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GUIDE / TAISHIN-SHELTER

耐震シェルターとは?部屋型・防災ベッド・テーブル型の違い、工事と工期、補助金の受け方

古い木造住宅の1階に置いて、家が倒れても空間を守る耐震シェルターについて、置く部屋型・工事する部屋型・防災ベッド・テーブル型の違い、耐荷重の数字の読み方、工事と工期、自治体の補助金の条件と申請の順番を、東京都・静岡県・横浜市などの資料とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月8日更新

この記事の答え

耐震シェルターは、家全体の耐震改修ができないときに、1階の寝室やベッドの周りだけを強くして命を守る備えです。寝ている場所に合わせて部屋型・ベッド型・テーブル型から選び、置くだけの型(工期は半日〜2日⁠)⁠にするか、床下に基礎を打つ工事型(7〜10日ほど⁠)⁠にするかを決め、住んでいる自治体の補助の対象製品から選んで、契約の前に申請します。

耐震シェルターの役割

大きな地震で古い木造住宅が倒れると、1階にいる人が下敷きになるおそれがあります。家を丸ごと耐震改修できれば安心ですが、費用や工事の負担で踏み出せない家も少なくありません。耐震シェルターは、そうした家の1階に置いて、家が倒れても中の空間を残すための箱やフレームです。

静岡県は、耐震シェルター⁠を「金属や木材でできた箱状の構造物⁠」⁠、防災ベッドを「金属や木材のフレームにベッドが組み込まれたもの⁠」⁠とし、どちらも住宅内の地震時の緊急避難場所として、国・県・市町が協調して設置の費用を助成しています(静岡県)⁠。東京都は、安価で信頼できる耐震改修の工法と装置を選んで紹介していて、装置部門を部屋型・ベッド型・テーブル型に分けています(東京都)⁠。

このため比較ページでは、部屋型のシェルター⁠に加えて、防災ベッドとテーブル型も同じ表で比べています。

形 守る場所 工事 価格の目安(公式)
置く部屋型 寝室などの1部屋 床の上で組み立てる。半日〜2日 45万〜110万円ほど
工事する部屋型 1部屋をまるごと作り直す 床下に基礎を打ち、鉄骨を組む。7〜10日ほど 145万円⁠〜
防災ベッド ベッドの上 組み立てて置く 40万〜84万円ほど
テーブル型 テーブルの下 置いて床に留める 27万〜38.5万円(税別)

価格は、税込・税別や、運搬・組立の費用が入っているかがメーカーごとに違います。比べるときは見積もりで総額を出してもらいます。

耐震改修とどちらを選ぶか

家全体の耐震改修ができるなら、そちらが先です。静岡県は令和8年度から、木造住宅の耐震化のプロジェクトを「⁠TOUKAI-0+⁠」⁠と改め、耐震化を優先しながら、踏み出せない世帯には最低限命を守る減災化の対策として、耐震シェルター・防災ベッドなどの選択肢を示すとしています(静岡県)⁠。

耐震シェルターは、家が倒れるのを防ぐものではありません。倒れたときに、中にいる人の空間を残すものです。日中に過ごす部屋や、2階にいる家族は守れないことも頭に入れて、寝る場所をシェルター⁠の中に移す、と考えます。

置くだけの型と、工事をする型

部屋型には、床の上で組み立てる型と、床下から作り直す型があります。

  • 置く部屋型:工場で作ったパネルや軸組を、部屋の中で組み立てます。据え付けの日数は、一条工務店が床の補強がなければ2日、宮田鉄工の剛建が1日としています。床が弱い家では、先に床の補強が要ります。
  • 工事する部屋型:床(製品によっては天井も⁠)⁠を外し、床下に基礎を打ってから鉄骨を組み込み、内装を仕上げ直します。ヤマニヤマショウでは、厚さ200mmの鉄筋コンクリート⁠の基礎を打ち、工期は7〜10日です。ハイブリッドハウス販売のセフティルームは、解体・基礎・鉄骨・内装で約10日の工程を示しています。

