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GUIDE / MACHINING-CENTER

マシニングセンタとは?小型・立形・横形・門形・5軸の違いと選び方

工具を自動で替えながら削るマシニングセンタの5つの方式(小型のドリリングタップセンタ、立形、横形、門形、5軸⁠)⁠の仕組みと向き不向き、主軸テーパ・主軸回転数・工具の本数・テーブルの読み方、値段の出し方、刃物の安全の決まりを、各メーカーの公式資料・日本工作機械工業会・労働安全衛生規則をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

マシニングセンタは、工具を自動で替えながら、穴あけ・ねじ立て・面削り・溝削りを1台で続けるNC工作機械です。選ぶときは「部品の大きさ」「材質と削り方の重さ」「何個つくるか⁠」⁠を先に決めます。小物の穴あけ・タップの量産は小型機、角物の上の面は立形、箱形の部品の量産は横形、長い大物は門形、斜めの面や曲面は5軸です。

マシニングセンタとは

日本工作機械工業会は、マシニングセンタを「中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど多種類の加工を連続で行えるNC工作機械」で、加工に要る工具を自動で交換できる機能を備えたもの、と紹介しています(日本工作機械工業会)⁠。軸の構成で、横形・立て形・門形などに分かれ、直交3軸と旋回2軸を同時に動かす5軸制御の機種も広がっています。

比較ページでは、国内メーカー17社の25機種を、5つの方式に分けて並べています。

  • 小型・ドリリングタップセンタ:BT30の主軸で穴あけ・タップを速く続けます。アルミ・小物の量産部品向きです(⁠ファナック ROBODRILL α-D21LiB5 Plus、ブラザー工業 SPEEDIO S500Xd2)
  • 立形:縦の主軸の工具で上から削ります。角物の部品と金型向きです(⁠ヤマザキマザック VCN-535C、キタムラ機械 Mycenter-3XV、安田工業 YMC 430 Ver.Ⅲ)
  • 横形:横の主軸で、回るパレットの部品を削ります。箱形の部品の量産向きです(⁠牧野フライス製作所 a91nx、DMG森精機 NHX 5000 4th Generation、エンシュウ GE480H)
  • 門形:2本の柱と梁に付いた主軸頭で、長いテーブルの部品を削ります。金型や機械のベッドなど大物向きです(⁠オークマ MCR-BⅤ、ニデックマシンツール MVR30Hx、芝浦機械 MPF-2614FS)
  • 5軸:テーブルが傾き・回り、多くの面を1回の段取りで削ります。羽根車・斜めの穴・曲面向きです(⁠牧野フライス製作所 D500、DMG森精機 DMU 50 3rd Generation、ブラザー工業 SPEEDIO U500Xd2)

工作機械のページとの違い

工作機械のページは、CNC旋盤・マシニングセンタ・複合加工機・研削盤・放電加工機をまとめて並べた親のページで、マシニングセンタは代表の数機種だけを載せています。このページはマシニングセンタだけを、方式を5つに分けて深く比べます。旋盤・複合加工機・研削盤・放電加工機は親のページで比べ、ここには入れていません。部品の形がまだ決まらず、旋盤とマシニングセンタのどちらにするか迷っているなら、先に親のページを見てください。

小物の穴あけ・タップ:小型・ドリリングタップセンタ

BT30の小さな主軸を速く回し、工具を素早く替えながら穴あけとねじ立てを続けます。

  • ファナックのROBODRILL α-D21LiB5 Plusは、テーブル850×410mm、工具21本で交換0.9秒、早送り54m/minです
  • ブラザー工業のSPEEDIO S500Xd2は、テーブル600×450mmに250kgまで載せられ、工具は14・21・28本から選べます。値段は806万円(税抜)です
  • BT30の主軸は軽く速く動く代わりに、太い工具で鋼を重く削る使い方には向きません

角物の部品と金型:立形マシニングセンタ

縦向きの主軸の工具で、テーブルの上の部品を上から削ります。同じ立形でも、重い削り向きと微細加工向きで中身がまるで違います。

  • 重い削り向き:ヤマザキマザックのVCN-535Cは、BT50の主軸に30kWのモータを組み、テーブル1,300×550mmに1,200kgまで載せられます。静岡鐵工所のB-7VGはすべりガイドの機械で、機械質量5,000kgです
  • 汎用:キタムラ機械のMycenter-3XVは、X760・Y510・Z510mmを早送り52,000mm/minで動かします
  • 微細加工向き:安田工業のYMC 430 Ver.Ⅲは、主軸HSK-E32で40,000min-1、全軸をリニアモータで動かします

