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GUIDE / DRAFT-CHAMBER

ドラフトチャンバーの選び方:仕組みと種類(標準型・スクラバー付き・塩ビ製・卓上型)

研究所や工場の分析室で、薬品のガスや蒸気を吸い出す作業台ドラフトチャンバー(ヒュームフード)について、仕組みと構造、標準型・スクラバー付き・塩ビ製・卓上ドラフトの違い、制御風速と風速の測り方、届出と定期自主検査、安全キャビネットとの違い、価格の見方を、メーカーの公式資料と公的な解説をもとにまとめました。

2026年10月23日更新

この記事の答え

ドラフトチャンバーは、有害なガスや蒸気が出る作業を箱で囲い、前の開口から吸い込んで屋外へ出す囲い式の局所排気装置です。ヒュームフード、ドラフトとも呼びます。有機溶剤なら床置きの標準型、酸のガスを洗ってから出したいならスクラバー付き、酸やアルカリが多いなら塩ビ製、実験台の上で少量を扱うなら卓上型を選びます。「扱う物質と規則」「排気をどこへどう出すか」「置く場所の広さ」の3つを先に決めると、選ぶ製品が絞れます。

ドラフトチャンバーとは

ドラフトチャンバーは、前以外を囲った箱の中で薬品を扱い、後ろのバッフルから吸い続けることで、前の開口から奥へ向かう風を作る装置です。この風で箱の中が外より低い圧力に保たれ、作業者の側へガスが出ません。海外ではヒュームフードと呼び、協立製作所はドラフトチャンバーとヒュームフードに違いはないと案内しています。

比較ページには、日本に本社がある会社が自社で作り、公式サイトで型番と仕様を確かめられた製品を、1社1〜2製品に絞って載せています。局所排気装置の比較に載せたドラフトチャンバーは、このページでは同じ会社のほかの型を選びました。

4つの種類

標準型(床置き・屋外排気)

  • 床に置く箱型で、上のダクトから屋外へ出します
  • スチールに耐薬品の塗装をした型や、外装をステンレスにした型があります
  • 水栓・ガス栓・コンセントを組み込み、そのまま実験台として使います
  • このページの例:島津理化のCBE-Sc18-H1、日本医化器械製作所のDC-1800Z、ニットー冷熱製作所のNTFHS-⁠18

スクラバー付き

  • 本体の上や後ろにスクラバー(排ガス洗浄装置)を組み込み、酸やアンモニアのガスを水や薬液で洗ってから出します
  • 循環タンクとポンプも本体に入るので、別にスクラバーを置く場所を取りません
  • 有機溶剤や臭いは、スクラバーではなく活性炭で吸着させます
  • このページの例:ダルトンのMFJ18MM、協立製作所のSA-5SWU-180、万善工機のMDP180

塩ビ・PP製(酸・アルカリ用)

  • 本体を硬質塩化ビニルやポリプロピレンで作り、金属を腐らせる酸・アルカリのガスに強い型です
  • 伸榮産業は、酸・塩基のガスには塩ビ製、有機系のガスにはステンレス製を選ぶよう案内しています
  • このページの例:三貴製作所のSV-180型、島津理化のCBP-Sc9

卓上型・簡易型

  • 今ある実験台や作業台の上に載せて使います
  • 協立製作所は、床置きを新しく買うより安く、置くのも簡単だと案内しています
  • ファンとダクトホースが付いた軽い樹脂の簡易ドラフトもあります
  • このページの例:協立製作所のSA-5SMO-120、日本医化器械製作所のFH-850A、サンプラテックのDF-1と卓上フード(安全スライド扉)

選ぶときに見るところ

制御風速

  • 囲い式では、有機則が0.4m/s、特化則のガス状の物質が0.5m/s、粒子状の物質が1.0m/sです
  • 協立製作所は、前の窓を全開にすると0.25m/s、半分開けると0.5m/sになるよう風量を決めています
  • 窓を閉めるほど開口の風は速くなります。一定の風量で回す型(CAV)と⁠、窓の開き具合で風量を変える型(VAV)があります

材質と作業面

  • 本体:スチール(耐薬品塗装)、ステンレス、塩ビ、PP
  • 作業面:セラミック板、ステンレス、樹脂(ケムサーフ)、塩ビ、ハイドロセラなど
  • 熱を使う実験か、酸か、有機溶剤かで選びます

排気ファンとダクト

  • 床置きの標準型は、排気ファンが別かオプションの製品が多くあります
  • 屋外へ出すダクト工事は、どの製品も別に見積もります
  • 排気した分の空気を部屋に入れる給気も確かめます

届出と点検

  • 局所排気装置として付けるなら、工事を始める30日前までに労働基準監督署へ届け出ます
  • あとからフードを足したり開口を広げたりする改造も、届出の対象です
  • 1年以内ごとに1回、定期自主検査をして、記録を3年間しまっておきます
  • 囲い式の風速は、開口を1辺30〜50cmほどのマスに分け、各マスの中央で測ります
  • ダクトレスのヒュームフードは、局所排気装置ではなく「発散防止抑制措置」にあたり、付けたあとに特例実施許可を申請します

安全キャビネット・クリーンベンチとの違い

  • ドラフトチャンバー:有害なガスを屋外へ出して、作業者を守る
  • 安全キャビネット:HEPAフィルターと決まった向きの風で、菌やウイルスを扱い、試料も守る
  • 屋外へ出さない安全キャビネットでは、フィルターで取れないガスや臭いが部屋に戻ります
  • 庫内もきれいにしたいなら、万善工機のクリーンドラフトのように両方の機能をあわせ持つ型があります

価格の見方

値段を公開しているのは卓上型の3製品だけです。サンプラテックの卓上フード(安全スライド扉)1000型が199,000円、DF-1が263,000円、日本医化器械製作所のFH-850Aが420,000円です。床置きの標準型とスクラバー付きは、間口・材質・排気ファン・ダクト工事を伝えて見積もりを取ります。

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