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GUIDE / CLAMP

クランプとは?トグルクランプ・油圧と空圧のワーククランプ・マシンバイス・吊りクランプの違いと選び方

工場でワークを押さえる・鋼板を吊るクランプの4つの種類、締圧力とクランプ力の見方、油圧と空圧の選び方、マシンバイスの口幅、吊りクランプを使うときのクレーン等安全規則の決まりを、メーカーの公式資料と法令をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

クランプは、ワーク(加工物)や鋼板をつかんで、動かないように押さえたり吊ったりする道具です。工場で使うものは、手で倒すトグルクランプ、油圧・空圧で押さえるワーククランプ、工作機械の上で挟むマシンバイス、クレーンで吊る吊りクランプの4つに分かれます。選ぶときは「何を・どこで押さえるか」「どのくらいの力が要るか」「人が動かすか機械が動かすか⁠」⁠の3つを先に決めます。

クランプとは

クランプは、ものを挟んだり押さえたりして固定する道具の総称です。工場では、加工・溶接・組立・検査のときにワークを決まった位置に止めておくために使います。ボルトで締めるのと違い、レバーや圧力で押さえて、すぐに外せるのが特長です。

比較ページには、工場で使うクランプのうち、トグルクランプ・油圧と空圧のワーククランプ・マシンバイス・吊りクランプの4種類を、各社の代表シリーズの単位で載せています。家庭用・DIY用の木工クランプ、配管・ホース・ケーブルを留めるクランプ、金型を成形機に留める金型クランプ、足場のクランプ、電気を測るクランプメーターは、使い方が違うので載せていません。

4つの種類

  • トグルクランプ:手でレバーを倒し、てこの仕組みでワークを上から押さえます。溶接治具・検査治具・組立治具で使います。例は大阪角田興業のNo.40A、カクタのNo.HVシリーズ、イマオコーポレーションのST-VTC、スーパーツールのTDA40Fです
  • 油圧・空圧のワーククランプ:油圧や圧縮空気で腕を回したり下ろしたりして押さえます。マシニングセンタの治具や自動の組立ラインで使います。例はコスメックのLHA、パスカルのCTK、Parker TAIYOのJEH、SMCのMK、CKDのRCC2です
  • マシンバイス:機械のテーブルに置き、口金でワークを両側から挟みます。マシニングセンタで角物を削るときに使います。例はナベヤのロックタイトLT-M、北川鉄工所のVC-Nです
  • 吊りクランプ:鋼板や形鋼の端を口ではさみ、クレーンで吊ります。鋼板の縦つり・立て起こし・反転に使います。例はイーグルクランプのSL型、スーパーツールのSVC-H、象印チエンブロツクのVA型、日本クランプのR型です

トグルクランプの選び方

トグルクランプは、ワンタッチの小さな操作力で大きな締圧力が出る手動のクランプです。押さえる向きで、上から押さえる下方押え型、横から押す横押し型、引っぱって止める引き止め型、棒を押し出すプッシュ型に分かれます。

押さえる力は、カタログの締圧力で比べます。ただし、カタログの締圧力・押圧力・引力は最高値です。カクタ株式会社のNo.HV350は締圧力2.25kNですが、これは六角ボルトを使い、押えアームを最も短くしたときの値です。押え位置を先に出したり、ゴム付きのボルトを使ったりすると下がるので、余裕を見て一つ上の型を選びます。

値段を出しているのは、スーパーツールのTDA40F(最大支持力1.0kN、メーカー希望小売価格1,520円)と、イマオコーポレーションのST-VTC207TU(締圧力1.7kN、2,700円)です。

油圧・空圧のワーククランプの選び方

治具に組み込み、圧力を送るだけで押さえて外すクランプです。人が1個ずつ倒す手間がなく、何か所も同時に押さえられるので、マシニングセンタの段取りや自動の組立ラインで使います。

