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GUIDE / KENMAKI

研磨機とは?ラップ盤・バレル研磨機・ベルト研磨機・卓上グラインダー⁠の違いと選び方

工場や作業場で部品の表面を磨く研磨機の4つの方式(ラップ盤・ポリッシング、バレル研磨機、ベルト研磨機、卓上・両頭グラインダー)⁠の仕組みと向き不向き、研削盤との違い、加工できる大きさの読み方、砥石の安全の決まりを、各メーカーの公式資料と労働安全衛生規則をもとにまとめました。

2026年10月10日更新

この記事の答え

研磨機は、部品や材料の表面を磨いて、平らに・なめらかに仕上げる機械です。選ぶときは「何を磨くか(平らな板か、小物の山か、曲面か、刃物か)」「数はどれくらいか」「どこまで仕上げるか⁠」⁠の3つを先に決めます。平らな部品を精密に仕上げるならラップ盤、小物をまとめてバリ取りするならバレル研磨機、曲面や鋳物の表面ならベルト研磨機、刃物を研ぐなら卓上グラインダーです。

研磨機とは

研磨機は、砥粒・研磨石・研磨ベルト・砥石を部品に当てて、表面を磨く機械です。比較ページでは、工場・作業場で部品を磨く・仕上げる・バリを取る・刃物を研ぐ機械のうち、メーカーが自社で作るか自社製品として売り、公式サイトで今も案内しているものを並べています。

「研磨機」という名前はとても広く、金属組織を見るための試料研磨機、ドリルやエンドミル⁠を研ぎ直す専用機、薬液と電気で磨く電解研磨の装置、半導体ウェーハのCMP装置まで同じ名前で呼ばれます。このページでは、部品の表面を機械で磨く4つの方式に絞りました。手で持つグラインダー⁠やサンダー、砥石やメディアなどの研磨材そのものも入れていません。

方式 磨き方 向いているもの 掲載した製品の例
ラップ盤・ポリッシング 回る定盤と砥粒で面を磨く ウェーハ・セラミックなど平らな部品 浜井産業 9BN、不二越機械工業 USP-9B、日本エンギス EJW-400
バレル研磨機 槽に部品と研磨石を入れて動かす プレス品・切削品などの小物 新東工業 SKC-32S、TKX FM-10N、山科精器 120HD
ベルト研磨機 輪にした研磨ベルトに当てる 鋳物・鍛造品・曲面の部品 松田精機 ベーダーマシンBM、淀川電機製作所 YS-1N
卓上・両頭グラインダー 回る砥石に当てる 刃物・小さな部品のバリ 淀川電機製作所 SY150S、京セラ TG-151、新興製作所 SHG-150N

研削盤との境目

研削盤も砥石を回して部品を削る機械ですが、目的が違います。研削盤は、平面研削盤・円筒研削盤・センタレス研削盤のように、砥石で部品の寸法や形を決めた値まで削り出す工作機械です。研磨機は、形ができた部品の表面を磨いて、平らさやなめらかさを上げたり、バリを取ったりする機械です。このページでは研削盤を入れず、別に比べます。

平らな部品を精密に仕上げる:ラップ盤・ポリッシング

回る定盤の上に部品を載せ、砥粒を混ぜた液(スラリー)や研磨パッドで面を磨きます。上下の定盤で部品を挟み、両面を一度に磨く両面機と、片面だけを磨く片面機があります。

  • 両面機:浜井産業⁠の9BNは、上定盤を回さずワイヤーで吊る3ウェイ方式で、最大ワーク直径180mm⁠の部品をキャリア5枚⁠で磨きます。加工条件は8種類まで覚えておけます。不二越機械工業のUSP-9Bは定盤外径640mm、最大加工物直径150mmです
  • 片面機:日本エンギスのEJW-400は定盤外径380mmで、ダイヤモンド⁠の砥粒で磨くラッピング向けです。スピードファム⁠のFAM12BSは定盤径12インチの卓上機で、ラップ、ハードポリッシュ、ポリッシュに使えます

