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GUIDE / INVERTER

インバータとは?仕組み・コンバータとの違いと、汎用インバータの選び方

工場・ビル・プラントでモーターの回転数を変える汎用インバータについて、仕組み、コンバータとの違い、小形・標準形・高機能形・ファン・ポンプ用の違い、容量と定格(重負荷・軽負荷)の選び方、電源の選び方、通信と安全機能、値段の見方を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

インバータ(汎用インバータ)は⁠、電源の周波数と電圧を変えて、モーターの回転数を自由に変える装置です。ふつうの搬送機や小さな機械なら小形・標準形、低い速度で力の要る機械や大きな容量なら高機能形、空調機・ポンプ・冷却塔ならファン・ポンプ用を選びます。「電源の電圧」「モーターの容量」「負荷の重さ(重負荷か軽負荷か)」の3つを先に決めると、選ぶ機種が絞れます。

インバータとは

インバータは、工場やビルのモーターの回転数を変えるための装置です。交流のモーターは電源の周波数に合わせて回るので、50Hz・60Hzの電源にそのままつなぐと、いつも同じ速さで回ります。インバータは周波数と電圧を変えた電気をモーターに送り、遅くしたり速くしたりします。

  • 汎用インバータ、インバーター、VFD(可変周波数ドライブ)、ACドライブとも呼びます
  • 三菱電機は、インバータを「三相誘導電動機の回転数を簡単自由に変える事の出来る可変周波数電源装置⁠」と説明しています
  • 家電のエアコンや洗濯機の中にもインバータ回路がありますが、このページは工場・ビルの設備で使う単体の汎用インバータを扱います

仕組み

富士電機の解説では、インバータの装置は2つの回路でできています。

  • コンバータ回路:電源の交流を直流に直します⁠(整流)
  • インバータ回路:IGBTなどのスイッチを細かく入り切りして、直流から好きな周波数と電圧の交流をつくります(PWM制御)

コンバータとの違い

コンバータは交流を直流にする回路、インバータは直流を交流にする回路です。汎用インバータの装置は、この2つを1台にまとめて、交流から周波数の違う交流をつくっています。ほかに、モーターが止まるときに出る電力(回生エネルギー)を電源へ戻す、回生用のコンバータの装置もあります。

インバータ制御で省エネになるわけ

富士電機の解説では、ファンやポンプの消費電力は、一般にモーターの回転速度の3乗に比例します。

  • ダンパや弁で風量・流量を絞るやり方では、モーターは全速で回り続けます
  • インバータで回転数を下げれば、絞らなくても風量・流量が下がり、消費電力も大きく下がります
  • コンベヤのように、速さを変えても必要な力が変わらない機械では、ファン・ポンプほどは下がりません

種類と違い

小形・標準形

搬送コンベヤ・包装機・小さなファンやポンプなど、ふつうの機械に使ういちばん多い形です。0.1kWから22kWほどまでそろい、センサなしのベクトル制御、PMモーターの運転、RS-485の通信を本体に持つ機種が多くあります。

高機能形

低い速度から大きな回転力を出すベクトル制御や、エンコーダを付けたベクトル制御を持つ形です。重い負荷向けの定格で大きな電流を長く流せ、容量も数百kWまであります。クレーン・巻取り機・押出機など、力が要る機械や速度をそろえたい機械に使います。

ファン・ポンプ用

空調機・冷却塔・給水ポンプなど、回転を下げるほど電気代が下がる機械向けの形です。ビルの中央監視につなぐBACnetを本体に持ち、ポンプの台数制御や火災のときの運転などを持つ機種があります。

選び方

1. 電源の電圧を決める

工場の電源とモーターの電圧に合わせて、三相200V級・三相400V級・単相の機種から選びます。三菱電機の説明では、単相200V・単相100V入力の機種も、モーターへの出力は三相200Vです。

2. 容量と定格を決める

  • モーターの容量に合う機種を選びます
  • 多くの機種は、重負荷(HD・ND)と軽負荷(LD)の2つ以上の定格を持ちます
  • 重負荷の定格は大きな電流を長く流せ、昇降機や押出機に向きます
  • ファン・ポンプのように軽い負荷なら、軽負荷の定格にして1つ上の容量のモーターまで回せる機種が多くあります

3. 制御方式を決める

  • V/f制御:周波数と電圧を一定の割合で変える、いちばん簡単な方式です。ファン・ポンプならこれで足ります
  • センサレスベクトル制御:モーターの電流から回転力を計算して、低い速度でも力を出します
  • センサ付き(PG付き)ベクトル制御:エンコーダで回転を測り、速度をそろえます
  • PMモーターを使うなら、PMモーターの制御を持つ機種を選びます

4. 通信と安全機能を見る

  • PLCや上位の機器とつなぐなら、RS-485(Modbus RTUなど)を本体に持つか、使うネットワークの通信オプションがあるかを見ます
  • ビルの中央監視につなぐなら、BACnetを持つ機種を選びます
  • 非常停止で人を守る止め方が要る機械は、STO(安全トルクオフ)を持つ機種を選びます

5. まわりの機器を決める

  • 速く止める機械は、回生の電力を受けるブレーキ抵抗器が要るかを見ます
  • 高調波とノイズの対策に、リアクトルやノイズフィルタを付けるかを決めます

値段の見方

三菱電機・富士電機・日立産機システムは、公式サイトに標準価格・希望小売価格を出しています。三相200V・0.75kWでは、標準形が96,200円から111,000円、高機能形が156,800円から175,000円です(富士電機・日立産機システムは税抜、三菱電機は標準価格で税の扱いは公式に記載なし⁠)⁠。ほかのメーカーは、容量と台数を伝えて見積もりを取ります。

寿命と手入れ

  • 冷却ファンと主回路のコンデンサは消耗する部品です
  • 東芝産業機器システムVF-S15は、設計期待寿命を10年としています
  • 寿命診断やメンテナンスタイマの機能を持つ機種なら、交換の時期を本体で確かめられます
  • エラーが出たときは、各社の取扱説明書(保守編)でエラーの意味と直し方を引きます
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