口コミを書く
GUIDE / HEAT-TRANSFER-OIL

熱媒体油とは?鉱油系と合成系の違いと選び方(使用温度・引火点・消防法)

加熱炉・成形機・反応釜の間接加熱に使う熱媒体油の種類と選び方。鉱油系と合成系の違い、使用温度、引火点と消防法の区分、更油の考え方を、メーカーの公式資料で解説します。

2026年11月6日更新

この記事の答え

熱媒体油は、ヒーターの熱を配管で運び、装置を間接的に温める油です。使う温度が250〜290℃までなら鉱油系、それより高いか開放型の装置なら合成系を見ます。気相で回すなら、気相に使える合成系に絞ります。消防法の扱いを軽くしたいなら、引火点250℃以上の可燃性液体類を選びます。

熱媒体油とは

熱媒体油は、ヒーターで温めて配管に回し、その熱で加熱炉・成形機・反応釜などを間接的に温める油です。低い圧力で高い温度が得られ、局部加熱を防いで均一に温められます。

比較ページには、各社が自社ブランドで売る熱媒体油を、代表の品番の単位で載せています。

種類と違い

  • 鉱油系は、精製した鉱油を基油にします。ハイサーム32は油温260℃まで、NeoSK-OIL L400高引火点品は290℃まで使えます。
  • 合成系(液相)は、合成油を液のまま循環します。ダフニーアルファサーモ32HFは0〜250℃で開放型にも使え、バーレルサーム400は340℃まで使えます。
  • 合成系(気相・液相)は、蒸気にしても液のままでも循環できます。NeoSK-OIL 290は-30〜360℃、バーレルサーム330はバルク370℃まで使えます。

選ぶときに見るところ

選ぶときは「使う温度」「装置の形」「消防法の区分」の3つを先に決めます。

  • 使う温度は、油温の上限だけでなく境膜の温度も見ます。バーレルサーム400は、バルク340℃で境膜370℃です。
  • 装置の形は、開放・半密閉・密閉のどれかを確かめます。ハイサーム32は、空気に触れる環境では使えません。
  • 消防法の区分は、引火点で決まります。ハイサームP32の引火点は252℃で、可燃性液体類に入ります。

引火点250℃以上の油も、2立方メートル以上になると指定可燃物として市町村条例の規制を受けます。危険物と同じ貯蔵所に置くなら、1m以上の間隔を置きます。

粘度と低温での始動

  • 寒い場所では流動点を見ます。ダフニーアルファサーモ32HFの流動点は-50℃未満です。
  • シェル ヒートトランスファーオイル S4 Xは、粘度指数が140あり、冷えた状態から始動しやすい油です。
  • バーレルサーム330は凝固点が12℃なので、止めたときに固まらないように保温します。

劣化と交換

熱媒体油の劣化は、熱劣化、酸化劣化、異物混入の3種類です。高温の油を空気に触れさせないように、膨張槽を窒素で封じます。

  • 更油の時期は、劣化を測って決めます。ダフニーサーミックオイルは、酸価0.5mgKOH/g前後で更油を考えます。
  • 新しい油を入れる前に、装置をフラッシングします。
  • 他の銘柄と混ぜるのは、できるだけ避けます。

価格

今回の5社は、どこも価格を公開していません。油の種類、荷姿、量を決めて各社に見積もりをとります。

比較記事にしてほしい製品の依頼はこちら👉