この記事の答え
粉砕機は、叩く・ぶつける・すりつぶす・押しつぶす・切るの力で、原料や樹脂を細かい粒や粉にする機械です。選ぶときは「どこまで細かくするか」「1時間にどれだけ砕くか」「原料が熱に弱いか・硬いか・燃えやすいか」の3つを先に決めます。数十〜数百μmなら衝撃式、数μmなら気流式(ジェットミル)、大量の鉱物ならボールミルか竪型ローラーミル、樹脂のランナーやフィルムなら切る方式です。
粉砕機とは
原料を、溶かす・混ぜる・成形する・燃やす前に、決まった大きさの粒や粉にそろえる機械です。食品・薬品・化学品・電池材料・セラミックス・樹脂・セメント原料まで、扱う物によって形も大きさも大きく違います。
比較ページには、工場の生産ラインに据えて使う、型番のある粉砕機を方式ごとに載せています。ラボ用・卓上の試験機、家庭用のミル、液の中で分散させるのが主な目的のビーズミル、中古品、代理店が売る海外製品は載せていません。
破砕機との境目
破砕機と粉砕機は、どこまで細かくするかで分けています。破砕機は、廃材や粗大ごみ、コンクリート塊のような大きな物を、運んだり選別したりできる大きさまで粗く割る機械です。粉砕機は、そうして小さくした物や、はじめから粒の原料を、さらに細かい粒や粉にする機械です。大きな物は先に破砕機で割ってから粉砕機に送ります。ハンマー式のように両方に使う方式は、粗く割る型式を破砕機の比較に、スクリーンや分級機で細かい粉を作る型式(ホソカワミクロンのACMパルベライザ、奈良機械製作所の自由粉砕機など)をこのページに載せています。
5つの方式
| 方式 |
砕き方 |
向いている物 |
このページの例 |
| 衝撃式(ハンマーミル・ピンミル) |
速く回るハンマー・ピンで叩く。スクリーンや回転数で細かさを決める |
食品・薬品・化学品・樹脂。数十〜数百μm |
ホソカワミクロン ACM-10A、奈良機械製作所 M-4、槇野産業 EM-2 |
| 気流式(ジェットミル) |
圧縮空気の流れで粒どうしをぶつける |
トナー・電池材料・セラミックス。数μm |
日本ニューマチック工業 PJM-200、セイシン企業 STJ-200、日清エンジニアリング スーパージェットミル |
| 媒体式(ボールミル・振動ミル・アトライタ) |
ボールなどの媒体ですりつぶす |
鉱物・セラミックス・金属粉 |
栗本鐵工所 ボールミル 1818、日本コークス工業 MA30D、エイシン AXB-100 |
| ローラー・摩砕式 |
ローラーや砥石で押しつぶす・すりつぶす |
石灰石・セメント原料・石炭・食品のペースト |
UBEマシナリー 竪型ミル、増野製作所 MS-36、増幸産業 MKZA15-40J |
| せん断式(カッターミル・グラニュレーター) |
回転刃と固定刃で切る |
樹脂のランナーや不良品、薄いフィルムや繊維 |
カワタ KGC-350、ホーライ HA-2542・U-280、フロイント・ターボ ターボカッター・ターボディスクミル |
細かさの決め方
- 衝撃式:下のスクリーンの穴と回転数で決まる。槇野産業のイクシードミル EM-2はスクリーンを使わず、回転数だけで20μm程度まで合わせる
- 分級機を内蔵した機種:分級ロータの回転速度で、運転したまま粒子径を変えられる(ホソカワミクロンのACMパルベライザ)
- 気流式:原料を入れる速さと空気の圧力で合わせる(セイシン企業のSTJ-200)
- 媒体式:ボールの大きさと砕く時間で決まる
- せん断式:下のスクリーンの穴の大きさで粒をそろえる
細かさの表し方は、メーカーによって「平均粒子径」「D50(中位径)」「80%通過粒度」「メッシュ」と違います。同じ数字でも意味が違うので、比べるときはどの表し方かを確かめます。
処理能力の読み方
処理能力は、何を・どこまで細かく砕いた値かで大きく変わります。
- セイシン企業のSTJ-200は2.0〜20kg/Hr
- 増野製作所のMS-36は石灰石で1.6〜4.5t/h(細かくするほど少なくなる)
- 栗本鐵工所のボールミル 1818は、10mmの原料を200μまで6.6T/h(条件A)
- フロイント・ターボのターボカッターは、PPシートで290kg/h(試験例)
処理能力を公開していない機種も多くあります。原料を送ってテストしてもらい、その結果で機種と台数を決めます。
原料ごとの注意
熱に弱い原料 砕くと摩擦で熱が出て、溶けたり固まったりします。冷風を通す(奈良機械製作所 M-4)、刃を冷やす(フロイント・ターボ ターボディスクミル)、温度センサで見張る(ホーライ HA-2542)機種や、熱を持ちにくいジェットミルを選びます。
硬い原料 刃やハンマーが削れて、その金属が粉に混じります。粉砕部に動く部品の無いジェットミルで、内張りをセラミックにした機種を選びます。
燃えやすい原料 細かい粉は舞い上がると爆発するおそれがあります。不活性ガスの中で運転できる機種(日本コークス工業 MA30D、日本ニューマチック工業 PJM-200、セイシン企業 STJ-200)を選び、周りに粉をためないようにします。
安全と届出
安全の決まり(労働安全衛生規則) 粉砕機の開口部から落ちるおそれがあれば、蓋・囲い・柵を付けます。動く部分に触れるおそれがあれば、蓋・囲いを付けます。中の物を取り出すときは運転を止めます(第142条・第143条)。燃える粉で爆発や火災のおそれがある場所は、通風・換気・除じんで防ぎます(第261条)。
騒音・振動の届出 土石用・鉱物用の摩砕機で、原動機の定格出力が7.5kW以上のものは騒音規制法・振動規制法の特定施設です。ロール式の穀物用製粉機も、騒音規制法では7.5kW以上が当たります。指定地域の工場に置くときは、置く場所の市町村の窓口で届出がいるかを確かめます。
粉じんの決まり 鉱物などを動力で粉砕する場所の作業は、粉じん障害防止規則の粉じん作業に当たります。局所排気装置などの備えを、メーカーと集じんの業者に相談します。
見積もりのときに伝えること
- 砕く物(種類・いまの大きさ・硬さ・水分・熱に弱いか・燃えやすいか)
- ほしい細かさ(どの表し方か)
- 1時間あたり・1日あたりの量
- 乾式か湿式か、品種の切り替えと掃除の回数
- 置く場所の広さ・高さと、電源・圧縮空気の容量
- 前後の工程(投入・捕集・袋詰め・集じん)
このページの17製品は、どれも値段を公開していません。粉砕部の材質・分級機・集じん機で中身が変わるので、上の6つをそろえて2〜3社にテストと見積もりを頼みます。