この記事の答え
破砕機は、回転する刃やハンマー、2枚の歯板で、廃材やごみ・石を粗く砕いて小さくする機械です。選ぶときは「何を砕くか(廃プラ・木くず・粗大ごみ・石やコンクリート)」「出てくる大きさをそろえたいか」「1時間にどれだけ砕くか」の3つを先に決めます。廃プラ・木くず・がれきを1日5tを超えて砕く施設は都道府県知事の許可を受け、石や鉱物を砕く7.5kW以上の機械は騒音・振動の届出の対象になります。
破砕機とは
大きな物を、運びやすく・次の工程に流しやすい大きさまで粗く割る機械です。家具や粗大ごみ、廃プラの容器、木のパレット、コンクリート塊を、選別・燃料化・再生・焼却の前に小さくします。かさが減るので、運ぶ回数と置き場所も減ります。
比較ページには、工場・リサイクル施設・処理場に据え置いて使う、型番のある破砕機を方式ごとに載せています。クローラで動く自走式、ラボ用や食品用、生ごみ処理機、オフィスの機密文書シュレッダーは載せていません。
粉砕機との境目
破砕機と粉砕機は、どこまで細かくするかで分けています。破砕機は大きな塊を、運んだり選別したりできる大きさまで粗く割る機械で、粉砕機はそれをさらに細かい粒や粉にする機械です。まず破砕機で割ってから粉砕機に送る、という順番で並べることがあり、日本シームはメガシャーク MS-1060の後ろに粉砕機をつないで、粗破砕から粉砕まで続けて処理する使い方を案内しています。このページは「粗く砕く」側だけを扱い、ミルや微粉砕機、プラスチックのグラニュレーターは粉砕機の比較で扱います。ハンマー式のように、細かさによってどちらにも使う機械は、粗く割る使い方の型式を載せています。
4つの方式
| 方式 |
砕き方 |
向いている物 |
このページの例 |
| 一軸破砕機 |
1本の回転刃に材料を押し当て、スクリーンの穴を通った物だけを出す |
廃プラ・古紙・木くず。大きさをそろえたいとき |
近畿工業 SHRED ONE SSC-12040、日本シーム メガシャーク MS-1060、アイケーシー 一軸破砕機 |
| 二軸・多軸破砕機(せん断式) |
刃の付いた2本の軸が内側へゆっくり回り、噛み込んで引き裂く |
家具・粗大ごみ・廃家電・混じり物の多い廃材 |
新居浜鉄工所 NS-222U、近畿工業 SHRED KING HKS-12065、槇野産業 WE-220、日本シーム 双竜 |
| ハンマー式破砕機(衝撃式) |
速く回るハンマーで叩き割り、下の格子の目で大きさを決める |
石灰石・石炭・ガラスびん・粗大ごみ |
アーステクニカ KHC1005、近畿工業 KHG-1115、前川工業所 HCB-2418T |
| ジョークラッシャ(圧縮式) |
V字の2枚の歯板で挟んで割る |
コンクリート塊・スラグ・原石・焼却灰の塊 |
アーステクニカ RXJ3625、前川工業所 SC(L)-2415、増野製作所 ST-1508 |
一軸と二軸で迷ったら、出てくる物をどう使うかで決めます。燃料(RPF・フラフ)や再生原料にするなら、大きさがそろう一軸が向きます。近畿工業のSSC-12040は、スクリーンを通常の180°より広い200°にして処理量を稼いでいます。家具やふとん、マットレスのようにかさばって形の揃わない物は、二軸で噛み込んで引き裂きます。近畿工業のHKS-12065は破砕室が1,150×1,200mmあります。
金物や土砂が混じる廃材は、二軸のせん断式のうち、混じり物に強い作りの機種を選びます。槇野産業のWE-220は刃の隙間を広く取って「引き裂いて折る」方式で、金物や土砂が混じっても通します。新居浜鉄工所のNS-222Uは、異物の噛み込みを検知して逆転します。
石やコンクリートの塊は、刃で切る機械では刃が持ちません。挟んで割るジョークラッシャか、叩いて割るハンマー式を使います。ジョークラッシャは、異物を噛んだときの逃げ方を見ます。増野製作所のST-1508は、鉄塊を噛み込むとトッグルプレートが先に壊れて本体を守ります。
