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GUIDE / NENDOKEI

粘度計とは?種類と原理・B型とE型の違い・ウベローデとオストワルドの違いと選び方

塗料・食品・化粧品・樹脂・油の品質管理と研究開発で使う業務用の粘度計の種類と原理、B型粘度計とE型粘度計(コーンプレート型)の違い、振動式とインライン粘度計、ウベローデ・キャノン・フェンスケ・オストワルドの毛細管粘度計の使い分け、校正用標準液での校正のしかたを、日本規格協会とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

粘度計は、液体のねばり(粘度)を数字で測る測定器です。選ぶときは「測りたい液がニュートン液体か(水や油のような液か、塗料やペーストか)」「試料がどれだけあるか」「ラボで測るかラインで測り続けるか」「温度をどうそろえるか」の4つを先に決めます。

粘度計とは

粘度計(ビスコメーター)は⁠、液体の流れにくさを数字にする測定器です。指で触った感じではなく数字で比べられるので、塗料やインクの受け入れ検査、化粧品・食品の出荷検査、樹脂や油の品質管理、研究開発で使います。

日本規格協会の紹介では、JIS Z 8803:2011(液体の粘度測定方法)は⁠、細管粘度計・落球粘度計・回転粘度計・振動粘度計で、粘度・動粘度・粘度×密度・見掛け粘度を測る方法を決めています。

比較ページには、業務用の粘度計を方式ごとに代表の型式で載せています。レオメーター、ゴム用のムーニー粘度計、比重計・水分計、家庭用は載せていません。

3つの方式

回転粘度計(B型・⁠⁠⁠E型)

液の中でロータを回し、ねばりで受ける力(トルク)⁠か⁠ら粘度を出します。ラボの品質管理で最も広く使う方式です。

  • B型(スピンドル):円筒のロータを液に入れて回す。東機産業B型粘度計(TV-100BL)は⁠、ふつう500mLのビーカーで測る
  • E型(コーンプレート):コーンとプレートのすき間で少しの試料をせん断する。ずり速度を決めて測れる
  • 回転数を変えて測れるので、塗料やペーストの流れ方(チクソトロピー)も見られる

振動式粘度計

液に浸けた音叉や振動子を振動させ、ねばりで振動が弱まる度合いから粘度を出します。

  • 表示は粘度×密度。エー・アンド・デイは、粘度の値は密度で割って出すと案内している
  • 動く部分が小さいので、かき混ぜながら・温度を変えながら測れる
  • 配管やタンクに入れたまま測り続けるインライン粘度計にも使う

細管・落球式

液が細い管を流れ落ちる時間や、球やおもりが液の中を落ちる時間から粘度を出します。

  • 毛細管粘度計は、密度を測らずに動粘度を直接出せる(柴田科学)
  • 毛細管粘度計はニュートン液体用で、非ニュートン液体には向かない(柴田科学)
  • 落球式は、少しの試料を密閉した管の中で測れる
  • 落体式は、タンクに差しておもりの落ちる時間を測り続ける

B型粘度計とE型粘度計の違い

  • 試料の量:B型はビーカー1杯分、E型はコーンとプレートのすき間に入る少しの量
  • ずり速度:E型はずり速度を決めて測れるので、流動曲線の評価に向く
  • 温度:E型は試料が少ないので、恒温水槽などで温度を管理する(東機産業)

ウベローデ・キャノン・フェンスケ・オストワルドの違い

柴田科学の案内では、次のように使い分けます。

  • キャノン・フェンスケ(キャノンフェンスケ):ふだんの動粘度の測定。試料は約4.5〜5.5mL
  • ウベローデ:精度を求めるとき。試料は約12〜16mL
  • キャノン・フェンスケ逆流形:不透明な液。試料は約12mL
  • オストワルド:標準となる液との相関を求める相対粘度計。試料は約5〜8mL

毛細管粘度計の使い方

  • 専用の恒温水槽に、粘度計をまっすぐ立てて取り付ける
  • 決まった量の試料を入れ(ウベローデ⁠は量をそろえなくてよい⁠)⁠、標線のあいだを流れ落ちる秒数を測る
  • 動粘度=落ちた秒数×粘度計定数。定数は、校正用標準液の動粘度を落ちた秒数で割って決める(柴田科学)
  • JIS K 2283では、落ちる秒数が200〜1000秒になる番号を選ぶ(柴田科学)

粘度の単位

  • 粘度:mPa·s。1mPa·sは1cP(センチポアズ)
  • 動粘度:mm²/s。動粘度(mm²/s)=粘度(mPa·s)÷密度(g/cm³)(柴田科学)

選び方

液の性質で選ぶ

  • 水や油のようなニュートン液体:どの方式でも測れる。油の動粘度は毛細管粘度計
  • 塗料・ペースト・化粧品のような非ニュートン液体:回転数を決めて測る回転粘度計

試料の量で選ぶ

  • 数mL以下:E型、落球式、EMS法、少量用の振動式
  • ビーカー1杯分ある:B型

使う場所で選ぶ

  • ラボ:回転粘度計・振動式・毛細管粘度計
  • ライン:インラインの振動式・落体式
  • 現場を持ち歩く:電池で動く手持ちの回転粘度計

測るときの注意

  • 粘度は温度で大きく変わる。東機産業は、恒温槽で±0.1℃以内に保って測ることを勧めている
  • 方式が違うと、同じ液でも値が合わないことがある。前と同じ方式・同じロータ・同じ回転数で比べる
  • 値が安定しないときは、校正液(ニュートン液体)で直線性と再現性を確かめる

校正と標準液

JIS Z 8809の粘度計校正用標準液を測り、表示が合うかを確かめます。東機産業の案内では、標準液は密栓して熱と光を避けて室温で保管し、使った液は元の容器に戻しません。開栓から1年での交換を勧めています。

出典

  • 日本規格協会 JIS Z 8803:2011 液体の粘度測定方法
  • 柴田科学 粘度計の製品ページ(よくある質問)
  • 東機産業 製品ページ・カタログ・よくあるご質問
  • エー・アンド・デイ 音叉振動式粘度計 SV-Aシリーズ
  • 各メーカーの公式の製品ページ・カタログ
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