口コミを書く 製品を比べる種類から探す・無料
GUIDE / ONDOKEI

温度計とは?接触式・放射温度計・サーモグラフィ・データロガーの違いと、HACCPの温度管理・放射率・記録の考え方

工場・品質管理・食品衛生(HACCP⁠)⁠で使う業務用温度計の4つの方式(接触式・放射温度計・サーモグラフィ・データロガー)⁠の仕組みと向き不向き、中心温度の測り方、放射率と測る範囲、熱電対のセンサー選び、記録間隔と件数の考え方を、各メーカーの公式資料と厚生労働省の資料をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

温度計は、物や食品の温度を測って、数字で読んだり記録に残したりする計器です。選ぶときは「中まで測るか、表面でよいか」「その場で読むか、置いて記録するか」「水がかかるか⁠」⁠の3つを先に決めます。食品の中心温度は接触式、表面を触れずに手早く測るなら放射温度計、熱い所を絵で探すならサーモグラフィ、冷蔵庫や倉庫の温度を残し続けるならデータロガーです。

温度計とは

温度計は、人が手に持って温度を読むか、置いておいて温度を記録する計器です。比較ページでは、工場・品質管理・食品衛生の現場で使う業務用の温度計で、メーカーが自社で作るか自社グループの製品として売り、公式の資料で仕様が確かめられるものを並べています。

方式は4つです。

  • 接触式(デジタル温度計):プローブを差し込むか当てて測る
  • 放射温度計(ハンディ):物から出る赤外線を受けて、触れずに表面を測る
  • サーモグラフィ(ハンディ):温度の分布を色の絵で見る
  • データロガー(記録計):置いておき、決めた間隔で温度を自動で記録する

温度センサーとの違い

温度センサーは、炉や配管・装置に組み込んで、温度を電気の信号に変えて温調器や記録計へ送る部品です。熱電対・測温抵抗体・サーミスタの検出部や、ラインに据え付ける放射温度計がこちらに入ります。このページの温度計は、表示や記録の本体まで1台にまとまっていて、人が持ち歩いて読むか、電池で動いて自分で記録するものです。熱電対のセンサーを付け替える携帯用の温度計は、本体がこのページ、つなぐセンサーが温度センサーのページ、と分かれます。

接触式(デジタル温度計)

プローブを食品や液に差し込むか、物の表面に当てて測ります。中の温度まで測れるのは、4つの方式の中でこれだけです。

食品の中心温度

  • 厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルでは、加熱した食品は中心部が75℃で1分間以上加熱されていることを確かめる(厚生労働省)
  • 調理の途中で、食品の中心温度を校正された温度計で3点以上測り、全ての点で75℃以上になったら記録する
  • 佐藤計量器製作所 SK-270WP:設定温度を超えるとタイマーが動き、設定時間に達するとブザーとLEDで知らせる
  • チノー MF500B:90%応答2秒、測った値をBluetoothで端末へ送る
  • エー・アンド・デイ AD-5625:先端直径2.2mmの細いプローブのペン型、3,000円(税抜)

精度と応答

精度は機種と温度帯で違います。ハンナ HI 98501 は-30.0〜120.0℃で±0.2℃、佐藤計量器 SK-270WP は標準センサで-9.9〜105.0℃のとき±0.5℃です。応答は、液体で測る testo 104 がt99で10秒、エー・アンド・デイ AD-5625 は63.2%まで約6秒です。中心温度は、表示が落ち着いてから読みます。

熱電対の本体とセンサー

  • 安立計器 HR-1100K・カスタム CT-5100WP・理化工業 DP-350 は、K熱電対のセンサーを付け替える本体
  • センサーは別売。表面用・液中用・突き刺し用など、測る物に合わせて選ぶ
  • 本体の精度にはセンサーの誤差が入らないので、センサーの許容差を足して見る
  • 安立計器 HR-1100K は、Kなら-200〜1370℃まで1台で読める

放射温度計(ハンディ)

物から出る赤外線を受けて、触れずに表面の温度を読みます。今回の機種は90%応答が1秒前後で、入荷した食品の表面や分電盤の点検を手早く回れます。

放射率

物によって赤外線の出し方(放射率⁠)⁠が違います。設定がずれると、値もずれます。堀場製作所の資料では、放射率0.90・300℃の物を0.95の設定で測ると、291℃と出ます(堀場製作所)⁠。

  • 光沢のある金属は放射率が低く、ずれやすい
  • 放射率を細かく変えられる機種と、決まった値から選ぶ機種がある(佐藤計量器 SK-8750 は選ぶ方式)

測る範囲(D:S)

離れるほど、測る円は大きくなります。測る物は、その円より大きくします。

  • 日置電機 FT3700:D:S=12:1、1m離れると直径83mmの円
  • エー・アンド・デイ AD-5634:D:S=60:1(⁠1.5m以上)で、遠くから狭い所を狙える

表面しか測れない

放射温度計が測るのは表面です。食品の中の温度は測れないので、加熱の確認は接触式で測ります。

サーモグラフィ(ハンディ)

赤外線を受ける素子を並べ、温度の分布を色の絵で見せます。広い面を一度に見て、熱い所を探すのに向きます。

  • 日本アビオニクス F50B-ONL:240×240画素。カメラヘッドを外して隙間へ回り込ませて撮れる
  • エー・アンド・デイ AD-5638:96×96画素(Super IRで240×240表示)、42,800円(税抜)
  • 佐藤計量器製作所 SK-8500:32×32画素、熱画像と可視画像を重ねて表示、54,780円(税込)

画素が少ない機種は、小さな発熱を見落としやすくなります。絵で当たりを付けたら、放射温度計か接触式で測り直します。

データロガー(記録計)

冷蔵庫・倉庫・輸送箱に置いておき、決めた間隔で温度を自動で記録します。夜や休みの日の温度も残ります。

保存の温度と記録

  • 大量調理施設衛生管理マニュアルでは、調理後すぐに出さない食品は10℃以下か65℃以上で管理する
  • 保冷設備では、搬入の時刻・設備内の温度・搬出の時刻を記録する

何日分残せるか

記録できる件数を、記録間隔で割ると日数が出ます。

  • ティアンドデイ TR41A:16000データ、60分間隔なら666日
  • エー・アンド・デイ AD-5326TT:最大525,600データ、1分間隔で1年分
  • チノー MR5300:6000データ、60分間隔で約8か月分

取り出し方

  • Bluetoothでスマホへ:ティアンドデイ TR41A、日置電機 LR8514
  • USBでPCへ:テストー 174 T(USB-C)、エー・アンド・デイ AD-5326TT
  • 別売の読取器でPCへ:チノー MR5300

内蔵センサは応答が遅いものがあります。TR41A は90%応答に約35分かかるので、扉の開け閉めのような短い変化を追うなら、外付けセンサの機種を選びます。

選ぶ順番

  1. 中まで測るか、表面でよいかを決める:中は接触式、表面は放射温度計
  2. その場で読むか、置いて記録するかを決める:置いて残すならデータロガー
  3. 水がかかるかを見る:洗うならIP65〜IP67の機種
  4. 精度と温度帯を見る:精度は温度帯ごとに違う
  5. 記録の取り出し方を合わせる:Bluetooth・USB・microSD

値段を出しているのは、比較ページの23製品中20製品です。接触式はエー・アンド・デイの AD-5625 が3,000円(税抜⁠)⁠、放射温度計は佐藤計量器の SK-8750 が8,690円(税込)、データロガーはエー・アンド・デイの AD-5326TT が5,500円(税抜)です。

比較記事にしてほしい製品の依頼はこちら👉