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GUIDE / FUSSO-JUSHI

フッ素樹脂とは?PTFE・PFA・FEP・ETFE・PVDFの違いと原料の選び方

フッ素樹脂の種類、粉末・ペレット・ディスパージョンの違い、融点と耐熱温度、成形方法、ライニング用途の選び方を、メーカーの公式資料をもとに説明します。

2026年10月29日更新

この記事の答え

フッ素樹脂は、耐薬品性・耐熱性・滑り性を生かして部品や被覆、ライニングに使う樹脂の総称です。原料を選ぶときは、薬品と使用温度を決め、加工方法に合う樹脂・供給形状・品番をそろえます。融点は部品を使える温度とは違います。

フッ素樹脂とは

ふっ素樹脂とも書き、PTFE・PFA・FEP・ETFE・PVDFなどがあります。材料名が同じでも、加工方法や流れやすさは品番で変わります。テフロン™はケマーズの商標で、フッ素樹脂全体の材料名ではありません。

フッ素樹脂のメーカー比較では、メーカーが供給する原料を品番ごとに載せています。加工済みのチューブや完成部品、家庭用だけの製品、販売代理店の他社製品は含めません。PTFEのモールディングパウダー・充填材入り・板丸棒は、別のPTFE比較で扱います。

樹脂と加工方法の違い

  • PTFEの水性分散液は、微粒子を水に分散させた原料です。ダイキンのD-210Cは、ガラスクロス含浸や電池バインダーに使います
  • PTFEのファインパウダーは、ペースト押出用の粉です。ダイキンのFシリーズは、石油系溶剤と混ぜ、電線被覆・チューブ・延伸膜などに加工します。この比較のD-210Cとは原料の形が違います
  • PFAは、PTFEと同等の特性と溶融成形性を備えます。AGCのP-66Pは、押出・トランスファー・ブロー・圧縮成形用で、チューブやライニング向けです
  • FEPも溶融成形用です。ダイキンのNP-20は、電線被覆・チューブ・フィルムの一般押出成形に使います
  • ETFEのC-88AXPは、ストレスクラックへの強さを持つグレードで、射出成形や電線被覆に使います
  • PVDFは、低粘度と高粘度を加工方法で使い分けます。クレハのT#1000は射出・押出成形用、T#1300は押出成形用です

粉末・ペレット・ディスパージョン

原料の形を、成形設備に合わせて選びます。樹脂名だけで注文すると、同じPFAでも加工方法の違う原料が届きます。

  • 三井ケマーズの951HP Plusは、ペレットのPFAです。押出・トランスファー・ブロー成形で、ライニング製品やチューブに使います
  • 同社の9738-JNは、パウダーのPFAです。回転成形・回転ライニング用で、容器・タンクの用途があります
  • ダイキンのD-210Cは、水性ディスパージョンです。固形分は60mass%、平均粒子径は0.25μmです
  • クレハのKFポリマーは、原料形態記号のWがパウダー、Tがペレットです。品番の先頭まで確かめます

融点と耐熱温度

融点は樹脂が溶ける温度です。部品を長く使う温度は、熱による劣化や荷重、接触する薬品も含めて確認します。

  • FEPのNP-20は、融点270℃、連続使用温度200℃です。融点まで使えるという意味ではありません
  • PVDFのKynar 720と740は、DSCの昇温速度10℃/minで融点168℃です。これは連続使用温度の値ではありません
  • KFポリマーのT#1000とT#1300は、ASTM D3418で融点173℃です。融点が同じでも粘度と用途は違います

MFRと用途をそろえる

MFRは、決めた温度と荷重で樹脂が流れる量です。数値だけを見て、別の樹脂へ置き換えないでください。

  • 951HP Plusは、372℃・5kgでMFRが1.0〜3.0g/10minです
  • 9738-JNは、同じ372℃・5kgで4.0〜7.0g/10minです。粉末の回転成形用で、ペレットと用途が違います
  • T#1000は、230℃・5kgで5〜8g/10minです。PFAと測定温度が違うので、値の大小だけで成形性を比べられません

見積もり前に決めること

  • 接触する薬品の名前・濃度・使用温度と、圧力や荷重をまとめます
  • チューブ・電線被覆・ライニングなど、作るものと成形方法を決めます
  • 必要な純度・溶出条件・表面の仕上がりを伝えます。PFAの951HP Plusは、表面平滑性と耐薬液透過性を持つ品番です
  • 原料の品番・形状・使用量・納入単位を指定して見積もりを取ります。取得した公式資料には、掲載製品の公開価格はありません

仕様はダイキンのNP-20技術資料、PTFE Fシリーズ、三井ケマーズのPFA、クレハの物性表、アルケマのKynar 740⁠によります。物性表の代表値を、完成部品の保証値として使わないでください。

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