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GUIDE / BOKA-SHUTTER

防火シャッターとは?特定防火設備と防火設備・防煙シャッター・危害防止装置の決まりと選び方

火事のときに自動で閉まって炎と煙を止める防火シャッター・防煙シャッターの仕組み、特定防火設備と防火設備の違い、遮煙性能、2005年に義務になった危害防止装置、例示仕様と大臣認定、定期検査、重量シャッター・耐火クロスのスクリーン・横引きの選び方を、建築基準法施行令・国土交通省の資料とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

防火シャッターは、火事のときに感知器に連動して自動で閉まり、炎を区画の中に閉じ込めるシャッターです。煙も止める遮煙性能付きを防煙シャッターと呼びます。選ぶときは「どの区画に使うか(特定防火設備か、遮煙性能が要るか)」「開口の幅と高さ」「閉まったあとに人が通るか⁠」⁠の3つを先に決めると、方式と製品が絞れます。

防火シャッターとは

防火シャッターは、建築基準法でいう「防火設備⁠」⁠の一つです。施行令は、防火設備を「防火戸、ドレンチャーその他火炎を遮る設備」としています(建築基準法施行令 第109条)⁠。ふだんは巻き上げておき、火事のときに煙感知器や熱感知器の信号で閉まって、建物を区画に分けます。

区画には、床面積ごとに分ける面積区画、階段・吹抜け・エスカレーターまわりを囲む竪穴区画、用途の違う部分を分ける異種用途区画などがあります。工場・倉庫・商業施設では、売場や作業場を通路から仕切る所、エスカレーターのまわり、階段室の入口によく付いています。

特定防火設備と防火設備

防火設備は、炎を通さない時間で2つに分かれます。

  • 特定防火設備
  • 火熱を加えてから1時間、裏面に炎を出さないもの
  • 面積区画・竪穴区画・異種用途区画など、防火区画の多くで使う
  • 根拠:施行令 第112条第1項
  • 防火設備
  • 火熱を加えてから20分間、裏面に炎を出さないもの(遮炎性能)
  • 延焼のおそれのある外壁の開口部や、一部の区画で使う
  • 根拠:施行令 第109条の2

どちらが要るかは、建物の構造・用途・区画の種類で決まります。設計図の防火区画の図で、その開口に何が求められているかを確かめてから選びます。

防煙シャッター(遮煙性能)

竪穴区画などに使う防火設備には、炎だけでなく煙を止める「遮煙性能⁠」⁠も求められます。施行令は、遮煙性能を持ち、火事で煙が出たら自動で閉まるものとしています(施行令 第112条第19項第2号)⁠。この性能を持つ防火シャッターが防煙シャッターです。

  • 告示の試験:圧力差を1㎡あたり2kgにして、通気量が毎分1㎡あたり0.2㎥以下で合格(昭和48年建設省告示第2564号)
  • 例示仕様で作れる大きさ:内のり幅5m以下で試験に合格したシャッター、または網入りガラスなどを固定して並べた内のり幅8m以下のシャッター(同じ告示)
  • それより広い開口:国土交通大臣の認定を取った製品を使う。このページでは、三和シヤッター工業のギガワイド(⁠CAS-1184 ほか)、東洋シヤッターのウルトラワイド(⁠CAS-1124)、大和シヤッター(⁠CAS-0173)、鈴木シャッターの開口王Ⅲ(⁠CAS-1222 ほか⁠)⁠が大臣認定品

煙を止める仕組みはメーカーで違います。文化シヤッターはまぐさの部分に不燃のガラスクロスの遮煙材を入れ、小俣シャッター工業はゴムを使わずに鋼板を加工した遮煙構造にしています。

危害防止装置(⁠2005年の改正)

防火シャッターが閉まるときに人が挟まれる事故が続いたため、2005年12月1日から、閉まるときに周囲の人の安全を確保することが義務になりました(施行令 第112条第19項第1号ロ、国土交通省 通知)⁠。

