口コミを書く 製品を比べる種類から探す・⁠⁠⁠⁠⁠⁠無料
GUIDE / MENSHIN-SOUCHI

免震装置とは?種類と仕組み、ダンパーの選び方、点検・交換・耐用年数

建物の基礎に入れる免震装置(積層ゴム・すべり支承・免震用ダンパー)と⁠、サーバーラックや美術品を守る床免震・機器免震の装置について、種類と仕組み、ダンパーの選び方、大臣認定、点検と交換、耐用年数を、日本免震構造協会の資料とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月13日更新

この記事の答え

免震装置は、建物や床と地面のあいだに入れて、地震の横揺れを伝わりにくくする装置です。建物用は、支える積層ゴムやすべり支承と、揺れを吸収するダンパーを組み合わせます。サーバー室や美術品には、床や機器の下に置くだけの床免震・機器免震の装置があります。選ぶときは「支える重さ」「動ける量」「揺れを止めるしくみ」の3つを先に確かめます。

免震装置とは

免震構造は、建物の基礎と上の建物を切り離し、そのあいだ(免震層)に免震装置を入れて、地震の横揺れを建物に直接伝えないようにする構造です(香川県の資料)。免震部材は、建物を支える支承材、揺れを吸収する減衰材、元の位置に戻す復元材に分けられます(国土技術政策総合研究所の資料)。

建物の免震とは別に、建物の中の床や機器だけを揺れから守る装置もあります。サーバーラック1台や展示ケースの下に置くものから、部屋の一角を床ごと免震にするものまであります。

比較ページには、建物用の免震装置と、床・機器用の免震装置を、各社の代表の製品で載せています。家具の転倒防止用品は耐震マットのページ⁠、身を守る部屋は耐震シェルターのページ⁠にあります。

4つの種類

  • 積層ゴム:薄いゴムと鋼板を何層も重ねた支承です。上下には硬く、横には柔らかく動きます。天然ゴム系(減衰は小さく、ダンパーと組み合わせる⁠)⁠、高減衰ゴム系(ゴムそのものが揺れを吸収する)、鉛や錫のプラグ入り(プラグが揺れを吸収する)があります
  • すべり支承:すべり材がすべって建物を横に動かします。弾性すべり支承は積層ゴムと組み合わせ、球面すべり支承は振り子の原理で元に戻ります
  • 免震用ダンパー:免震層に並べて置き、揺れと動く量を抑えます。鋼材が曲がって吸収するもの、粘性体の抵抗で止めるものがあります
  • 床免震・機器免震:床や機器の下に置いて、その物だけを守ります。転がり(ボールやLMガイド、車輪とレール⁠)やすべり(プレート)で動きます

日本免震構造協会のデータ集積では、2020〜2024年に納入された免震支承の割合は、高減衰積層ゴム28%、天然ゴム系積層ゴム26%、弾性すべり支承21%、球面すべり支承13%、プラグ入り積層ゴム11%です。

仕組み:支える・吸収する・⁠⁠⁠戻す

  • 支える:建物の重さを長いあいだ支えながら、地震のときは横に大きく動けるようにします
  • 吸収する:ダンパーやプラグ、高減衰ゴム、摩擦で地震のエネルギーを吸収し、揺れ続けないようにします
  • 戻す:ゴムの力や振り子の原理、ばねで、地震のあとに元の位置へ戻します

1つの装置が全部を持つものもあります。日鉄エンジニアリングのNS-SSBは、振り子の原理で動く鉄の装置1つで、支える・吸収する・戻すの役目を持ちます。

ダンパーの選び方

  • 一体型にする:鉛プラグ入り(オイレス工業のLRB)や錫プラグ入り(免制震ディバイスのSnRB)、高減衰ゴム(ブリヂストンのX0.6R)は⁠、ダンパーを別に置かずに済むか、数を減らせます
  • 鋼材ダンパー:免震NSUダンパーは温度や揺れの速さで性能が変わらず、地震のあとに傷みを目で確かめて、ダンパー部分だけ取り替えられます
  • 粘性ダンパー:RDT(減衰こま)はボールねじで動きを増やすので、小さな本体で大きな減衰力が出ます

大臣認定と設計

建物用の免震装置は、国土交通大臣の免震材料の認定を取り、MVBRで始まる番号で区別します。免震建物は、大臣認定を受けるか、2000年建設省告示2009号で計算して確認申請を受けるかの2通りです(日本免震構造協会)。どの装置をいくつ使うかは、構造設計者が建物ごとに決めます。

点検・交換・耐用年数

  • 点検:建築基準法第8条で、建物の持ち主や管理者は建物を常に適法な状態に保つよう努めます。免震建物は設計図書の維持管理計画に沿って点検し、日本免震構造協会は「免震建物の維持管理基準」を出しています
  • 耐用年数:ブリヂストンは、促進劣化試験をもとに、20℃で60年後を想定した免震ゴムの性能の変わり方を示しています
  • 交換:鋼材ダンパーは部分だけ取り替えられます。積層ゴムや支承を替えるときは、建物の重さを一時的に受け替える工事を、設計者・施工会社と計画します
  • 動く空間:免震建物は地震のとき横に動くので、まわりに空間(免震クリアランス)をとります。日本免震構造協会の表示例では、建物まわりの床パネルが50cmほど動く場合があると書いています

床・機器用の免震装置の選び方

  • 載せる重さ:昭電のSD-6は100〜1,200kg、エーエスのAK1は1,500kgまで、THKのTGS型は最大3,000kg/m²です
  • 動ける量:±200〜±250mmほどのものが多く、まわりに動ける空間をとります
  • 高さ:床を上げられない部屋なら、厚さ3mmのミューソレーターがあります。OAフロアの床ごと免震にするなら、450・500・600mm角のTGS型やエーエスのFF-450があります

値段

この比較に載せた13製品は、どれも値段を公開していません。建物用は設計で大きさと数が決まるので、設計者や施工会社を通して見積もりを取ります。床・機器用も、載せる物の重さと台数、部屋の広さを伝えて見積もります。

比較記事にしてほしい製品の依頼はこちら👉