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GUIDE / SHUJINKI

集じん機とは?ろ過式・移動式・湿式・ミストコレクターの違いと、粉じん則の除じん装置・排出口・定期自主検査、選び方

工場の粉じん・溶接ヒューム・オイルミストを吸って取る集じん機の仕組み、ろ過式・サイクロン式・湿式・電気式の違い、局所排気装置との関係、粉じん障害防止規則が決める除じん装置・除じんの方式・排出口・定期自主検査、方式ごとの選び方を、法令とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

集じん機は、作業で出る粉じんやヒューム、ミストを吸い込み、フィルター・遠心力・水・電気で取ってから空気を出す機械です。選ぶときは「何を吸うか(乾いた粉・ヒューム・湿った粉・油の霧)」「据え置くか動かすか」「払い落としに圧縮空気を使えるか⁠」⁠の3つを先に決めます。法令で付ける除じん装置は、方式が決まっていて、1年以内ごとに1回の定期自主検査をします。

集じん機とは

作業で出た粉じんを、フード・ホース・作業台の吸込口から吸い込み、本体の中で粉を取ってから、きれいになった空気を出します。粉の取り方で、フィルターでこすろ過式、筒の中で空気を回して重い粉を落とすサイクロン式、水にくぐらせて洗い落とす湿式、粉を帯電させて電極に集める電気式に分かれます。

比較ページでは、工場・作業場で使う型番のある標準品を、据置のろ過式・移動式・サイクロン・湿式・オイルミストコレクターの4つに分けて並べています。家庭用や業務用の掃除機、電動工具につなぐ集じん機は載せていません。

局所排気装置との関係

局所排気装置は、発生源の近くのフードで吸い、ダクトとファンで運んで外へ出す設備全体です(局所排気装置のメーカー比較)⁠。集じん機は、その途中で粉を取る部分(法令では「除じん装置⁠」)⁠にあたります。移動式の集じん機は、吸込口・ファン・フィルターを1台にまとめたものです。

粉じん障害防止規則(粉じん則)第10条は、特定粉じん発生源のうち、研磨材の吹き付け(別表第二第六号⁠)⁠、研磨材を使った動力による研磨・ばり取り・金属の裁断(同第七号。1つの事業場に10以上あるとき⁠)⁠、鉱物などの破砕・粉砕・ふるい分け(同第八号⁠)⁠、粉状の鉱石やセメントの袋詰め(同第九号⁠)⁠、砂型の型ばらし・砂落とし(同第十四号⁠)⁠、金属の溶射(同第十五号)について、局所排気装置に除じん装置を付けるよう定めています(e-Gov法令検索 粉じん則)⁠。

除じんの方式(粉じん則第13条)

付ける除じん装置の方式は、粉じんの種類で決まっています。

粉じんの種類 使える除じん方式
ヒューム(溶接ヒュームなど) ろ過除じん方式、電気除じん方式
ヒューム以外の粉じん サイクロンによる除じん方式、スクラバによる除じん方式、ろ過除じん方式、電気除じん方式

これらと同じ以上の性能をもつ方式でもかまいません。また、必要に応じて、粒の大きい粉じんを先に取る「前置き除じん装置⁠」⁠を付けます。サイクロンを集じん機の前に置くのは、この使い方です。除じん装置は、局所排気装置が動いている間、有効に動かしておきます(第14条⁠)⁠。

排気をどこへ出すか(粉じん則第11条)

粉じん則の局所排気装置は、排出口を屋外に設けます。ただし、移動式の局所排気装置と、研磨・ばり取り・金属の裁断(別表第二第七号⁠)⁠の局所排気装置で、ろ過除じん方式か電気除じん方式の除じん装置を付けたものは除かれます。移動式のろ過式集じん機で、こした空気を室内に戻せるのはこのためです。

ファン(排風機)は、除じんしたあとの空気が通る位置に付けます。吸った粉で爆発するおそれがなく、ファンが腐食・摩耗するおそれもないときは、この限りではありません。

有機溶剤のガスは別で、有機溶剤中毒予防規則第15条の2が、排気口を直接外気に向けて開くよう定めています(e-Gov法令検索 有機則)。フィルターでこして室内に戻す集じん機では、有機溶剤のガスは取れません。

定期自主検査と記録(粉じん則第17条〜第20条)

  • 定期自主検査:法令で付けた除じん装置は、1年以内ごとに1回。構造部分の摩耗・腐食・破損、内部にたまった粉じん、ろ過式ならろ材の破れや取り付けのゆるみ、処理能力を見ます(第17条)
  • 記録:検査の日付・方法・場所・結果などを3年間しまっておきます(第18条)
  • 点検:初めて使うときと、分解して改造・修理したときにも点検し、記録を3年間しまっておきます(第19条・第20条)
  • 異常があれば、すぐに直します(第21条)

4つの方式

方式 取り方 このページの製品
据置のろ過式 箱の中のバグフィルター・カートリッジでこす。パルスジェットか手で払い落とす 処理風量28〜57m³/min、ろ過面積9.0〜108m²
移動式・ポータブル ファンとフィルターを1台にまとめ、作業の近くへ動かす 単相100Vで動くものが多い。溶接ヒューム用が中心
サイクロン・湿式 水にくぐらせる、水を巻き上げた中を通す 湿った粉・付着しやすい粉・燃えやすい粉
オイルミストコレクター 遠心分離・回るディスク・電気集じんで油の霧を取る 工作機械の油性・水溶性ミスト、油煙

据置のろ過式で、自動でパルスジェットをかける型は、圧縮空気の配管を引きます。アマノのPiFシリーズは0.5±0.1MPaの圧縮空気を使います。圧縮空気が無いなら、手で揺らして払い落とすアマノのVNAシリーズのような型を選びます。

溶接ヒュームを吸う移動式は、火花やスパッタが本体のフィルターに入らないよう、衝突板や金属フィルターを手前に置いています。燃えやすい粉は、こうした仕組みのある機械か、水で取る湿式を選びます。作業台型の日本ドナルドソンのDBE2000のように、消火や爆発防止の装置が付かないと書いている製品もあります。

選び方

  1. 何を吸うかを決める:乾いた粉じん・溶接ヒューム・湿った粉や燃えやすい粉・工作機械の油の霧で、方式が決まる。法令で付ける除じん装置は、ヒュームならろ過式か電気式。
  2. 据え置くか動かすかを決める:決まった機械やダクトにつなぐなら据置型。作業の場所が変わる、ダクトを引けないなら移動式。
  3. 風量を見る:フードやホースの数と、局所排気装置で吸う風量から、足りる処理風量の製品を選ぶ。50Hzと60Hzで風量が違う製品が多い。
  4. 電源と払い落としを確かめる:単相100Vで動くか、三相200Vか。パルスジェットなら圧縮空気の配管を用意する。
  5. 排気の出し先と点検を段取りする:室内に戻せるのは移動式のろ過式・電気式など。法令で付けたものは、1年以内ごとに定期自主検査をして記録を3年しまっておく。
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