  • 求められること
  • 閉まるときの運動エネルギーが10J以下
  • 人に触れたら5cm以内で止まる(または防火設備の質量が15kg以下)
  • 試験での見方(日本建築総合試験所)
  • 止まる装置があるもの:運動エネルギー10J以下・停止距離5cm以下
  • 止まる装置がないもの:運動エネルギー10J以下・押しつける力150N以下
  • 方式の例(国土交通省 意見募集資料)
  • 座板の障害物感知板に人が触れると止まり、離れると再び降りて閉まる方式
  • 床から30〜50cmで一度止め、熱感知器の信号で再び降りる方式

国土交通省は、煙感知器で途中まで降りて止まる「二段降下式」でも、危害防止の措置が無いものは基準に合わないとしています。2005年より前に付けたシャッターも、基準に合わせる改修をするよう所有者・管理者を指導しています(同じ通知⁠)⁠。後から付ける装置には、三和シヤッター工業のスクリーンセーバー(⁠シャッターの下部を軽い布に替える⁠)⁠があります。

例示仕様と大臣認定

防火設備は、「国土交通大臣が定めた構造方法」(告示の例示仕様)どおりに作るか、製品ごとに「国土交通大臣の認定⁠」⁠を取るかのどちらかです(施行令 第112条)⁠。

  • 例示仕様:告示の形どおりに作る。防煙シャッターなら、上の内のり幅5m(ガラスを併設して8m)まで
  • 大臣認定:認定番号が付く。認定書に書かれた大きさ・材質・閉まり方の範囲で使う
  • このページの製品では、特定防火設備の認定に EA、遮煙性能付きの認定に CAS・CAT で始まる番号が付いている(例:小俣シャッター工業のスクリーンは CAS-0338・CAT-0339・EA-0216)
  • 番号の意味と使える範囲は、メーカーに認定書の写しをもらって確かめる

日本シヤッター・ドア協会の資料は、2000年の建築基準法の改正(性能規定化⁠)⁠のあと、大開口で遮煙性能のある防火シャッターや、布製・中柱収納式・袖扉連動などの新しい機構が大臣認定で広がったとしています(国土交通省 検討会資料)⁠。

4つの方式の選び方

  1. 重量シャッター(スチール):鋼板のスラットを上から降ろす、いちばん多い型。大臣認定品なら中柱なしで幅12m前後まで(⁠鈴木シャッターの開口王Ⅲは最大開口幅17m)
  2. 耐火クロスのスクリーン:シリカクロスを降ろす型。1㎡あたり約0.7kgと軽く、ケースも小さい。鈴木シャッターのSS耐火スクリーンは面積区画で幅25mまで。避難口付きの製品もある
  3. 横引き・水平引き:上にケースを置けない所、曲がった通路、床の開口に。横引SRの横引シャッターは最小半径R=300mmの曲線に沿って閉まる。電動なので非常電源を用意する
  4. 後付けの危害防止装置:危害防止装置の無い古いシャッターを直すとき

点検と定期検査

防火シャッターと耐火クロススクリーンは、建築基準法の定期報告で「防火設備の定期検査⁠」⁠の対象です。検査の項目と判定の基準は告示で決まっていて、閉まる位置の下に物が置かれていないか、危害防止装置が動くかなどを見ます。2025年7月1日に告示が見直され、危害防止装置の検査は人が通る部分に付いたものに限ることなどが明確になりました(国土交通省「定期報告告示の見直しについて」)⁠。報告の時期は、建物のある特定行政庁が決めています。

日本シヤッター・ドア協会の資料では、定期的に点検している重量シャッターでも、点検の際に約1.7%で降下障害が見つかっています(国土交通省 検討会資料)⁠。点検するときは、感知器と連動して閉まらないよう連動スイッチを切るなど、事故を防ぐ手順も決めておきます。

見積もりを取るときに伝えること

  • 開口の幅と高さ(内のり⁠)⁠、天井の高さとケースを置ける寸法
  • 区画の種類(面積区画・竪穴区画・異種用途区画)と、特定防火設備か防火設備か、遮煙性能が要るか
  • 電動か手動か、停電時の非常電源
  • 閉まったあとに人が通る通路か(避難口・袖扉が要るか)
  • 既存のシャッターの改修なら、今の製品の認定番号と付けた年
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