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GUIDE / BALL-SCREW

ボールねじとは?構造と仕組み、精密(研削)と転造の違い、精度等級・リードの選び方

工作機械・搬送装置・半導体製造装置・射出成形機の送り軸に使うボールねじについて、構造と仕組み、精密(研削)・転造・高負荷用の違い、精度等級(C0〜C10)とリードの選び方、バックラッシと予圧、すべりねじ・台形ねじとの違い、リニアガイドやサポートユニットとの組み合わせ、グリスアップを、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

ボールねじは、ねじ軸とナットの間でボールを転がし、モータの回転をまっすぐな動きに変える送りねじです。細かい位置決めの軸なら研削の精密ボールねじ(C0〜C5)、物を運ぶ軸なら転造ボールねじ(C7・C10)、射出成形機やプレスなど大きな荷重の軸なら高負荷用を選びます。「要る精度等級」「リード(1回転で進む距離)」「軸径と長さ」の3つを先に決めると、選ぶ製品が絞れます。

ボールねじとは

ボールねじ(ボールネジ)は⁠、モータなどの回転運動を直線運動に変える機械要素です。黒田精工の解説では、主な用途として半導体製造装置・産業用ロボット・工作機械の搬送と位置決めを挙げています。

構造と仕組み

  • ねじ軸・ナット・ボール(鋼球)と⁠、ボールを戻す循環部品でできています
  • ねじ軸を回すと、ねじ軸とナットの溝の間をボールが転がり、ナットがまっすぐ進みます
  • 転がったボールは、チューブ・デフレクタ・エンドキャップなどの循環部品を通って元の位置に戻ります

使用例

  • 工作機械(NC機)の送り機構
  • 半導体製造装置・産業用ロボットの搬送と位置決め
  • 食品機械・医療機器・印刷機器などの直線の軸
  • 電動射出成形機・プレス機(高負荷用)

種類と違い

精密ボールねじ⁠(研削)

ねじ溝を研削で仕上げた、位置決め用のボールねじです。JISのC0〜C5の等級が中心で、工作機械・測定機・半導体製造装置の送りに使います。軸端を加工した在庫品や、軸径2mmのミニチュアボールねじもあります。

転造ボールねじ

丸い棒を転造ダイスで挟んで回し、ねじ溝を押し付けて作ります。削らずに作るので量産しやすく、研削品より安く、納期も短くなります。精度はC7・C10の搬送用が中心です。ミネベアミツミのFBシリーズ(C3〜C7)やKSSのPSR・PSRTシリーズ(C5)⁠の⁠よ⁠う⁠に⁠、転造で精密級を出す製品もあります。

高負荷用ボールねじ

ボールを大きくしたり、負荷を分け合う作りにしたりして、大きな荷重を受けられるようにしたボールねじです。電動射出成形機やサーボプレスに使い、油圧シリンダーを電動に置き換えるときに選びます。

選定のしかた

THKの選定の流れでは、次の順に決めていきます。

  1. 使う条件(荷重・速さ・ストローク)を決める
  2. 精度等級を決める
  3. 軸の長さを決める
  4. リードと軸径を決める
  5. ねじ軸の固定方法(支持のしかた)を決める
  6. 荷重・回転数・寿命・剛性を確かめる
  7. 回転トルクから、駆動するモーターを決める

精度等級

  • JISでは、位置決め用がC0・C1・C3・C5、搬送用がC7・C10の6等級です(黒田精工の解説)
  • Cの後の数字が小さいほど精度が高くなります
  • 精度を上げすぎると値段と納期が増えるので、装置に要る位置決めの精度に合わせます

リード

  • リードは、ねじ軸が1回転したときにナットが進む距離です
  • 大きいリードは速く送れ、小さいリードは細かく止められます
  • 同じモーターなら、小さいリードのほうが大きな推力を出せます

ねじ軸の固定方法

  • ねじ軸は両端を軸受(サポートユニット)で支えます
  • 固定側と支持側の組み合わせで、出せる回転数(危険速度)と⁠、受けられる荷重が変わります
  • 両側とも固定にすると、ねじ軸の熱による伸びで軸受の寿命が落ちることがあります(日本精工の注意書き)

バックラッシ(バックラッシュ)と予圧

  • バックラッシは、かみ合って動く部品どうしのあそびです
  • ボールねじの軸方向すきまは、0.005mm以下・0.010mm以下・0.030mm以下・0.20mm以下などがあります(黒田精工)
  • 位置決めの軸では予圧をかけて、すきまを0にします。予圧のかけ方には、少し大きいボールを入れる方式、ナット1個でリードをずらすオフセット予圧、ナット2個を使うダブルナット予圧があります
  • 予圧をかけすぎると、熱を持ったり寿命が落ちたりします
  • 物を運ぶだけの軸は、すきまを残したほうが回す力と熱を抑えられます

すべりねじ・台形ねじとの違い

  • すべりねじは、ねじ山どうしがこすれて動きます。ボールねじは、ボールが転がって動きます
  • 黒田精工の解説では、ボールねじの機械効率は90%以上、すべりねじは30%ほどです
  • THKは、すべりねじに比べて駆動トルクが1/3以下になると案内しています
  • すべりねじは手を離しても下がりませんが、ボールねじは効率が高いぶん、縦に使うと自重で回って下がります

一緒に選ぶもの

リニアガイド

ボールねじが受けるのは、軸の方向の荷重だけです。上からの重さや横からの力はリニアガイドで受けます。直線の機構は、ボールねじ+リニアガイド(ガイドレール)+モーターの組み合わせで作ります。

サポートユニット⁠(軸受)

ねじ軸を回して使うので、両端を支える軸受が欠かせません。各社が軸端の形に合わせたサポートユニットを出しています。

カバー⁠(防塵)

切粉やほこりが入ると、ボールの循環部が傷んだり、すり減ったりします。第一測範製作所の取扱いの案内では、異物が入りそうな場所では防塵カバーなどを付けるよう書いています。ナットに付けるシールやワイパーリングを用意しているメーカーもあります。

昇降機構に使うとき

縦に使う昇降機構では、ボールねじの軸かナットが自重で回って落ちることがあります。第一測範製作所の取扱いの案内でも、垂直に付けるときは落下防止の仕組みを付けるよう書いています。ブレーキ付きのモーターなどで止めます。

グリスアップ方法と頻度

  • ボールねじは、手入れが楽で経済的なグリースを使うことが多く、オイルは集中給油の工作機械などに使います(黒田精工)
  • 黒田精工は、耐水性・耐熱性に優れたリチウム石けん基のグリースを勧めています
  • 第一測範製作所の案内では、稼働後1〜2か月で点検し、汚れていたら古いグリースを抜いて新しいグリースを入れます。その後は0.5〜1年ごと(使い方で変わる)に点検・補給します
  • 長く手入れを減らしたいなら、ボールリテーナ入りや潤滑ユニット付きの製品を選びます

値段の見方

このページで比べた14製品には、値段を公式に出しているものがありません。軸径・リード・精度等級・長さ・軸端の形・数量を伝えて、見積もりを取ります。一般に転造のほうが研削より安く、ミネベアミツミも価格の比べ方で、一般転造品・FBシリーズ・研削品の順に安いと示しています。

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