箱形の部品の量産:横形マシニングセンタ

横向きの主軸で、回るパレットに立てた部品を横から削ります。パレットを2枚以上持ち、1枚を削っている間にもう1枚の段取りができます。

  • 500mm角のパレット:エンシュウのGE480H、ニデックオーケーケーのHMC500、DMG森精機のNHX 5000 4th Generation、松浦機械製作所のH.Plus-405を載せました。早送りはGE480Hが90,000mm/min、NHX 5000 4th Generationが70m/minです
  • 大きいパレット:ジェイテクトのFH630SX-iは630mm角でBT50、牧野フライス製作所のa91nxは800mm角に2,000kgまで載せられます

長い大物:門形マシニングセンタ

左右2本の柱に渡した梁に主軸頭が付き、その下を長いテーブルが動きます。ダブルコラムとも呼びます。

  • オークマのMCR-BⅤはテーブル2,000×3,000mmから3,000×12,000mmまで選べ、主軸は最大43kWです
  • ニデックマシンツールのMVR30Hxはテーブル幅2,000mmで、長さはオプションで10,000mmまで延ばせます
  • 芝浦機械のMPF-2614FSと新日本工機のRB-MⅢは、5面加工ヘッドで上と横の面を1台で削れます

斜めの面と曲面:5軸マシニングセンタ

直交3軸に、テーブルが傾く軸と回る軸を足して、1回の段取りで部品のいろいろな面を削ります。このページの5軸は、テーブルを両端で支えて傾けるトラニオン型が中心です。

  • 傾く角度:牧野フライス製作所のD500はA軸-120〜+30°、ニデックオーケーケーのVB-X350はB軸-30〜120°、DMG森精機のDMU 50 3rd GenerationはB軸-35〜+110°です
  • 載せられる重さ:D500と三井精機工業のVertex55X Ⅲは350kg、VB-X350は200kg、ブラザー工業のSPEEDIO U500Xd2は100kg、松浦機械製作所のMAM72-35Vは60kgです
  • 値段を出しているのはU500Xd2だけで、1,309万円(税抜)です

仕様表の読み方

  1. テーブルとストローク:削る部品と治具が載るかは、テーブルの大きさとX・Y・Z軸の移動量で見ます。横形はパレットの大きさで書きます
  2. 主軸テーパ:BT30・BT40・BT50の順に主軸と工具の付け根が太くなり、重い削りに耐えます。安田工業のYMC 430 Ver.Ⅲのように、HSKの主軸の機種もあります
  3. 主軸回転数:小径工具でアルミや金型を削るなら回転数を、鋼を重く削るなら主軸出力とトルクを見ます
  4. 工具の本数:標準の本数と、オプションで増やせる本数を分けて見ます。無人で長く回すなら多めに選びます
  5. 大きさと質量:VCN-535Cは7,830kg、Vertex55X Ⅲは9,500kgあります。入れる前に、床の強さと搬入経路を確かめます

値段

値段を公式に出しているのは、25製品中4製品です。ブラザー工業のSPEEDIO S500Xd2は806万円、U500Xd2は1,309万円(どちらも税抜)、ジェイテクトのFH5500S-iは35,900,000円から、牧野フライス製作所のa91nxは78,000,000円(消費税別)です。同じ方式の中で3つ以上の値段がそろわないので、このページでは安い・高いの判定をせず、値段だけを出しています。工具・ホルダ・治具・パレット・搬入・据付けは本体と別にかかるので、見積もりでは何が入っているかを確かめます。

使うときの安全の決まり

労働安全衛生規則には、刃物を使う機械の決まりがあります(e-Gov法令検索)⁠。

  • 刃物の掃除や取替え:機械の刃部の掃除・検査・修理・取替え・調整は、機械の運転を止めてやります(第108条)
  • 手袋:回る刃物に手が巻き込まれるおそれがあるときは、手袋を使わせません(第111条)
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