカー(アロン化成・クボタケミックス・積水化学工業・前澤化成工業⁠)⁠が出しているのは、主にこの下部構造です。便器や囲いは別に組み合わせます。

選び方

  1. 人数と日数を決める:帰れない人の数に1日5回と3日をかけて、携帯トイレの回数を出す。
  2. 個室の数を数える:50人⁠に1基(長くなれば20人に1基⁠)⁠に足りるか。足りなければ組み立て便座型を足す。
  3. 保存期間と入れ替えを決める:保存の目安(7〜15年)から入れ替えの年を決め、期限の近い分は訓練で使う。
  4. 捨て方と置き場を決める:固めた袋のごみの区分と、収集が止まったときの置き場所。
  5. 屋外の備えを考える:避難所の敷地なら、マンホールトイレ⁠の方式(流す型か、ためる型か)と、流すための水の確保を、下水道の担当と相談して決める。
非常用トイレのメーカー16社を比べる

回数・保存期間・規格・耐荷重・価格を一覧で見られます。

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