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GUIDE / BEARING

ベアリングとは?玉軸受・ころ軸受・軸受ユニット・すべり軸受の違いと、荷重・温度・寿命の数字の読み方

機械の回る軸を支えるベアリング(軸受⁠)⁠の4つの方式(玉軸受、ころ軸受、軸受ユニット、すべり軸受⁠)⁠の仕組みと向き不向き、ラジアル荷重とアキシアル荷重の違い、使える温度と油のいらなさ、各社の「従来品比⁠」⁠の数字の読み方を、日本ベアリング工業会と各メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月10日更新

この記事の答え

ベアリング(軸受)は、機械の回る軸を支え、回るときの摩擦を小さくする部品です。選ぶときは「軸の太さ」「どの向きにどれだけの力がかかるか」「どれくらい速く回すか⁠」⁠の3つを先に決めます。速く回すなら玉軸受、重い荷重ならころ軸受、台にボルトで留めたいなら軸受ユニット、油を差せない所やゆっくり揺れる所ならすべり軸受です。

ベアリングとは

ベアリングは、モーター・ポンプ・減速機・コンベヤなど、回る軸のある機械にはほぼ必ず入っている部品です。英語の bear には「支える」という意味があり、日本語では軸受と呼びます。NTN⁠の解説では、自動車1台に100〜150個⁠のベアリング⁠が使われています(⁠NTN ベアリングって何?)⁠。

比較ページでは、メーカーが自社で作るか自社製品として売り、公式サイトで今も案内しているベアリングを、型番ではなくシリーズ・製品群の単位で並べています。直線に動かすリニアブッシュ⁠やリニアガイド、車のハブ軸受、ボールねじは入れていません。

日本ベアリング工業会の分け方では、ベアリング⁠は大きく「転がり軸受⁠」⁠と「滑り軸受⁠」⁠に分かれます(日本ベアリング工業会)⁠。転がり軸受は外輪・内輪・転動体・保持器でできていて、転動体には玉ところがあります。

方式 支え方 向いている所 掲載した製品の例
玉軸受 玉が点で触れて転がる 速く回す軸、小さな機器 不二越、ミネベアミツミ、NSK、NTN
ころ軸受 ころが線で触れて転がる 重い荷重、衝撃、関節 NSK、NTN、THK、日本トムソン
軸受ユニット 台に玉軸受を入れる 架台にボルトで留める軸 旭精工、不二越、FYH
すべり軸受 筒の内側を軸がすべる 油を差せない所、揺れる軸 イグス、オイレス、大同メタル

荷重の向き:ラジアルとアキシアル

ベアリング⁠にかかる力は、向きで2つに分けます。軸に直角にかかる力がラジアル荷重、軸の方向にかかる力がアキシアル荷重です(日本ベアリング工業会)⁠。主にラジアル荷重を受けるものをラジアル軸受、アキシアル荷重を受けるものをスラスト軸受と呼びます。

  • 両方を受ける:不二越⁠の深溝玉軸受は、ラジアル荷重とアキシアル荷重、その合成荷重を受けます。NSKのHPS自動調心ころ軸受も、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重を受けます
  • 全方向を1個で受ける:THK⁠のクロスローラーリングは、90度のV溝に円筒ころを直交に並べ、ラジアル・アキシアル・モーメント⁠のあらゆる方向の荷重を1個で受けます
  • ラジアル荷重用:日本トムソンのシェル形ニードルベアリング⁠はラジアル荷重用で、薄い断面で大きな定格荷重を持ちます

玉軸受

外輪と内輪の間に並べた玉が転がります。NTN⁠の解説では、ボールを使うベアリング⁠は高速回転に向き、ころを使うベアリング⁠は大きな力に耐えます。

いちばん広く使われるのが深溝玉軸受です。不二越⁠の深溝玉軸受は内径10〜320mmまであり、汎用モータ・オルタネータ・送風機・減速機に使われます。小さな機器なら、ミネベアミツミが外径22mm以下⁠を中心に8500種類以上の型式を持ち、HDDやファンモーター⁠に使われています。

用途を絞った専用品もあります。NTN⁠のサーボモーター用低発塵軸受は、グリースとシールを作り直し、従来品より発塵量を約90%、回転トルクを約50%減らしました。NSKのNシリーズ薄肉ベアリングは、内径に対して外径と幅を小さく抑え、ロボットの関節や減速機を薄く組めます。