大きな両面機は重く、9BNは高さ2,691mm・1,700kgあります。入れる前に、搬入経路と床の強さを確かめます。

小物をまとめて磨く:バレル研磨機

槽に部品と研磨石(メディア⁠)⁠、水や研磨剤を入れて動かし、部品と石がこすれ合うことで、まとめてバリ取りやつや出しをします。動かし方で方式が分かれます。

方式 動かし方 このページの製品
回転式 タンクを回す 山科精器 120HD(タンク容量120L)
振動式 槽を揺らす TKX FM-10N(バレル容量283L)
遠心式 槽を自転・公転させる 新東工業 SKC-32S(⁠8Lから1L×4槽まで付け替え)
渦流式 槽の底を回す TKX CR-2C(バレル容量180L、0〜135rpm)
ドラッグフィニッシュ 部品をチャックに付けてメディアの中を動かす チップトン DF100(乾式、集塵機付き)

遠心式や渦流式は強く削れ、短い時間で仕上がります。振動式は部品どうしの打痕が出にくく、TKXのFM-10N⁠はメディアを機外へ出さずに部品を出し入れできます。チップトン⁠のDF100は、部品を1つずつチャックに付けて磨くので、超硬工具の刃先R付けのように、部品をぶつけたくないものに向きます。

表面を整える・曲面を磨く:ベルト研磨機

輪にした研磨ベルトを2つ以上のローラーで回し、部品を当てて削ったり磨いたりします。松田精機⁠のベーダーマシンBMは、小径のコンタクトホイール⁠で曲面や凹面の内側までベルトを当てられ、ベルトは幅50mm・長さ3,350mm、ベルト速度は2,000m/分(60Hz)です。淀川電機製作所のYS-1Nは幅100mm・周長915mm⁠のベルトを使う据え置き機で、金属向けの高速型と、木材・樹脂向けの低速型を分けています。京セラ インダストリアルツールズのBDS-1010は、ベルトと直径150mm⁠のディスクを1台⁠に載せた卓上機です。

刃物を研ぐ・バリを取る:卓上・両頭グラインダー

モーターの両側に丸い砥石を付けた卓上の機械です。左右で目の粗さが違う砥石を付け、粗研ぎと仕上げを使い分けます。このページの3製品は、どれも直径150mm⁠の砥石を使います。淀川電機製作所⁠のSY150Sは砥石カバー・サイドカバー⁠・ツール受け・火花避けを標準で備え、京セラのTG-151⁠は刃物研磨治具が付きます。新興製作所のSHG-150Nは、右の研削砥石で形を出し、左の薄い目立て砥石で刃を付けます。

選ぶときに見るところ

  1. 加工できる大きさ:書き方は方式で違います。ラップ盤は定盤やワークの直径、バレル研磨機は槽の容量、ベルト研磨機はベルトの幅と長さ、グラインダー⁠は砥石の直径で書かれています
  2. 自動化:ラップ盤は加工圧や回転数の制御、バレル研磨機は部品とメディアの選別の自動化を見ます。TKXのFM-10Nは、ダム型自動選別装置付きのD型もあります
  3. 電源と重さ:卓上機は単相100Vで動くものがあり、新興製作所のSHG-150Nは6.0kgです。ラップ盤やバレル研磨機は、電源の種類と床の強さを確かめます
  4. 値段:このページで値段を出しているのは15製品中2製品だけで、どちらも京セラ インダストリアルツールズ⁠の卓上機です。TG-151が23,000円、BDS-1010が38,600円(どちらも税別のメーカー希望小売価格⁠)⁠。ラップ盤やバレル研磨機は、部品と量を伝えて見積もりを取ります

砥石を使う機械の安全の決まり

労働安全衛生規則には、研削といし(砥石⁠)⁠を使う機械の決まりがあります(e-Gov法令検索)。グラインダー⁠を入れるときは、次を守ります。

  • 取替えと試運転:研削といしの取替えと取替え時の試運転は特別教育の業務です(第36条⁠)⁠。その日の作業の前に1分間以上、取り替えたときは3分間以上試運転します(第118条)
  • 覆い:回転中の砥石が危険を及ぼすおそれのあるときは、覆いを設けます(第117条)
  • 回し方と使い方:最高使用周速度をこえて使わず(第119条⁠)⁠、側面を使う目的の砥石以外は側面で削りません(第120条)
  • バフ盤:布バフ・コルクバフなどを除き、研まに使う部分以外に覆いを設けます(第121条)
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