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GUIDE / VACUUM-TUBE

真空管とは?業務用の真空管(電子管)の種類(マグネトロン・送信管・クライストロン・進行波管・光電子増倍管・X線管)と⁠、周波数・出力・電圧の選び方

装置に組み込んで使う業務用の真空管(電子管)の4つの種類、マグネトロンの周波数と冷却、送信管・クライストロン・進行波管の違い、光電子増倍管の感度波長とゲイン、X線管の管電圧と焦点の選び方を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月29日更新

この記事の答え

真空管は、真空の管の中で電子を動かして、電波・光・X線を出す・増やす・検出する電子部品です。電子管とも呼びます。業務の装置で使うのは、マイクロ波を出すマグネトロン、電波を増幅する送信管・クライストロン・進行波管、弱い光を検出する光電子増倍管、X線を出すX線管の4つです。選ぶときは「何に使うか」「周波数か波長」「出力か電圧」の3つを先に決めます。

真空管とは

真空管は、真空にした管の中で電子を飛ばし、その動きで電波を出したり、増幅したり、光やX線を扱ったりする電子部品です。家庭ではオーディオアンプの真空管がよく知られていますが、業務の装置では、マイクロ波の加熱装置、レーダー、衛星通信、分析機器、X線の検査装置の中で使われています。

比較ページには、日本の会社が自社で作る業務用の真空管を、型番の単位で載せています。オーディオ用の真空管、代理店が売る海外ブランドの管、太陽熱温水器の真空集熱管は載せていません。

4つの種類

  • マグネトロンは、直流の電力をマイクロ波に変えて出す管です。例は東芝ホクト電子の工業用マグネトロンと、日清紡マイクロデバイスの船舶レーダー用のマグネトロンです
  • 増幅管は、入ってきた電波を大きな電力に増やす管です。例はキヤノン電子管デバイスの送信管、日清紡マイクロデバイスのクライストロン、NECネットワーク・センサの進行波管です
  • 光電子増倍管は、弱い光を電子に変えて増やし、電気の信号にする管です。例は浜松ホトニクスの R928 ⁠⁠⁠です
  • X線管は、電子をターゲットに当ててX線を出す管です。例はキヤノン電子管デバイスの工業用X線管と、浜松ホトニクスのマイクロフォーカスX線源です

マグネトロンの周波数と冷却

  • 東芝ホクト電子の工業用マグネトロンは、2,450〜2,470MHzで連続して発振し、加熱・乾燥装置や半導体製造のプラズマに使います
  • 出力は、E5515A の1.5kWから、E2712 の12kWまであります
  • E5515A は空冷で1.0kg、同じ出力の E5515W は水冷で1.2kgです。12kWの E2712 は水冷です
  • 日清紡マイクロデバイスの MAF1565N は、船舶のレーダーに積むX-bandの管で、9380〜9440MHzでピーク10kWを出します

送信管・クライストロン・進行波管の違い

  • 送信管は、放送・通信の送信機や工業用の高周波発生装置で使う三極管です。キヤノン電子管デバイスの資料では、直流から数100MHzまで使い、扱う電力は数100kWにおよびます
  • クライストロンは、GHz帯の電波を大きな電力に増やす管です。日清紡マイクロデバイスの K261 は、9000〜10000MHzでピーク100kWの気象・航空管制レーダー用です
  • 進行波管(TWT)⁠は⁠、⁠ら⁠せ⁠ん(ヘリックス)に沿って進む電波を40〜60dBほど増やす管です。NECネットワーク・センサの LD7275 は、C帯で定格400W、利得50dBの衛星通信用です
  • TWTと電源を一体にした装置は、MPM・HPA(TWTA)と呼びます

光電子増倍管の選び方

  • 浜松ホトニクスの R928 は、感度波長185〜900nm、ゲインは1.0×10の7乗(Typ.)のサイドオン型です
  • 陽極と陰極の間に1000Vをかけて使うので、高圧電源を組み合わせます
  • 管と高圧電源・信号処理回路を一体にしたモジュールもあります。手早く微弱な光を測るならモジュール、装置に合わせて組むなら単体を選びます
  • 形・感度波長の範囲・構造・受光面の大きさで型が分かれるので、測る光の波長から先に決めます

X線管の選び方

  • 工業用のX線管は、非破壊検査・めっきの厚み計・分析などの用途ごとに型があります
  • キヤノン電子管デバイスの I-513 は、最大160kV・300W、焦点は0.8mmです
  • 浜松ホトニクスの L12161-07 は、管電圧40〜150kV・最大75W、焦点は5μm(4W時)⁠で⁠す⁠。細かい部品を拡大して見るX線CTに使います
  • 真空の外囲器はガラスとセラミックがあり、セラミックは機械的な強度が強い管です

値段と買うときの注意

  • このページの製品は、どれもメーカーが値段を公開していません。管の種類・周波数・出力を伝えて見積もりを取ります
  • 保守品種・保守対応のみの型は、新しい装置には使いません
  • 管の故障に備えて、装置側でフェールセーフや冗長の設計をします
  • マイクロ波管の一部は輸出管理の対象です。海外へ出す装置は該非を確かめます
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