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GUIDE / WELDING-ROD

溶接棒とは?被覆アーク溶接棒・TIG溶加棒・ろう付け棒の種類と、規格・母材・保管の選び方

金属をつなぐ溶接棒(溶接材料)の3つの種類、被覆アーク溶接棒の規格(JIS Z 3211・AWS)の見方、低水素系とライムチタニヤ系の違い、ステンレス鋼・鋳鉄・銅管に使う銘柄、保管と乾燥の注意を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

溶接棒は、金属をつなぐときに溶かして継手を埋める、棒状の溶接材料です。被覆アーク溶接棒は電弧棒・電気棒とも呼びます。つなぎ方で、被覆剤を塗った棒そのものを溶かす被覆アーク溶接棒、TIG溶接で足していく溶加棒、母材を溶かさずにつなぐろう付け棒に分かれます。選ぶときは「母材は何か」「どの溶接法か」「規格の指定はあるか」の3つを先に決めます。

溶接棒とは

溶接棒は、アークや炎の熱で溶かし、継手を埋めて金属どうしをつなぐ棒状の材料です。鉄骨・橋梁・造船の構造物から、設備の配管、金型や鋳物の補修まで使います。

比較ページには、日本法人のある会社が自社で作るか自社の銘柄として売る溶接棒を、各社の代表の銘柄の単位で載せています。半自動溶接で送り出すワイヤ、はんだ、補助材だけの製品、代理店や商社が売る他社の製品は載せていません。

3つの種類

  • 被覆アーク溶接棒:心線に被覆剤(フラックス)を塗った棒で、アークの熱で棒そのものが溶けます。例は神戸製鋼所のNC-38、タセトのRNY308、日鉄溶接工業のL-55とA-10、ニツコー熔材工業のLC-08、ナイスのNicast 2-40、リンカーンのEXCALIBUR 308/308Lです
  • TIG溶加棒:TIG溶接で、ガスで守ったアークに足していく棒です。例は神戸製鋼所のTG-S308、タセトのTG308、ニツコー熔材工業のBKH-60Rです
  • ろう付け棒(ろう材):母材は溶かさず、450℃以上で溶けるろう材だけを溶かして隙間に流し込みます。例はナイスのCopsil 0E、東京ブレイズのTB-607、大進工業研究所のダイシンブロンズです

規格の見方

  • 軟鋼と高張力鋼の被覆アーク溶接棒は、JIS Z 3211の記号で書かれます
  • 日鉄溶接工業のL-55は、E4916-Uです
  • ニツコー熔材工業のLC-08は、E4303です
  • ステンレス鋼用は、タセトのRNY308がJISのES308-16です
  • 海外の銘柄はAWSの記号で書かれ、リンカーンのEXCALIBUR 308/308Lは、AWS E308-17です

被覆の系統の違い

  • ライムチタニヤ系は使いやすく、日鉄溶接工業の解説では、国内で軟鋼用に最も広く使われている被覆です
  • 低水素系は溶接金属が割れにくく、日鉄溶接工業のL-55は、造船・建築・橋梁・圧力容器の490MPa級高張力鋼に使われます
  • イルミナイト系の日鉄溶接工業のA-10は、軟鋼の薄板から中板までを全姿勢で溶接できます
  • 神戸製鋼所のカタログでは、マグ溶接部の手直し溶接には低水素系の棒を使います

母材で選ぶ

  • ステンレス鋼(SUS304)⁠に⁠は⁠、308系の溶接棒を使います。被覆アーク溶接棒ならNC-38・RNY308・EXCALIBUR 308/308L、TIG溶加棒ならTG-S308・TG308です
  • 鋳鉄の巣埋めや割れの補修には、鋳鉄用の棒を使います。ナイスのNicast 2-40は、Ni系の被覆アーク溶接棒です
  • 焼入れした金型の欠けの補修には、ニツコー熔材工業のBKH-60Rを使います。予熱・パス間温度300℃で、溶着金属の硬さはHRC56〜59です
  • 銅管には、りん銅ろうを使います。銅どうしならフラックスなしでろう付けできます
  • 鋼や鋳鉄、銅合金のろう付けには、黄銅ろうを使います。大進工業研究所のダイシンブロンズNの溶融温度は、905〜910℃です

保管と乾燥

  • 湿気の少ない倉庫にしまい、現場への持ち出しは半日で使う分までにします
  • 低水素系は乾かしたあと保温庫に入れ、少しずつ出して使います
  • 乾かしすぎると被覆が壊れます。神戸製鋼所のNC-38の再乾燥の条件は、150〜200℃で0.5〜1時間です
  • 風の強い所では風よけを立てます。溶接金属に窒素が入ると、粘り強さが落ちます
  • ヒュームが出るので、換気と排気をします

値段

  • このページの製品は、どれも公式サイトに値段が出ていません。銘柄・棒径・量を伝えて、販売店かメーカーに見積もりを取ります
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