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GUIDE / POLYVINYL-ALCOHOL

ポリビニルアルコール(PVA)⁠と⁠は⁠?完全けん化・部分けん化・変性の違いと、粘度・価格の選び方

接着剤・紙加工・繊維の糊・塩ビの懸濁重合に使うポリビニルアルコール(PVA・ポバール)の3つの種類、けん化度と重合度の見方、溶かし方とゲル化、しまい方と消防法、試薬の値段を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月29日更新

この記事の答え

ポリビニルアルコールは、水に溶けて糊や皮膜になる合成樹脂です。日本ではポバール、略してPVA・PVOHとも呼びます。けん化度の高い完全けん化型、けん化度が低めの部分けん化型、別の官能基を持たせた変性型に分かれます。選ぶときは「皮膜に耐水性が要るか」「どれくらいの粘度で使うか」「架橋や無機物への接着が要るか」の3つを先に決めます。

ポリビニルアルコールとは

ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをけん化して作る、水に溶ける合成樹脂です。繊維の糊、紙加工、接着剤、エマルジョン重合の安定剤、塩ビの懸濁重合の分散剤などに使います。

比較ページには、日本の会社が自社の製品として出すPVAを、工業用の銘柄と試薬の品番の単位で載せています。PVAフィルム・繊維・成形品、PVAを溶かした溶液は載せていません。

3つの種類

  • 完全けん化型は、けん化度が98mol%前後より高い型です。皮膜が水に溶けにくくなります。例は日本酢ビ・ポバールの JF-17、三菱ケミカルの N-300 ⁠⁠です
  • 部分けん化型は、けん化度が86.0〜90.0mol%前後の型です。溶かしやすく、水溶液が安定しています。例はクラレの 44-88、三菱ケミカルの GH-17R、デンカの B-20 ⁠⁠です
  • 変性型は、水酸基・酢酸基のほかの官能基を持たせた型です。例は日本酢ビ・ポバールのDポリマー DF-17、クラレの 25-98 R ⁠⁠⁠です

けん化度と重合度の見方

  • けん化度が上がると、皮膜が水に溶けにくくなります。下がると溶かしやすくなります
  • 重合度が上がると、水溶液の粘度と皮膜の強さが上がります
  • 工業用の銘柄は、4%水溶液の粘度で重合度の違いを表します。日本酢ビ・ポバールの JF-17 は28.0〜32.0mPa・s、クラレの 44-88 は40.0〜48.0mPa・s ⁠⁠⁠です

溶かし方とゲル化

  • 常温の水にかき混ぜながら入れ、完全けん化型は90〜95℃、部分けん化型は80〜90℃に上げると、30〜60分で溶けます
  • 加熱前に20〜30分水に浸けて膨らませると、速く均一に溶けます
  • 溶けたあとは、50℃以下に冷えるまでかき混ぜ続けます
  • 完全けん化型の水溶液は、冷えると増粘してゲルになることがあります。加熱すれば戻ります
  • 部分けん化型は泡立ちやすいので、温度を上げすぎないようにします

変性型の使いどころ

  • 日本酢ビ・ポバールのDポリマーは、ヒドラジド系の架橋剤と室温で架橋して、熱水に溶けない皮膜になります
  • クラレの 25-98 R は、シランの反応性を持たせて、無機物に付きやすくした銘柄です

しまい方

  • 水に溶け、湿気を吸うと固まるので、雨のかからない乾いた所にしまいます
  • 3,000kg以上しまっておくと、消防法の指定可燃物の規制を受けます
  • 粉じん爆発の危険があるので、仕込むときはアースをとり集じんします

値段

  • 値段を公式に出しているのは試薬で、どれも500g入りです。ナカライテスクの 28311-25 は2,980円、15348-65 は3,320円(税抜定価)、純正化学の 69307-1501 は3,100円です
  • 富士フイルム和光純薬の 162-16325 は5,100円、169-16335 は5,200円(税抜の希望納入価格)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • 工業用の銘柄は公開価格がなく、量と値段は見積もりで決まります
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