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GUIDE / TAIBUTSU-LENS

対物レンズとは?工業用顕微鏡・検査装置の対物レンズの種類(落射・明視野と長作動距離)と⁠、倍率・開口数(NA)・作動距離・補正の方式の選び方

工業用顕微鏡や検査装置に付ける対物レンズの2つの種類、開口数(NA)と作動距離の関係、無限遠補正と有限補正の違い、同焦点距離と取り付けのねじ、アポクロマートなど収差の補正、重さと値段を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月25日更新

この記事の答え

対物レンズは、顕微鏡で試料のすぐ上に付けて、像を拡大するレンズです。対物(オブジェクティブ)⁠と⁠も呼びます。工業用は、試料を上から照らして見る落射・明視野の型と、試料との間を広くとる長作動距離の型に分かれます。選ぶときは「今の顕微鏡の補正の方式(無限遠か有限か)⁠」「どこまで細かく見たいか(倍率と開口数)⁠」「試料との間にどれだけすき間が要るか(作動距離)」の3つを先に決めます。

対物レンズとは

対物レンズは、顕微鏡の中でいちばん試料に近い所に付くレンズです。倍率と開口数(NA)で見え方が決まります。工業用では、金属や電子部品の表面の傷や形を見たり、検査装置に組み込んで部品を撮ったりします。

比較ページには、日本の会社が自社で作る工業用・検査用の対物レンズを、各社の代表の型の単位で載せています。生物顕微鏡専用の型、海外メーカーの日本の販売店が売る製品、中古品は載せていません。

2つの種類

  • 落射・明視野の型:工業用顕微鏡で、試料を上から照らして見る型です。開口数が大きく、細かい所まで見えます。そのぶん作動距離は短めです。例はエビデントの MPLFLN10x、ニコンの CFI TU Plan Fluor Epi P 10x、ユニオン光学の PlanM40X ⁠⁠⁠です
  • 長作動距離の型:レンズの先から試料までの間を長くとった型です。段差のある部品にレンズが当たりにくく、間に照明や道具を入れられます。検査装置への組み込みにも使います。例はエビデントの LMPLFLN5x、清和光学製作所の M.Plan APO10XHR、渋谷光学の HLB10、シグマ光機の PAL-10-A、ユニオン光学の PLLWDM20X ⁠⁠⁠です

開口数(NA)と作動距離

  • 開口数は、レンズが取り込める光の広がりを表す数字です。大きいほど細かい所まで見分けられます
  • 作動距離は、レンズの先から試料までの距離です。長いほど段差のある部品に当たりにくくなります
  • 開口数を上げると、作動距離は短くなります。ユニオン光学の PlanM40X は40倍で開口数0.65、作動距離0.71mmで、平らな試料向けです
  • 同じ10倍でも作動距離は型で大きく違います。エビデントの MPLFLN10x は11mm、ニコンの CFI TU Plan Fluor Epi P 10x は17.5mm、清和光学製作所の M.Plan APO10XHR は18mm、渋谷光学の HLB10 とシグマ光機の PAL-10-A は34mmです
  • 10倍の開口数は、エビデントの MPLFLN10x、ニコン、清和光学製作所が0.3、渋谷光学の HLB10 が0.28です
  • ほかの倍率では、エビデントの LMPLFLN5x が5倍で作動距離22.5mm、ユニオン光学の PLLWDM20X が20倍で11.2mmです

無限遠補正と有限補正

  • 無限遠補正は、対物レンズを出た光が平行になり、結像レンズで像を結ぶ方式です。渋谷光学の HLB10 とユニオン光学の PLLWDM20X は無限遠補正です
  • 有限補正は、決まった鏡筒の長さで像を結ぶ方式です。ユニオン光学の PlanM40X は鏡筒長170mm(L=170)⁠用⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • 2つの方式は混ぜて使えません。今の顕微鏡と同じ方式を選びます

同焦点距離と取り付けのねじ

  • 同焦点距離は、取り付け面から試料までの距離です。同じ同焦点距離どうしなら、付け替えてもピントがほぼ合ったままです
  • エビデントの MPLFLN と LMPLFLN、ユニオン光学の PlanM40X と PLLWDM20X は45mm、渋谷光学の HLB は95mmです
  • ねじは、エビデントの MPLFLN・LMPLFLN が RMS です。ほかの製品は公式のページにねじの記載が無いので、顕微鏡のねじと合うかメーカーに確かめます

収差の補正

  • 色のにじみや像のゆがみを、どこまで直したかの違いです
  • プランは視野の端まで平らに見えます。アポクロマートは色のにじみを強く抑えます
  • エビデントの MPLFLN はプランセミアポクロマート、ニコンはプランフルオール、清和光学製作所と渋谷光学はプランアポクロマートです
  • 清和光学製作所の M.Plan APO10XHR は、視野φ33mmに合わせた広視野の型です。カメラで広い範囲を一度に撮る検査に使います

重さと値段

  • 質量を公式に出しているのは、渋谷光学の HLB10(190g)と清和光学製作所の M.Plan APO10XHR(545g)⁠で⁠す⁠。重い型は、取り付ける側の強さを確かめます
  • 値段を公式に出しているのは渋谷光学です。HLB10 は定価44,000円(税込48,400円)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • エビデント・ニコンなどほかの製品は値段を出していません。型番を伝えて見積もりを取ります
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