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GUIDE / JOURYUU-SOUCHI

蒸留装置とは?仕組みと種類、常圧と減圧の違い、溶剤回収・濃縮・蒸留水の選び方と注意点

蒸留装置の仕組み、常圧蒸留と減圧(真空)蒸留の違い、工場の溶剤回収装置と、研究室で使うエバポレーター、薄膜蒸留、分子蒸留、蒸留水製造装置の違い、置くときの注意点と選び方を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

蒸留装置は、液体を沸点まで温めて蒸気にし、冷やして液体に戻すことで、混ざったものを分ける装置です。工場では廃溶剤を再生する溶剤回収装置、研究所では濃縮のロータリーエバポレーター、熱に弱いものを分ける薄膜・分子蒸留装置、蒸留水製造装置を使います。選ぶときは「何を分けるか」「量」「常圧か減圧か」「置く場所の危険物の量」の4つを先に決めます。

蒸留装置とは

蒸留装置は、沸点の違いを使って液体を分ける装置です。クリーンテクノスの公式サイトでは、液体には蒸気になる温度(沸点)があり、蒸気を冷やすと液体に戻る性質を使って溶剤を取り出すと説明しています。

比較ページには、工場・研究所で使う蒸留装置を4つの方式に分けて、各社の代表の型式で載せています。イオン交換やRO膜だけの純水装置、お酒・精油の家庭用、化学プラント一式の受注設計は載せていません。

仕組み

  • 混ざった液を温めると、沸点の低い成分から蒸気になります
  • 蒸気を冷却管(コンデンサー)で冷やすと液に戻り、受けの容器にたまります
  • 沸点の高い成分や、塗料・油のような汚れは、温めた側に残ります
  • 溶剤回収装置では、沸点差が約30℃以上あれば90%以上回収できた例を、クリーンテクノスが出しています

常圧蒸留と減圧(真空)⁠蒸⁠⁠⁠⁠留

常圧蒸留

  • そのままの気圧で沸かします。装置が簡単で、一斗缶ごと入れるコーベックスのCA-101-Aのような小型の溶剤回収装置に使われます

減圧(真空)⁠蒸⁠⁠⁠⁠留

  • 真空ポンプで圧力を下げると、沸点が下がり、低い温度で蒸留できます
  • コーベックスは、真空で沸点を下げると電力のコストを下げられ、不純物の熱分解が抑えられて精度の良い再生液が取れると説明しています
  • ロータリーエバポレーター・薄膜蒸留・分子蒸留は、どれも減圧で使います

4つの方式

溶剤回収(再生)⁠装⁠⁠⁠⁠置

  • 洗浄や塗装で汚れたシンナー・アルコール・洗浄剤を蒸留し、もう一度使えるようにします
  • コーベックスは、廃溶剤が月2t以下なら一斗缶ごと入れる小型のCA-100、月2t以上ならドラム缶から送る連続式のCA-800を案内しています
  • 強酸性・強アルカリ性の液や水は回収できません

ロータリーエバポレーター

  • フラスコを回しながら温め、減圧して溶媒を飛ばし、試料を濃縮します
  • ビュッヒは、1957年に世界で初めてロータリーエバポレーターを発売したと案内しています
  • 真空ポンプ・冷却水循環装置・加熱槽を組み合わせて使います

薄膜・分子(短行程)蒸留装置

  • 液を加熱面に薄い膜にして流し、短い時間で蒸発させます。熱をかける時間が短いので、熱に弱い物質を守れます
  • 分子蒸留(ショートパス)は冷却器を蒸発管の中に入れ、より高い真空に引けます。旭製作所の比較では、設計圧力は薄膜式が10Pa超、ショートパスが0.1Pa超です

蒸留水製造装置

  • 水道水を前処理し、ボイラーで沸かした蒸気を冷やして蒸留水を作り、タンクにためます
  • このページの3製品は、どれも1時間に約1.5〜1.8Lを作ります
  • ヤマト科学のWGS201の蒸留水とイオン交換水は、JIS K0557の最高レベルA4です

選び方

工場の溶剤回収は、量と置く場所で決める

  • 月に出る廃溶剤の量で、一斗缶ごとのバッチ式か、ドラム缶から送る連続式かが決まります
  • コーベックスの試算では、月にドラム缶40本の酢酸エチルの廃液を出す工場なら、ひと月あたり約120万円、年間では約1,400万円以上のコスト削減が見込めます
  • 置く場所の危険物の量で、防爆仕様が要るかどうかが変わります

研究室の濃縮は、フラスコの大きさと自動化で決める

  • 1人1台置くなら、テクノシグマのMEV-50NS(25〜100mL)のような小型があります
  • 条件の分からない溶媒を任せたいなら、ヤマト科学のREV203Sのように真空を自動で制御する機種を選びます

蒸留水は、1日に使う量で決める

  • ヤマト科学は、1日10L以下ならWGS201、10〜30LならWG253、30〜90LならWG1013と案内しています
  • イオン交換水も採りたいなら、イオン交換と蒸留を1台で行う機種を選びます

置くときの注意点

  • コーベックスの非防爆のCA-101-Aは、危険物の指定数量の5分の1未満の場所なら置けます
  • 有機溶剤中毒予防規則に従い、労働基準監督署への届け出があります
  • 防爆仕様の機種でも、置く前に管轄の消防署に確かめます
  • 蒸留水製造装置はボイラーに水あか(缶石)がたまるので、洗います。ロータリーエバポレーターは、真空度が落ちたら真空シールを替えます
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