工事する部屋型は費用と日数がかかりますが、部屋の大きさに合わせて作れ、見た目はふつうの部屋のままです。どちらも、多くは住みながら工事ができ、引越しは要らないとしています。

防災ベッドとテーブル型

防災ベッドは、ベッドを鋼鉄や木のフレームで囲います。ニッケン鋼業の防災ベッドは、静岡県の防災ベッド製作検討委員会で開発業者に選ばれ、県の工業技術センターと共同で実用化したものです(ニッケン鋼業)⁠。介護ベッドにかぶせる型(ニッケン鋼業の介護ベッド用防災フレーム、新光産業のウッドラック⁠の介護ベッド用⁠)⁠もあります。

テーブル型は、鉄骨を入れたテーブルで、揺れたら下にもぐります。関西ポラコンの「構-kamae-」は、居室の床にビスで固定して使います。ふだんは食卓や机として使えるので、日中を過ごす部屋に置けます。

どちらも工事はほとんど要りませんが、重さが50〜220kgほどあるので、床が沈む家は補強を相談します。

「何トンに耐える⁠」⁠の読み方

耐荷重の示し方は、メーカーによってばらばらです。

示し方 例(比較ページの製品)
上から押して記録した最大の荷重 日心製作 131.7t、関西ポラコン 60.6〜130.8t
想定した倒壊の向きごとの力 ニッケン鋼業 真上から10.0t・斜め45度から6.0t
構造計算の値 ナスラック 8.65トン、ハイブリッドハウス販売 8.64t
落下物や本体を落とす試験 宮田鉄工(3mから3t⁠)⁠、扇光(3.5mから1t)、カラフルコンテナ(450kg)
建物を実際に倒す実験 一条工務店(数値は公表なし)

試験の方法が違うので、数字の大きさだけでは比べられません。どんな倒れ方(真上から・斜めから・落下物⁠)⁠を想定し、どの機関の立ち会いで試したかを、公式資料で確かめます。

補助金の受け方

多くの自治体が、耐震シェルター⁠や防災ベッドの費用を補助しています。東京都内では、令和8年度に24の区市町が耐震シェルター等の助成制度を持っています(東京都耐震ポータルサイト⁠)⁠。

自治体 補助 木造住宅の建築時期
横浜市 40万円まで 平成12年5月以前
名古屋市 2分の1・30万円まで 昭和56年5月以前
浜松市 3分の2・40万円まで 昭和56年5月以前
大田区 10分の9・50万円まで 平成12年5月以前
世田谷区 30万円まで 昭和56年5月以前

横浜市の40万円は耐震シェルター⁠の本体費用で、防災ベッド・テーブルは20万円までです。名古屋市は非課税世帯なら4分の3で45万円まで、浜松市は65歳以上の人だけが住む家などなら50万円まで、大田区は世帯の課税所得が200万円以上なら2分の1で30万円までです。大田区と世田谷区は高齢者や障害のある人の住む家に限り、世田谷区は所得が200万円以下という条件も付けています。浜松市は1階に置くことが条件です。

出典:横浜市・名古屋市・浜松市・大田区・世田谷区

対象の製品は自治体が決めています。東京都の事例紹介の装置部門で選ばれた製品を対象にする所(世田谷区・名古屋市など)や、県が一覧を出している所(静岡県⁠)⁠があります。どの自治体でも、契約や工事の前に申請し、交付の決定を受けてから契約するのが決まりで、先に買った・設置したものは対象になりません。

選び方

  1. 耐震改修ができないかを先に相談する:自治体の無料の耐震診断を受け、改修の補助と比べる。
  2. 守る場所を決める:寝室を部屋ごと守るか、ベッドだけか、日中の居間のテーブルか。介護ベッドなら、かぶせる型。
  3. 工事の大きさを決める:置くだけ(半日〜2日)か、基礎からの工事(7〜10日ほど)か。床の強さと天井の高さを、下見で確かめてもらう。
  4. 補助の対象製品から選ぶ:住んでいる自治体の一覧に載っている製品か、条件(建てた年・1階・年齢や所得⁠)⁠に合うかを確かめる。
  5. 契約の前に申請する:見積書をもらい、交付の決定を受けてから契約・設置する。
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