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GUIDE / THERMAL-GREASE

放熱グリスとは?CPU・パワー半導体に使う放熱グリス(熱伝導グリース)の種類(シリコーン系・非シリコーン系・低流動型)と、熱伝導率・使用温度・価格の選び方

発熱する部品とヒートシンクの間に塗る放熱グリス(熱伝導グリース・放熱用オイルコンパウンド)の3つの種類、熱伝導率の幅、使用温度範囲、ポンプアウトの対策、塗る厚さと塗り方、値段を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年11月4日更新

この記事の答え

放熱グリスは、発熱する部品とヒートシンクの間に塗り、すき間の空気を追い出して熱を伝えるグリースです。熱伝導グリース・放熱用オイルコンパウンドとも呼びます。基油と塗り方で、シリコーン系・非シリコーン系・すき間を埋める低流動型に分かれます。選ぶときは「何℃まで使うか」「接点が近くにあるか」「すき間の広さ」の3つを先に決めます。

放熱グリスとは

放熱グリスは、CPU・パワートランジスタ・IGBT・電源の部品などと、ヒートシンクの間に塗るグリースです。金属どうしを合わせただけでは細かな凸凹に空気が残り、熱が伝わりにくくなります。グリースがそのすき間を埋めて、部品の熱をヒートシンクへ逃がします。

塗ったあとも固まらないので、部品を外して塗り直せます。一方で接着しないので、部品はねじやクリップで押さえます。

比較ページには、メーカーが自社で作る非硬化の放熱グリスを、各社の代表の型番の単位で載せています。固まる硬化型(ギャップフィラー・放熱接着剤)、シート状の放熱材、パソコン自作向けの小売品は載せていません。

3つの種類

  • シリコーン系:シリコーンオイルを基油に、熱を伝える充填剤を混ぜた型です。例は信越化学工業の G-747・G-775、サンハヤトの SCH-20・SCH-30、モメンティブの TIG300BX・TIG1000 ⁠⁠⁠です
  • 非シリコーン系:シリコーンを使わない油を基油にした型です。例はコスモ石油ルブリカンツの SF401・SF432、ニホンハンダの TG221C ⁠⁠⁠です
  • 低流動型:流れにくい硬めのコンパウンドで、すき間を埋める型です。例は富士高分子工業のサーコン SPG-30B・SPG-70A ⁠⁠です

熱伝導率の幅

  • サンハヤトの SCH-20 と SCH-30 は、0.84W/m・K
  • 信越化学工業の G-747 は、0.90W/m・K
  • モメンティブの TIG300BX は、3.0W/m・K
  • 信越化学工業の G-775 は、3.6W/m・K
  • コスモ石油ルブリカンツの SF401 は、4.5W/m・K
  • 富士高分子工業のサーコン SPG-70A は、7.0W/m・K
  • 測り方はメーカーごとに違います。数字だけで横に比べず、同じメーカーの中で比べます

使用温度範囲

  • サンハヤトの SCH-30 は、-30〜300℃
  • サンハヤトの SCH-20 は、-50〜200℃
  • モメンティブの TIG1000 は、-40〜170℃
  • 信越化学工業の G-747 は、-50〜150℃
  • コスモ石油ルブリカンツの SF シリーズは、-40〜150℃

長く使う所の選び方

  • 温度の上げ下げをくり返すと、グリースがすき間から押し出されて薄くなります(ポンプアウト)
  • 信越化学工業の G-775 や、コスモ石油ルブリカンツの SF432 は、ポンプアウトに強い品です
  • モメンティブの TIG300BX は、150℃で24時間置いた離油度が0.0wt%で、油がにじみにくくしています
  • リレーやスイッチの接点が近くにあるなら、低分子シロキサンを減らした品か、非シリコーン系にします

塗る厚さと塗り方

  • 薄く塗るほど熱抵抗が小さくなります
  • ニホンハンダの TG221C は膜厚10μm以下、TG260 は約30μmまで薄くできます
  • すき間が広いなら、富士高分子工業のサーコンのような低流動型で埋めます
  • 量産では、モメンティブの TIG1000 がスクリーン印刷・スタンプ印刷・自動シリンジ塗布に使えます。サーコンはディスペンサーで塗れます

値段

  • 値段を公式に出しているのはサンハヤトです。公式通販で、SCH-20(20g)が1,386円、SCH-30(12g)が1,826円(どちらも税込)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • 業務用の缶やシリンジは、各メーカーに問い合わせて見積もりをとります
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