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GUIDE / PRECAST-CONCRETE-WALL

コンクリート壁とは?プレキャスト壁板・PCカーテンウォールの種類と選び方

工場・倉庫・施設に使うコンクリート壁を、中空PC壁板とPCカーテンウォールに分けて解説。板厚・幅・材料強度・接合方式・目地処理と、見積もり前に決める条件をメーカー公式資料でまとめました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

建物用のプレキャストコンクリート壁は、工場で作った壁板を建物に取り付けるものです。規格の中空PC壁板と、受注設計のPCカーテンウォールでは、発注時に決める条件が違います。壁の役割、板厚と割付、風圧・地震に対する支持方法、目地の止水を先に決め、運搬・揚重・施工を含めて見積もります。

コンクリート壁とは

プレキャストは、工場であらかじめコンクリートを固めて部材にしたものです。PC壁板・PCa壁板とも呼びます。現場で型枠を組んで打設する工事や、小さなコンクリートブロックを積む壁とは分けて扱います。

PCカーテンウォールは、建物自体の荷重を負担せず、内外を仕切る外壁です。壁の名前に「PC」が付いていても、建物を支える耐力壁とは限りません。部材の取り付けと建物の構造を合わせて設計します(高橋カーテンウォール工業の解説)⁠。

コンクリート壁の比較ページでは、工場・倉庫・施設の壁板を部材仕様で比べています。コンクリートブロック⁠は別の比較です。ALC・押出成形セメント板、土留めの擁壁、道路防音壁、ハーフPCa型枠は対象に含めていません。

中空PC壁板とPCカーテンウォール

  • 中空PC壁板は、縦方向の中空孔とPC鋼線を持ち、プレストレスを与えた板です。板厚・幅・種別を選び、荷重条件に合わせて長さと支持方法を決めます
  • PCカーテンウォールは、外壁としての割付・取付金物・目地・仕上げを一緒に決める受注設計品です。階をまたぐ壁と、横連窓の腰壁では、層間変位の受け方が違います

中空は断面と補強の違い、カーテンウォールは壁の役割を表す言葉です。この比較では、中空PC壁板を先に分け、同じ部材を重複して数えません。中空板の仕組みはツルガの穴あきPC板の解説⁠で確認できます。

板厚・幅・種別の指定

スパンクリートは、独立した製品型番の代わりに、規格W・種別・板厚・呼幅で部材を指定します。比較ページでは次の代表仕様を載せています。

  • 規格W・30種-100厚の掲載仕様は、板厚100mm・呼幅1mです。耐風の許容曲げモーメントは9.61kN·mです
  • 規格W・45種-150厚の掲載仕様は、板厚150mm・呼幅1mです。耐風の許容曲げモーメントは28.2kN·mです
  • 30種・45種は、プレストレス導入量による区分です。コンクリートの設計基準強度を示す数字ではありません
  • 長さは、風圧力・地震力・支持条件で決めます。許容曲げモーメントだけを比べて、そのまま使用できる長さを決めません

出典はスパンクリートの一般壁と壁用技術資料です。数値は各データシートの板厚・種別・呼幅に対応しています。

材料強度と耐火仕様は別に確認する

ツルガは、穴あきPC板のコンクリートについて設計基準強度40N/mm²を案内しています。外壁板の耐火性能は、厚さ8.5cm以上で1時間という記載です。材料強度だけで耐火性能や完成外壁の性能を判断しません(公式の仕様・物性・⁠⁠⁠性能)⁠。

公式表の強度単位は「N/m㎡」表記です。このページではN/mm²に整理しています。厚さの下限を示す耐火仕様を、そのまま納入板厚の一覧とは扱っていません。

ツルガは、厚さ250mm・300mmの製品を2024年7月に製造終了し、ほかの厚さは製造を続けると告知しています。旧カタログだけで発注品を決めず、現在の製造範囲を確認します(製造品目縮小のお知らせ)⁠。

建物の揺れをどこで受けるか

高橋カーテンウォール工業は、階をまたぐパネルの追従機構と、階をまたがない腰壁の固定方法を分けています。

  • 壁形式のロッキング仕様は、パネルを回転させて層間変位を吸収します。取付金物の動きと、パネル間の目地の変形を合わせて確認します
  • 横連窓の腰壁形式は、パネルを梁に固定します。層間変位が開口部のサッシに集中するので、窓まで含めて納まりを決めます
  • 同じメーカーのPCカーテンウォールでも、一般解説にある板厚を全製品の共通仕様として指定しません。板厚・寸法・材料強度は案件ごとの図面で確認します

出典は高橋カーテンウォール工業の取付・層間変位追従の解説です。

目地・開口・仕上げの注意

  • スパンクリート一般壁は、パネル間を弾性シーリング材で防水処理します。パネルをまたぐ開口には補強が必要です。穴あけ・切欠きの限界は設計条件で変わるため、製造前に開口位置を決めます
  • ダイワのフルドライ等圧仕様は、パネルを取り付けると同時にレインバリアが完成する工法です。通常のシーリング目地とまとめず、目地の納まりを指定します(ダイワの技術・⁠⁠⁠製品)
  • 高橋カーテンウォール工業は、シーリングで隙間を塞ぐ方式と、目地内部を外気と等圧にする方式を解説しています。排水と維持管理まで含めて選びます
  • スパンクリートは素地で使えますが、壁用技術資料ではクリアー仕上げを使わないよう案内しています。裏面が屋外に露出する部分には防水処理が必要です

見積もり前に決めること

比較した公式資料には公開価格がありません。材料単価を推測せず、同じ施工範囲と数量で見積もりを取ります。

  • 壁の役割と範囲を決めます。外壁・間仕切り、耐力壁・非耐力壁を区別し、工事図面と照合します
  • 板厚・幅・長さ・数量・開口をそろえます。規格品は種別と呼幅、受注品は割付と取付仕様を指定します
  • 仕上げと目地を指定します。素地・塗装・先付けの範囲、止水・排水、サッシとの取合いを整理します
  • 運搬・クレーン・金物・建方・目地処理を分けます。部材だけの見積もりと、完成外壁までの見積もりを混ぜません
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