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GUIDE / JUNKATSUYU

工業用潤滑油とは?油圧作動油・ギヤ油・コンプレッサー油・食品機械用の違いと選び方

工場の機械に入れる工業用潤滑油の種類と違い、ISO VG(粘度グレード)の見方、引火点と消防法の危険物・指定数量、食品機械用(NSF H1)の選び方、20L缶の値段の比べ方を、JIS・消防法とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

10月12日更新

この記事の答え

工業用潤滑油は、工場の機械の歯車・軸受・油圧装置に入れて、摩擦と摩耗を減らし、力を伝える油です。工場で使うものは、入れる機械で油圧作動油・工業用ギヤ油・コンプレッサー油・食品機械用(NSF H1)に分かれます。選ぶときは、機械のメーカーが指定する種類と粘度グレード(ISO VG)を先に確かめ、引火点で消防法の区分を、食品に触れるかでNSF H1を決めます。

工業用潤滑油とは

潤滑油は、物が動くときに生じる摩擦を少なくするために使う油です。摩擦が減ると、機械の摩耗と焼付きを防げて、余分なエネルギー消費も抑えられます。

  • 成り立ち:原油を精製したベースオイル(基油)に、添加剤を混ぜてつくります。特殊な用途には合成油を基油にします
  • 役目:摩擦を減らす・摩耗を防ぐのほかに、機械の冷却・圧力の伝達・さび止めもします
  • グリースとの違い:グリースは基油を増ちょう剤で固めた半固体で、差した所にとどまります。油は流れて循環するので、熱も運べます

比較ページには、工場の油圧装置・減速機・空気圧縮機・食品機械に入れる業務用の潤滑油を、各社1〜2銘柄ずつ載せています。自動車のエンジンオイルだけの製品、グリース、切削油だけの製品、スプレーだけの製品は載せていません。

4つの種類

油圧作動油

油圧ポンプが生んだ力を、シリンダーやモーターに伝える油です。潤滑油の一種で、潤滑性・さび止め・泡の消えやすさも求められます。

  • 一般用は、ポンプの摩耗を抑える耐摩耗性の油です。例:スーパーハイランド(ENEOS)、シェル テラス S2 M(シェル ルブリカンツ ジャパン)、コスモハイドロ AW(コスモ石油ルブリカンツ)
  • 火の気が近い所には、燃えにくい難燃性の作動液を使います。例:ハイドール FA‑46J(MORESCO⁠。引火点330℃)
  • 引火点を250℃以上に保った油は、消防法の危険物から外れます。例:バーレルハイドロリックオイル HT‑A(松村石油⁠。HT‑46Aの引火点は256℃)

工業用ギヤ油

減速機の歯車に入れる油です。重い荷重や衝撃で歯面が焼き付かないよう、極圧剤を入れた極圧形が中心です。

  • 例:ボンノックTS(ENEOS)、ダフニー スーパーギヤーオイル(出光興産)、シェル オマラ S2 G、レノリン CLP(フックスジャパン)
  • 海外製の減速機は、DIN 51517‑3(CLP)のような規格で油を指定してくることがあります。銘柄の規格欄を見て合わせます
  • ウォームギヤやクレーンの巻き上げギヤには、有機モリブデン入りのスミギヤオイルMO(住鉱潤滑剤)、二硫化モリブデン入りのニチモリ ギヤーオイル(ダイゾー)があります

コンプレッサー油

空気圧縮機のローターや軸受を潤滑し、圧縮で出る熱を運ぶ油です。工場で多い油冷式スクリュー圧縮機には、専用の油を使います。

  • 例:ダフニー スーパースクリュー(出光興産)、コスモスクリュー32(コスモ石油ルブリカンツ)、バーレルスクリューRS‑A(松村石油。アルキルナフタレン系の合成油)
  • 比べるのは、高い温度での劣化のしにくさと、スラッジの出にくさです。切削油のミストを吸い込む工場では、ミストが入ってもスラッジができにくい油を選びます

食品機械用(NSF H1)

食品にうっかり触れてしまうおそれのある所でも使える、NSF H1に登録された油です。

  • 例:クリューバーオイル 4 UH1 N(NOKクリューバー)、アリビオフルード(住鉱潤滑剤)、ニチモリ オーシャン FO(ダイゾー)、モレスコフードマシンルブ FPL‑32(MORESCO)、CASSIDA FLUID HF(フックスジャパン)
  • 圧縮機用には、クリューバーサミット HySyn FG(NOKクリューバー)があります
  • 1つの銘柄で、ギヤ・チェーン・油圧の粘度を全部そろえている製品もあります。工場の中で銘柄を減らせます

粘度グレード(ISO VG)の見方

工業用潤滑油の粘度は、JIS K 2001(ISO粘度分類)の番号で表します。

  • 40℃の動粘度(mm²/s)で分けた番号で、番号はその等級の真ん中の値です
  • 各等級には上下10%の幅があります。VG46なら、40℃でおよそ46mm²/sです
  • 番号が大きいほど油は硬く(ねばく)なります。油圧作動油はVG32・46・68、減速機のギヤ油はVG150・220・320がよく並びます

機械のメーカーが指定するVGを守ります。硬すぎると動かす力が増え、軟らかすぎると油膜が切れて摩耗します。

引火点と消防法の危険物

潤滑油の多くは、消防法の第4類(引火性液体)の危険物です。どの品名になるかは引火点で決まります。

  • 第三石油類:引火点が70℃以上で、200℃未満の油
  • 第四石油類:引火点が200℃以上250℃未満。ギヤー油・シリンダー油がこれにあたり、指定数量は6,000Lです
  • 引火点が250℃以上の油は、危険物から外れます

指定数量以上を貯めたり扱ったりする所は、消防法で許可を受けた施設にします。引火点の高い油に替えると、同じ量でも危険物として数える量が減ります。銘柄ごとの引火点は、比較ページの「引火点」と各社の安全データシート(SDS)で確かめます。

値段の比べ方

掲載した20製品のうち14製品は、通販に値段が出ていました。メーカーの定価は見つかりませんでした。

  • 同じ種類・同じVG・同じ容量(20L缶)の1Lあたりで比べます。油圧作動油(VG46)は3製品、ギヤ油(VG220)は4製品、コンプレッサー油(VG32)は3製品を比べました
  • 合成油を基油にした食品機械用は、20L缶で鉱油系の3倍以上の値段です。種類が違うので、食品機械用どうしは比べず値段だけ出しています
  • 値段を出していない製品は、銘柄と粘度・容量・数量を決めて、販売店かメーカーに見積もりを頼みます
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