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GUIDE / INCUBATOR

インキュベーターとは?自然対流・低温・CO2の違いと温度精度・容量・価格の選び方

研究・品質検査に使うインキュベーター(恒温培養器)の種類、乾燥器との違い、温度範囲と温度精度の読み方、内容積・循環方式・CO2濃度・価格の選び方を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

インキュベーターは、試料や微生物・細胞を培養する温度を保つ装置です。先に「使う温度が室温より低いか」「CO2濃度も管理するか」を決め、次に容器の大きさと温度精度を照合します。加熱専用では室温以下に下げられず、温度精度と槽内の温度分布も別の値です。

インキュベーターとは?研究・品質検査での意味

インキュベーターは、培養する試料の周囲を決めた温度に保つ装置で、恒温培養器・培養器とも呼びます。微生物の培養や食品の品質検査、細胞の研究、培養後の試料保存などに使います。

メーカー比較では、研究・品質検査用の箱型を型番ごとに掲載しています。新生児用保育器、鳥卵をかえす孵卵器、家庭用だけの品、中古品、代理店が扱う他社ブランドは対象外です。

自然対流・低温・CO2の違い

  • 自然対流型は、槽の壁を温めて試料に直接風を当てずに加温します。ヤマト科学の IS402 や平山製作所の FIN-310Ⅲ がこの型です。加熱専用なので、下限は室温より高くなります
  • 低温型は、冷凍機やペルチェ素子で冷却します。室温付近や室温以下で使うなら、この型から選びます。東京理化器械の LTI-2100 は風量を調節できる強制対流方式です
  • CO2型は、温度・湿度に加えてCO2濃度を管理し、動物細胞を培養します。PHCの MCO-173AICUVH-PJ やエッペンドルフの CellXpert C170i がこの型です

低温型・CO2型にも循環方式の違いがあります。東京理化器械の解説では、強制対流は設定温度への到達が速く温度分布がよい反面、試料に風が当たり、培地が乾燥しやすいと説明しています。冷却・ガス制御の有無と、風の回し方を分けて確認します。

温度範囲は室温も含めて読む

  • ヤマト科学の IS402 は、室温+5〜80℃です。室温が上がると、制御できる下限も上がります
  • 東京理化器械の LTI-2100 は、4〜60℃です。冷媒を使わないペルチェ冷却で、少量容器の培養や保存に使います
  • 日本医化器械製作所の LP-130P は、-15〜+50℃です。この範囲は周囲温度30℃・無負荷の条件です
  • PHCの MCO-173AICUVH-PJ は、周囲温度+5〜50℃です。CO2型でも冷却付きとは限りません

設置室温、試料の量や発熱、扉を開ける頻度を伝えて、実際の使い方で制御できるかメーカーに確認します。

温度精度と温度分布を分ける

調節精度・温度安定性・温度変動は、各社の測定方法と条件を残して読みます。槽内の場所による差を示す温度分布とは分け、数字の小ささだけで優劣を決めません。

  • 平山製作所の FIN-310Ⅲ は、37℃・無負荷時の調節精度が±0.2℃、分布精度が±1℃です
  • ヤマト科学の IS402 は、37℃のJTM K05による調節精度が±0.2℃、分布精度が±1.0℃です。同じ資料にはJISによる温度変動0.8℃・温度勾配2.0℃も記載されています
  • 日本医化器械製作所の LP-130P は、指示精度±1℃です。これを調節精度や温度分布と同じ項目として比較しません
  • 東京理化器械の LTI-2100 は、調節精度±0.2℃以下が自動デフロストOFF時の値です。自動霜取り中は庫内中央温度が±3℃程度変動する記載があります

容量と容器の収まり

  • LTI-2100 の内容積は約17.5Lで、内寸は幅280×奥行250×高さ250mmです
  • FIN-310Ⅲ の内容積は29L、FIN-610Ⅲ は156Lです。加熱専用の槽を使う量に合わせて選べます
  • IS802 の内容積は318Lです。多数の試料を入れる場合も、棚板の配置と容器の高さを先に確認します

IS802は自然対流の加熱専用、CellXpert C170iはCO2制御付きで内容積170Lなので、同じ用途の容量違いではありません。内寸と棚の配置に合わせて容器を並べます。

内容積が同じでも、槽の形や棚板を入れる位置で並べられる容器が変わります。積み重ねて置く場合は固定方法も確認します。LTI-2100 は最大3台まで重ねられますが、転倒防止金具を使います。

CO2制御と清掃・⁠⁠⁠滅菌

  • アステックの SCA-165DRS は、CO2制御範囲0〜20.0%、内容積163Lです。IRセンサーと60〜140℃の乾熱滅菌機能を備えます
  • エッペンドルフの CellXpert C170i は、CO2制御範囲0.1〜20%、内容積170Lです。ファンレス構造で、180℃の高温消毒機能があります
  • PHCの MCO-173AICUVH-PJ は、CO2制御範囲0〜20%、内容量165Lです。UV-LEDを備えますが、公式仕様の乾熱滅菌機能はなしです

試料を入れたまま温度を保つ運転と、試料を取り出して行う清掃・滅菌を分けて運用します。ガス供給、加湿水、センサーの確認、消耗品の交換も見積もりに含めます。

価格と見積もり

  • 平山製作所の FIN-310Ⅲ は、262,000円(税抜)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • ヤマト科学の IS402 は、300,000円(税抜)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • 東京理化器械の LTI-2100 は、383,000円(税別)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • アステックの SCA-165DRS は、1,200,000円(税抜)⁠で⁠⁠⁠⁠す

冷却やCO2制御の有無が異なる製品なので、本体価格だけでは比較できません。架台、棚板、ガス供給、搬入・据付、点検の費用もそろえて見積もります。仕様・価格は比較ページの公式出典を2026年10月28日に確認したものです。

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