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GUIDE / EKITAI-CHISSO-YOUKI

液体窒素容器(デュワー瓶)⁠と⁠は⁠?凍結保存容器・ドライシッパー・運搬容器・自加圧式の違いと、もつ日数・蒸発量・法令から選ぶ方法

研究所・病院・工場・畜産で使う液体窒素容器(デュワー瓶)の4つの種類、液相保存と気相保存の違い、静置で何日もつか、高圧ガス保安法と車で運ぶときの決まり、酸欠を防ぐ使い方を、法令・農林水産省の通知とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月13日更新

この記事の答え

液体窒素容器は、液体窒素を真空の断熱でためておき、運ぶ・小分けする・試料を凍らせたまましまうための容器です。試料をしまう凍結保存容器、凍結試料を送るドライシッパー、液体窒素そのものを運ぶ開放型のデュワー瓶、容器の圧力で送り出す自加圧式の供給容器に分かれます。選ぶときは「何に使うか(しまう・送る・運ぶ・配る)」「液体窒素の量と静置で何日もつか」「収納数」の3つを先に決めます。

液体窒素容器(デュワー瓶)⁠と⁠⁠⁠⁠は

液体窒素を入れて、蒸発をできるだけ抑えながら運んだり、細胞や精液を凍らせたまま長くしまったりする容器です。内槽と外槽の間を真空にし、断熱材を重ねて外の熱を入れない作りになっています。デュワー瓶・液体窒素運搬容器・液体窒素保管容器とも呼びます。

研究所や病院では細胞・組織のバイアル、畜産では牛の精液のストロー、工場では冷却や試験に使う液体窒素の運搬と小分けに使います。

比較ページには、日本法人のある会社が自社で作るか自社グループの製品として売る容器を載せています。液体窒素そのものの販売、電気で冷やす超低温フリーザー、定置式の大型の液化ガス貯槽(CE)、中古、代理店や商社が売る他社製品は載せていません。

4つの種類

  • 凍結保存容器(キャニスター式・ラック式):試料を液体窒素の中か上の冷気でしまう。小型はキャニスターにケーンやストローを立て、大型はラックにフリーズボックスごと入れる。日本酸素 DR‑30‑6、アステック AC‑47‑127‑6、サーモフィッシャー Bio‑Cane 47・Locator 4 Plusなど
  • ドライシッパー(輸送用):吸収材に液体窒素を吸わせ、液をこぼさずに凍結試料を運ぶ。日本酸素 DR‑6DS、アステック AD‑4‑70‑1、サーモフィッシャー Arctic Express 10
  • 開放型の運搬容器(デュワー瓶):口から入れて、汲むかサイフォン・ポンプで取り出す。日本酸素 DC‑10、アステック AS‑20‑50、イワタニ・エーテック CRICシリーズ、卓上のThermo‑Flask
  • 自加圧式の供給容器:容器の圧力で液体窒素を送り出す。日本酸素 DLS‑120B、イワタニ・エーテック LICON‑100N、日本化学機械製造 SUPER 50‑N‑S

液相保存と気相保存

  • 液相:試料を液体窒素に浸けてしまう。日本酸素の大型DRシリーズでは容器内がマイナス196℃⁠⁠⁠前後
  • 気相:液面の上の冷気でしまう。同じくマイナス150℃以下。日本酸素は、液相保存で心配なクロスコンタミ(試料どうしの汚染)を防げると案内している

大型の日本酸素 DR‑430LMは液相用と気相用を選べ、液体窒素自動供給システム(レベルマスター)が液面と容器内の温度を見張ります。

静置で何日もつか

静置で何日もつかは、液体窒素の量と1日の蒸発量で決まります。カタログの日数は、キャニスターを入れずに静置したときの公称値で、置く場所や試料の出し入れの回数で変わります(日本酸素)。

  • アステック AR‑175‑216‑6:175Lで201日(蒸発0.87L/⁠⁠⁠日)
  • アステック AC‑47‑127‑6:47Lで131日(蒸発0.36L/⁠⁠⁠日)
  • サーモフィッシャー Bio‑Cane 47:47.4Lで121日(蒸発0.39L/⁠⁠⁠日)
  • 日本酸素 DR‑30‑6:31.8Lで42日(蒸発0.465L/⁠⁠⁠日)

補給の手間を減らしたいなら、もつ日数の長い型か、自動で液体窒素を足す型を選びます。

値段

値段を公式に出しているのは日本酸素だけです(2026年4月改訂のカタログ、税別の希望小売価格⁠)⁠。

  • デュワー瓶 DC‑10(10.5L)⁠:106,000円
  • ドライシッパー DR‑6DS:300,000円
  • 凍結保存容器 DR‑30‑6:379,000円
  • 自加圧式 DLS‑120B:460,000円

サーモフィッシャー・アステックなどの製品と、大型の凍結保存容器は見積もりで買います。

法令と運ぶときの決まり

液体窒素は、高圧ガス保安法第2条第3号に定める高圧ガスにあたります(農林水産省の通知)。

  • 自加圧式の容器は高圧ガスの容器で、決まった時期に容器再検査を受ける(イワタニ・エーテック LICONシリーズ)
  • 車で運ぶときは、内容積25L以下の容器だけで合計50L以下の場合を除き、車に警戒標を掲げる(一般高圧ガス保安規則をもとにした農林水産省の通知)
  • 運送会社には、容器の内容積と合計を前もって伝える。木枠で梱包して倒れないようにする
  • 直射日光で温度が上がると圧力が上がるので、遮熱カバーを使う
  • ドライシッパーは、余った液体窒素を捨ててから送る

使うときの注意

  • 液体窒素は密閉した容器に入れない。気化したガスの出口を確保する
  • 充填や入れ替えのときは、酸欠を防ぐため換気する
  • 保護服・顔面シールド・ゴーグル・断熱性の皮手袋を着ける(軍手は不可)
  • 皮膚に付いたらすぐに水で洗い流し、服に染みたらすぐに脱ぐ
  • 容器は直射日光の当たらない、風通しのよい場所に置く

点検と残量の見張り

日本酸素は、大型の凍結保存容器とレベルマスターに年1⁠回の定期点検と、5年に1回のオーバーホールをすすめています。小型容器には、残量をLEDのバーで示し、下限でブザーが鳴る残量監視装置AMD2を付けられます。

出典:農林水産省「家畜人工授精用精液等の液体窒素を用いた凍結保管容器による輸送の際の安全の確保等について」(2023年1月18日)・パンフレット、e-Gov法令検索 高圧ガス保安法、各メーカーの公式の製品ページ・カタログ(2026年10月確認)。

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