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GUIDE / NETSU-KOUKANKI

熱交換器とは?仕組みと種類、プレート式・多管式・スパイラル式の違いと選び方

工場・プラントで液体どうしの熱をやりとりする熱交換器の仕組み、プレート式・多管式(シェルアンドチューブ)・スパイラル式の違い、二重管式や全熱交換器との違い、洗浄と圧力容器の決まりを、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

熱交換器は、温度の高い液体から低い液体へ、金属の板や管を通して熱だけを移す装置です。工場で液体どうしに使うものは、主にプレート式・多管式(シェルアンドチューブ)・スパイラル式の3つです。選ぶときは「何と何の熱をやりとりするか」「圧力と温度はどこまでか」「汚れやすい液体か、どう洗うか」の3つを先に決めます。

熱交換器とは

熱交換器は、温度の違う2つの流体を金属の板や管で仕切り、熱だけを移す装置です。英語ではヒートエクスチェンジャーと呼びます。2つの流体は混ざらないので、冷却水で作動油を冷やす、蒸気で薬液を温める、捨てていた温排水の熱で入ってくる水を予熱する、といった使い方ができます。

比較ページには、工場・プラントで液体どうしの熱をやりとりする熱交換器のうち、プレート式・多管式・スパイラル式の3種類を、各社の代表シリーズの単位で載せています。エアコンや給湯器・ボイラーの中の熱交換器、換気に使う全熱交換器、制御盤用の熱交換器、空気を温めるフィンチューブのコイル、空冷式のオイルクーラは載せていません。

仕組み

熱は温度の高い方から低い方へ動きます。熱交換器は、高温の流体と低温の流体を、薄い金属の壁の両側に流します。高温側の流体は壁に熱を渡して冷え、低温側の流体は壁から熱を受けて温まります。

熱のやりとりの量は、伝熱面積(壁の広さ)、2つの流体の温度差、流れの乱れ方で決まります。同じ熱量なら、流れをよく乱す形ほど伝熱面積が小さくて済み、熱交換器も小さくなります。

3つの種類

  • プレート式:波形にプレスした薄い金属板を重ね、板の両側に高温と低温の液体を交互に流します。ガスケットで締め付けて分解できるガスケット型、ろう付けで一体にしたブレージング型、溶接で一体にした全溶接型があります。例は日阪製作所のUX・RXシリーズとBXC型、ゼネシスのXPプレートです
  • 多管式(シェル&チューブ):太い円筒の胴の中に細い管を何本も通し、管の中と外の液体どうしで熱を移します。油圧ユニットのオイルクーラもこの形です。例は藤産業のHE型、ハシテックのHTF、臼井国際産業の多管式、大生工業のFCFです
  • スパイラル式:2枚の金属板を渦巻きに巻いて、2本の流路をつくります。汚れや詰まりが出やすい液体に使います。例はクロセのKSHSとミニスパイラル、アルファ・ラバルのSHE LTLです

プレート式と多管式の違い

プレート式熱交換器の仕組み

  • 波形の板で流れが乱れ、伝熱がよい。高温側の入口と低温側の出口の温度を1℃差まで近づけられる(日阪製作所)
  • 小さくまとまり、設置面積が小さい
  • ガスケット型は、プレートの枚数を足し引きして能力を変えられ、分解して伝熱面を目で見て洗える
  • ガスケットは長く使うと劣化して漏れるので、定期的に交換する

多管式

  • 昔から使われている形で、低い圧力から高い圧力まで幅広く使える
  • 鉄・ステンレス・チタンなど、材料を幅広く選べる
  • 管の固定のしかたで、固定管板式・U字管・遊動頭(フローティングヘッド)に分かれる。固定管板式は動く部分が無く、U字管と遊動頭は管の束を抜き出せる

スパイラル式を選ぶとき

スパイラル式は、流路が1本道です。汚れが付いて流路が狭くなると、そこだけ流れが速くなり、汚れをはがして押し流します。スラリー・汚泥・繊維を含む液や、汚れやすい排水の熱回収に向きます。ふたを外すと伝熱面を見られるので、高圧水で洗えます。

クロセは小型のスパイラル式を規格品にして在庫し、手で持てるミニスパイラルも作っています。アルファ・ラバル(アルファラバル)は⁠、標準のSHE LTLを2S型から30L型までそろえています。

二重管式・全熱交換器との違い

  • 二重管式:太さの違う2本の管を内と外の2重にした、いちばん簡単な形です。詰まりに強く、コイル状に巻いて場所を取らないようにもできます
  • 全熱交換器:ビルや住宅の換気で、出ていく空気の熱と湿気を入ってくる空気に移す空調の機器です。工場で液体どうしの熱をやりとりする熱交換器とは別のものです

選ぶ前に決めること

  • 流体の種類(水・油・薬液・蒸気・スラリー)と流量
  • 高温側・低温側の入口と出口の温度
  • 許せる圧力損失(ポンプの力に関わる)
  • 最高の圧力と温度
  • 洗い方(分解して洗うか、薬品で洗うか、高圧水で洗うか)

この条件をそろえてメーカーに伝えると、伝熱面積と型式を選んでもらえます。今回載せた製品は、どれも値段を公開していないので、条件を決めて見積もりを取ります。

圧力容器の決まり

蒸気で温める機械や、加圧した気体を持つ機械は、圧力容器としてボイラーと同じような規制を受けます。日阪製作所は、プレート式は中の容積が小さいので、多管式なら第一種圧力容器になる条件でも、小型圧力容器や簡易圧力容器で済むことがあるとしています。蒸気を使う・高い圧力で使うときは、型式を決める前にメーカーに当てはまる区分を確かめます。

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