ころ軸受

玉の代わりに、短い円柱・円すい・たる形の「ころ⁠」⁠が転がります。ころの形で、円筒ころ・針状ころ・円すいころ・自動調心ころなどに分かれます。

  • 自動調心ころ軸受:外輪の転走面が球面なので、軸のたわみや傾きに合わせて動きます。NSKのHPS自動調心ころ軸受は、寿命が従来形の2倍以上、許容回転数が最大20⁠%上がり、200℃まで使えます。鉱山設備・減速機・製紙機械などの重い軸に使われます
  • 円筒ころ軸受:NTN⁠のULTAGE円筒ころ軸受は、従来品より基本動定格荷重が20%、定格寿命が80%上がっています
  • 針状ころ軸受:細長いころをたくさん並べ、輪を薄くしたものです。日本トムソンのシェル形ニードルベアリングは、薄い鋼板を絞った外輪をハウジング⁠に圧入するだけで付けられます
  • クロスローラーリング:THK⁠のクロスローラーリングは、薄形アンギュラ玉軸受を2個並べるより剛性が3〜4倍以上で、ロボットの関節や旋回テーブルに使われます

軸受ユニット

玉軸受を取付け台(軸受箱⁠)⁠に入れ、ボルトで機械に留められるようにしたものです。床や架台に置くピロー形、壁に付けるフランジ形などがあります。

旭精工⁠のピロー形UCP形は、鋳鉄の一体の軸受箱にインサート軸受を入れたもので、インサート軸受は軸径8〜140mmから選べます。一般用は-15〜100℃で、熱い所は耐熱用HR5(常温〜200℃⁠)⁠を使います。不二越⁠のベアリングユニットは、軸受の外周と軸受箱の内周が球面で合わさる自動調心形で、軸心のずれや軸のたわみを逃がします。

水で洗う食品機械には、ステンレス⁠のユニットがあります。FYH⁠のステンレスシリーズ⁠は軸受箱までステンレス鋳鋼SCS14で作り、食品用のH1グレードのグリースを最初から入れてあります。軸径は12〜65mm、使える温度は0〜100℃です。

すべり軸受

玉もころも使わず、筒(ブシュ⁠)⁠の内側で軸をすべらせて支えます。樹脂で作る樹脂軸受や、金属の粉を焼き固めた焼結含油軸受などがあります。

製品 材料 使える温度 荷重の上限
イグス イグリデュール⁠G 樹脂 -40〜130⁠℃ 最大推奨面圧80MPa
オイレス #500SP1-SL1 黄銅に固体潤滑剤 -40〜300⁠℃ 許容最高面圧29N/mm2
大同メタル DDK05 鋼裏金とPTFE -200〜280⁠℃ 常用で面圧49.0MPa以下

温度は、イグリデュールGが短期なら220℃まで、#500SP1は無潤滑のときの値です。速さの上限は、#500SP1が無潤滑で0.5m/s、DDK05がすべり速度の常用で15m/min以下です。

3つとも油を差さずに使えます。往復や揺動、起動と停止の多い動きでは油膜ができにくいので、無給油のすべり軸受が向きます。反対に速く回す軸には向かず、オイレスの#500SP1は無潤滑で0.5m/sまでです。

選ぶときに見るところ

  1. 軸の太さと入る空き:寸法の範囲は、玉軸受・ころ軸受は内径、軸受ユニットは軸径で書かれています。径方向の空きが少ないなら、薄肉の玉軸受や針状ころ軸受を選びます
  2. 荷重の向きと大きさ:ラジアルだけか、アキシアル⁠も受けるかを先に決めます。重い荷重や衝撃にはころ軸受かすべり軸受です
  3. 速さ:速く回すなら玉軸受です。すべり軸受は速度の上限を見ます
  4. 温度と油:使える温度はグリースやシールで変わります。THK⁠のクロスローラーリング⁠の標準品は80℃を超えない範囲で使います。油を差せないなら無給油のすべり軸受です
  5. 「従来品比⁠」⁠の数字の読み方:寿命2倍以上(NSK HPS)や定格寿命80%向上(⁠NTN ULTAGE)は、各社が自社の従来品と比べた値です。他社の製品と比べるときは、カタログの定格荷重で見比べます
  6. 値段:このページの14製品は、どれもメーカーの公式ページに値段が出ていません。型番と数量を決めて販売店で見積もりを取ります

付け替えと規格

転がり軸受は、主要寸法と公差が国際標準化機構(ISO)のもとで統一された、国際的に互換性のある部品です(日本ベアリング工業会)。日本のベアリング産業は、世界の生産の半分程度を占めています。寸法が同じなら他社の軸受と付け替えられますが、密封の形やグリース、精度の等級まで同じかは、型番ごとにカタログで確かめます。

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