処理能力の読み方
処理能力(t/h)は、何を砕いた値かで大きく変わります。
- 前川工業所のHCB-2418Tは、石灰石を3mm以下に砕いて2.0~3.0t/h
- アイケーシーの一軸破砕機は、廃プラで0.5〜4t/h
- アーステクニカのRXJ3625は、安山岩を定量で入れたときの最大値で115〜225t/h
- 前川工業所のSC(L)-2415は、出口間隙50mmで30t/h(石灰岩)
二軸や一軸の多くは、処理能力を表に書いていません。砕く物の硬さ・形・水分で変わるためで、このページでも13製品中6製品は「記載なし」です。実際の原料を送って試験してもらい、その結果で機種と台数を決めます。
出てくる大きさの決め方
- 一軸:スクリーンの穴の大きさで決まる。スクリーンを替えて大きさを変える
- 二軸:刃の厚さ・枚数・爪の数で決まる。新居浜鉄工所のNS-222Uは、刃厚48mmで17枚か、70mmで11枚
- ハンマー式:下の格子(グレート・ロストル)の間隔で決まる。前川工業所のHCB-2418Tは、ロストルの間隙で合わせる
- ジョークラッシャ:下の出口の間隔で決まる。増野製作所のST-1508は10~40mm、アーステクニカのRXJ3625は80〜175mm
二軸だけでは大きさがばらつくので、そろえたいときは二軸のあとに一軸を置くか、ふるいで分けます。
許可と届出
産業廃棄物処理施設の許可(廃棄物処理法) 廃プラスチック類の破砕施設で、1日の処理能力が5tを超えるものは産業廃棄物処理施設です。木くず・がれき類の破砕施設も、1日5tを超えるものが当たります(事業者が置く移動式のものを除く)。設置する前に、その土地の都道府県知事の許可を受けます。1日の処理能力は運転時間で変わるので、t/hの能力と1日に動かす時間を掛けて見ます。
騒音・振動の届出(騒音規制法・振動規制法) 土石用・鉱物用の破砕機で、原動機の定格出力が7.5kW以上のものは特定施設です。指定地域の工場に置くときは、設置の工事を始める30日前までに市町村長に届け出ます。条例で上乗せしている自治体もあるので、置く場所の市町村の窓口で、届出がいるかを確かめます。
安全の決まり
労働安全衛生規則は、粉砕機と混合機について次のことを決めています(第142条・第143条)。破砕機も、投入口から落ちる・刃に触れるという危なさは同じなので、同じ備えをします。
- 開口部から落ちるおそれがあれば、蓋・囲い・高さ90cm以上の柵などを付ける
- 開口部から動く部分に触れるおそれがあれば、蓋・囲いを付ける
- 中の物を取り出すときは、運転を止める
詰まりを取るときも、運転を止めて、ほかの人が動かせないようにしてから手を入れます。二軸の機種には、異物を噛むと自動で逆転して吐き出すものがあり(近畿工業 HKS-12065、新居浜鉄工所 NS-222U)、手を入れる回数を減らせます。
刃とハンマーの手入れ
刃やハンマー、歯板はすり減るので、替えやすさも比べます。近畿工業のHKS-12065は大型機種で刃先だけを替えるピースカッター方式、KHG-1115はケーシングを油圧で開けてハンマーピンを抜けます。増野製作所のST-1508は歯板を替えやすい作りです。見積もりのときに、替え刃の値段と、どのくらいの量を砕いたら替えるのかも聞いておきます。
見積もりのときに伝えること
- 砕く物(種類・大きさ・硬さ・水分・金物や土砂が混じるか)
- 1時間あたり・1日あたりの量
- 出したい大きさ(次の工程は何か)
- 入れ方(手で入れるか、重機やコンベアで入れるか)
- 置く場所の広さ・高さと、電源(受電できる容量)
- 許可・届出がいる規模かどうか(自治体との相談の進み具合)
このページの13製品は、どれも値段を公開していません。刃・スクリーン・前後のコンベア・集じん機で中身が変わるので、上の6つをそろえて2〜3社に見積もりを取ります。