  • 空圧:工場の圧縮空気で動きます。SMCのMKは0.1〜1MPaで理論クランプ力40〜300N(内径12〜32mm)、CKDのRCC2は0.2〜1.0MPaです。必要なクランプ力を、使用圧力と効率で割って受圧面積を出し、それを上回る内径を選びます
  • 油圧:強く押さえる所に使います。コスメックのLHAは1.5〜7MPa、パスカルのCTKは35MPaの高圧でシリンダ出力3.1〜20.3kNです。高い圧力なら、同じ力を小さいシリンダで出せます
  • 両方:Parker TAIYOのJEHは、油圧7MPa仕様と空気圧仕様(JEA⁠)⁠を同じ寸法でそろえています

スイングクランプのクランプ力は、アームの長さと油圧で決まります。アームを長くすると力は下がるので、メーカーの能力表で確かめます。動く速さは流量で絞ります。パスカルはメータイン制御を勧めていて、メータアウトでは背圧で高い圧力になり、誤作動につながることがあります。Parker TAIYOは75°の旋回に0.5秒以上かけるよう、フローコントロールバルブで調整するよう指示しています。

マシンバイスの選び方

マシンバイスは、口幅(口金の幅⁠)⁠と口開き(どこまで開くか)でつかめる大きさが決まります。一般的な精密バイスの口開きは口幅と同じくらいで、口幅を大きく超えるワークは加工中のビビリや脱落のもとになります。

  • ナベヤのロックタイトLT100Mは口巾101mm・締付力40kNで、口金の位置を替えると口開きを265mmまで広げられます。値段は182,000円です
  • 北川鉄工所のVC-Nは、30番クラスの小型マシニングセンタ用のパワーバイスで、口金幅100mm・最大締付力20kNです

何台か並べて長いワークを押さえるなら、並べたときに高さがそろうものを選びます。マシンバイスの精度の物差しには旧JIS規格(0級⁠)⁠があり、本体の底面と口金のすべり面の平行度は100mmにつき0.015です。ナベヤはこれより厳しい0.010を自社規格にしていて、LT-Mは同じ型式なら全品の並列精度が0.01以内です。

吊りクランプの選び方と決まり

吊りクランプは、鋼板や形鋼の端を口ではさんでクレーンで吊る玉掛け用具です。つり荷の重さがかかるほど締め付けが強まる仕組みで、ロックを掛けてから吊ります。

選ぶときは、使用荷重と、つかめる板厚(有効板厚・クランプ範囲⁠)⁠を見ます。イーグルクランプのSL型は型式を選べば使用荷重100〜10000kg・有効板厚3〜50mm、スーパーツールのSVC1HRFは1tでクランプ範囲0〜25mmです。象印チエンブロツクのVA型は、吊り荷が着地してスリングがゆるんでもロックが外れないので、鋼材を吊ったまま溶接などの作業ができます。

イーグルクランプの取扱説明書は、次のことを注意しています。

  • 使えるつり荷は、硬さHV85〜HV320の鋼材と非鉄金属
  • 最大使用荷重の1/5(最小使用荷重⁠)⁠に満たない荷には使わない
  • つかむ箇所の角度が10°以上だと、カムが食い込めずに滑る
  • 最大有効板厚の1/4以下の板厚では、引き起こしのときに荷がずれることがある

吊りクランプを使うときは、クレーン等安全規則(e-Gov法令検索で確認⁠)⁠に沿います。

  • つりクランプは用途に応じて使い、定められた使用荷重等の範囲で使う(第219条の2第2項)
  • 変形やき裂のある金具を玉掛用具に使わない(第217条)
  • 使う日は、作業を始める前に玉掛用具の異常を点検し、異常があればすぐに直す(第220条)
  • つりクランプ1個で玉掛けをした荷が吊り上げられているときは、荷の下に人を入れない(第29条)
  • 玉掛けの業務は、玉掛け技能講習を修了した人などに限られる(第221条⁠)⁠。つり上げ荷重1t未満のクレーンの玉掛けには、安全のための特別の教育を行う(第222条)

値段の見方

値段を公開していたのは、15製品のうち4製品だけです。トグルクランプは2製品、マシンバイスと吊りクランプは1製品ずつで、同じ種類で3製品そろわないので、「安め・高め⁠」⁠の判定はしていません。油圧・空圧のワーククランプは、掲載した5製品とも公式に値段を出していません。型式と数量、使う圧力を決めて、販売店かメーカーに見積もりを頼みます。

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