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GUIDE / BENZOIC-ACID

安息香酸の等級の違いと選び方

有機合成の原料や分析試験に使う安息香酸の4つの種類、化学式と分子量、JIS K 8073の試薬特級、一級・EP、外原規と定量NMR用の標準品、食品添加物と工業用のフレコン、法規制と保管、値段を、メーカーの公式資料と安全データシートをもとにまとめました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

安息香酸は、有機合成の原料や試薬、食品の保存料の原料に使う白い結晶の有機酸です。等級で、試薬特級(JIS K 8073)、一級・EP・分析用、外原規・定量用の標準品、食品添加物・工業用の袋とフレコンに分かれます。選ぶときは「何に使うか(分析・合成・化粧品や食品の原料・工業の原料)」「どの量で受けるか」「どの不純物まで保証してほしいか」の3つを先に決めます。

安息香酸の化学式と性質

安息香酸の化学式はC6H5COOH(分子式C7H6O2)で⁠、分子量は122.12、CAS RNは65-85-0です。外観は白色の結晶〜結晶性粉末です。

水には溶けにくく、富士フイルム和光純薬の製品ページでは20℃で0.29g/100mL水としています。エタノール、エーテル、有機溶媒にはよく溶けます。試薬特級の規格では、融点を121〜124℃と決めています。

比較ページには、日本の会社が自社製品として出す安息香酸を、品番・等級・荷姿の単位で載せています。安息香酸ナトリウムなどの塩、日本薬局方の医薬品、保存料の製剤は載せていません。

4つの種類

  • 試薬特級は、純度99.5%以上に加えて不純物の上限まで決めた等級です。富士フイルム和光純薬・関東化学・純正化学・国産化学が出しています
  • 一級・EP・分析用は、純度を保証する等級です。不純物の規格は特級よりゆるく、国産化学と米山薬品工業が500g、サーモフィッシャーが1kgで出しています
  • 外原規・定量用の標準品は、化粧品原料の受け入れ検査や定量の基準に使う品です。関東化学と純正化学が外原規を、富士フイルム和光純薬が定量NMR用の標準品を出しています
  • 食品添加物・工業用は、20kgの袋や300kgのフレコンバックで受ける品です。伏見製薬所と米山薬品工業が出しています

試薬特級で見る所

  • 富士フイルム和光純薬の024-00985は、JIS K 8073:2017に合わせた規格書で、塩素化合物0.005%以下、鉄5ppm以下、重金属5ppm以下です
  • 関東化学の04115-10は、JIS K 8073の特級で、純度は99.5%を超えます
  • 純正化学の13200-0301は、強熱残分と塩化物が0.005%以下、鉄と重金属が5ppm以下です
  • 国産化学のGR(2110253)は⁠、純度と不純物の規格を公式の一覧に書いていません。使う前に規格書を取り寄せます

一級・EPの選び方

  • 一級・EPは、合成の原料や実習のように、特級の不純物の上限まで求めない所で使います
  • 富士フイルム和光純薬の和光一級は、含量99.5%以上、塩化物0.01%以下、鉄0.001%以下です。同じ会社の試薬特級(鉄5ppm以下)⁠よ⁠り上限がゆるくなります
  • 米山薬品工業のEP(01219)は、純度99.5%以上です
  • サーモフィッシャーの221800010は、NaOH滴定で99.5%以上の分析用で、1kgと5kgがあります

外原規と定量用の標準品

  • 外原規の品は、医薬部外品原料規格の項目で受け入れ検査をする所が使います。純正化学の13202-9001は、含量99.3%以上、重金属20ppm以下、ヒ素4ppm以下です
  • 関東化学の外原規(04115-13)は、純度99.3%超で、融点121〜124℃を規格値にしています
  • 富士フイルム和光純薬の定量NMR用標準品(028-19011)は⁠、qNMR法で値付けした含量99.0%以上の品で、日本薬局方の試薬・試液の安息香酸、定量用に適合しています
  • 熱量計の校正に使う発熱量測定用(JCSS)は⁠、関東化学の検索に出ています。作っているのは一般財団法人日本品質保証機構です

食品添加物と工業用の大袋

  • 伏見製薬所は、1955年に安息香酸の製造販売を始めた会社です。食品添加物の安息香酸は、第9版食品添加物公定書の規格で含量99.5%以上、鉛2μg/g以下です
  • 食品に使える量は、しょう油・清涼飲料水・シロップで1kgにつき0.6g以下、キャビアで1kgにつき2.5g以下、マーガリンで1kgにつき1.0g以下です
  • 伏見製薬所は、工業用安息香酸を300kgのフレコンバックで出し、用途に食品包装紙、繊維の媒染剤、不凍液の防食剤を挙げています
  • 米山薬品工業は、食品添加物の安息香酸を20kgで出しています

安息香酸の危険性と保管の注意

  • 富士フイルム和光純薬の安全データシートでは、毒物及び劇物取締法と消防法はどちらも非該当です
  • 労働安全衛生法では、名称等を表示・通知すべき物質で、皮膚等障害化学物質等にも当たります。ラベルとSDSを合わせます
  • 皮膚刺激、重篤な眼の損傷、長期にわたる又は反復ばく露による呼吸器系の障害、水生生物に有害に分類しています。使う製品のSDSで保護具を決めます
  • 直射日光を避け、換気のよい涼しい場所に密閉して保管します。強酸化剤と混ぜないようにします

購入価格と見積もり

  • 値段を公式に出しているのは、500g以下のびんだけです
  • 500gは、米山薬品工業のEP(01219)が2,000円、国産化学のK-EP(2110261)が3,300円、同じ会社のGR(2110253)が4,400円、富士フイルム和光純薬の024-00985が4,600円(希望納入価格)、純正化学の13200-0301が5,400円(本体)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • 少ない量なら、関東化学の特級250g(04115-10)が7,200円(税抜)、外原規250g(04115-13)が7,800円(税抜)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • 20kg以上の袋とフレコン、純正化学の外原規は値段を出していないので、等級・量・荷姿を伝えて見積もりを取ります
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