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GUIDE / PET-RESIN

PET樹脂とは?固有粘度・融点・成形用グレードと再生PETの選び方

成形品・ボトル・フィルムの原料に使うPET樹脂について、ホモ・共重合・GF強化・再生PETの違い、IV値と融点の読み方、乾燥・食品接触・荷姿の確認点をメーカー公式資料で整理しました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

ポリエチレンテレフタレートはPETと略す、容器・工業部材・フィルムやシートの原料樹脂です。「成形方法と用途」「固有粘度と融点」「強化材・添加剤や再生原料の条件⁠」を先に決めます。融点をそのまま完成品の耐熱温度として使わず、測定方法と成形条件までそろえて比べます。

PET樹脂とは

PETはポリエステル系の樹脂で、透明性・強度・ガスバリア性を持ち、容器包装や工業部材、シートなどに使います。同じPETでも、ボトルを膨らませる原料と、厚肉の射出成形品やガラス繊維で強化した部品の原料では、選ぶ品番が違います。

PET樹脂の比較ページでは、原料のグレードを比べています。完成したボトル・フィルム・繊維、塗工・接着・FRP向けのポリエステル樹脂、PBTやPET/PBT混合系は分けています。

原料設計による4つの区分

  • ホモPETは、共重合なしの樹脂です。帝人のTRN-8550FFは射出・射出ブロー・シート向け、ユニチカのNEH-2050は低AAのインジェクションブロー向けです
  • 共重合・変性PETは、成形性を調整した樹脂です。クラペットKS710B-8Sはダイレクトブローとフィルム・シート成形、ベルペットE-03は異形押出に使います
  • GF強化PETは、ガラス繊維を配合した成形用樹脂です。バイロペットEMC-330Kはハイサイクル、EMC-133Tは難燃性と耐加水分解性を持ちます
  • 再生PETは、使用済みPETを原料に戻した樹脂です。MR-PETはメカニカル、HELIXはケミカルリサイクルで作ります。比較表では再生材を先にこの区分へまとめています

固有粘度(IV値)の読み方

粘度の数値だけで高低を順位付けせず、単位と測定法を確認します。公式表に条件がなければ、採用前にメーカーへ問い合わせます。

  • 帝人のTRN-8550FFは、極限粘度が自社法で0.77dl/gです
  • クラレのKS710B-8Sは、IV値がISO 1628-5で1.20dl/gです
  • ユニチカのNEH-2050は、IV値が0.78です。公式表の単位欄は「—」で⁠、測定法も示していないため、dl/gと補っていません
  • MR-PETの0.80は、再縮合重合で回復させる基準となるIV値の説明です。個々の納入ロットの保証値として使いません

融点と成形温度・耐熱性を分ける

融点の値を、完成品が連続して使える温度に置き換えてはいけません。使用温度・荷重・接触する液体を決め、採用品番の性能と成形条件を別に確認します。

  • 帝人のTRN-8385FCは、DSCによる融点が238℃です。結晶化速度が遅く、厚肉成形品・特殊シートに使います
  • クラレのKS710B-8Sは、ISO 11357による融点が233℃です。同じ資料のTgは82.7℃で、融点とは別の項目です
  • ユニチカのSA-8339Pは、一般物性表の融点が235℃です。当該表は融点の測定法を示していません

強化材・添加剤と乾燥

  • バイロペットEMC-330Kは、GF30%強化のハイサイクルグレードです。EMC-133TもGF30%強化ですが、難燃性と耐加水分解性を持ちます
  • EMC-133Tの難燃性は、IEC60695-11-10で1.6mm厚のV-0相当です。規格と厚さ、「相当」の表記を含めて確認します
  • Arnite AV2 370 XL-Tは、ガラス35%強化で低脱ガス・熱伝導性を持つ射出成形グレードです
  • バイロペットの公式資料は、成形前の予備乾燥を求めています。水分率は0.025%以下、より好ましくは0.020%以下です。乾燥後に大気中へ置くと再び吸湿するため、搬送と保管も管理します

再生PETは方式と含有率を確認する

MR-PETは、使用済みボトルを洗浄し、再縮合重合で不純物の除去と粘度回復を行う原料です。HELIXは、分子レベルで分解して不純物を取り除き、精製した原料から再重合します。

  • HELIXのリサイクル材料含有率は、72%以上と公表されています。ケミカルリサイクルという方式名から、全量が再生原料と判断しません
  • HELIXにはBHETとしての販売もあります。この比較では再重合後のPET樹脂だけを扱います
  • MR-PETとHELIXは個別品番が非公開です。用途・必要な粘度・色調・ロット規格を伝え、供給できるグレードをメーカーと決めます

食品接触と見積もりの確認点

食品容器に使うときは、品番と成形後の使い方に合った適合資料を取得します。帝人は、食品衛生への適合状況がグレードで異なると案内しています。MR-PETの認証書も、対象の製造拠点と供給材を確認して使います。

掲載品の公式資料では公開価格を確認できませんでした。Arniteの密封防湿袋以外は荷姿の明示も限られます。品番・用途・月間使用量・希望荷姿・納期をまとめて見積もりを依頼してください。

数値はメーカーの代表値・測定値を含みます。帝人のグレード表は2026年9月時点、ユニチカの一覧・一般物性表は2019年2月5日更新です。出典と確認日は比較ページの出典欄⁠にまとめています。

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