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GUIDE / PEEK-SHEET

PEEKシートとは?板とフィルムの種類と、厚み・耐熱温度・絶縁の選び方

半導体装置の部品やモーターの絶縁に使うPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)の板とフィルムの3つの種類、連続使用温度、炭素繊維入りとガラス繊維入りの違い、無延伸と二軸延伸のフィルムの違い、厚みと大きさ、加工の注意を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月30日更新

この記事の答え

PEEKシートは、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂を板やフィルムにした材料です。連続使用温度は250〜260℃で、薬品と摩耗に強く、電気を通しにくい性質をあわせ持ちます。形と強化のしかたで、無充填の押出板・炭素繊維やガラス繊維で強めた板・フィルム(無延伸と二軸延伸)に分かれます。選ぶときは「削って部品にするか、薄い膜で使うか」「絶縁したいか」「どの厚みにするか」の3つを先に決めます。

PEEKシートとは

PEEKシートは、PEEK樹脂を押出成形した板や、薄く成膜したフィルムのことです。板は削って半導体・液晶製造装置や真空機器、食品機械の部品にし、フィルムはモーターの絶縁やスピーカーの振動板、半導体工程の保護フィルムに使います。

比較ページには、自社で作るか自社グループの製品として日本の会社が売るPEEKの板とフィルムを、品番・グレードの単位で載せています。成形用のペレット、PPS樹脂とPTFEの板、炭素繊維の織物にPEEKを含浸した連続繊維の積層板は載せていません。

3つの種類

  • 無充填の押出板:PEEKだけを押出成形した板です。例はエンズィンガーのTECAPEEK naturalと、三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズのケトロン 1000 PEEKです
  • 繊維強化の板:炭素繊維やガラス繊維を30%ほど入れて、剛性と耐クリープ性を高めた板です。例はTECAPEEK CF30 blackと、ケトロン CA30 PEEKです
  • フィルム:信越ポリマーのSepla Filmは延伸しない無延伸、クラボウのEXPEEKは縦横に引き伸ばした二軸延伸です。ビクトレックスのAPTIVと、三菱ケミカルのスペリオUTもあります

耐熱温度

  • ケトロンPEEKの連続使用温度は、250℃です
  • TECAPEEK naturalは、長期260℃・短期300℃で使えます
  • APTIVフィルムは連続使用温度が260℃で、融点は343℃です
  • APTIV 2000のような非晶性のフィルムは、143℃を超えると結晶化します

炭素繊維入りとガラス繊維入り

  • どちらも剛性と耐クリープ性を高めた板です
  • エンズィンガーの資料では、炭素繊維30%入りはガラス繊維30%入りより密度が低く、摺動性がよい材料です
  • ガラス繊維は相手材を削ることがあるので、摺動にはあまり向きません
  • 炭素繊維入りは充てん剤で電気を通すことがあるので、絶縁部品には無充填の板を選びます

無延伸と二軸延伸のフィルム

  • 無延伸は、延伸せずに膜にしたフィルムです。信越ポリマーのSepla Filmは、低結晶タイプが3〜9μm、高結晶タイプが50〜250μmです
  • 二軸延伸は、縦横に引き伸ばしたフィルムです。クラボウのEXPEEKは9〜50μmで、従来のPEEKフィルムより強度と耐熱性を高めています
  • 絶縁破壊強さは、Sepla Filmの高結晶タイプが180kV/mm、APTIV 1000が50μmで190kV/mmです

厚みと大きさ

  • TECAPEEK naturalの在庫の板は、厚さ150mmまであります。幅1,000mmの広幅の板は、厚さ10〜90mmです
  • ケトロン 1000 PEEKの板は、厚さ5〜60mmで、615×1,000mmまでそろっています
  • フィルムは、スペリオUTが3〜350μmのカスタム、APTIV 1000が8〜750μmです

加工と値段

  • 三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズは、ドリルで穴を開けるとき、貫通するときは回転あたりの送りを0.1mmにするよう案内しています
  • 150℃以上で公差の厳しい軸受は、熱クリープで寸法が変わることがあります
  • 値段を公式に出しているメーカーはありません。厚み・大きさ・数量を決めて見積もりを取ります
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