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GUIDE / KOUSHO-SAGYOUSHA

高所作業車とは?種類(トラック式・自走式・シザース・マスト⁠)の違いと選び方、資格と点検の決まり

建設・設備工事・電気工事・倉庫で使う高所作業車の5つの種類、作業床の高さと作業半径の見方、10m未満と10m以上で変わる資格、特定自主検査と毎日の点検を、メーカーの公式資料と労働安全衛生規則をもとにまとめました。

2026年10月13日更新

この記事の答え

高所作業車は、人が乗る作業床をブームやはさみ状の脚で持ち上げ、高い所で工事や点検をするための機械です。トラック式・電工用(絶縁)・自走式のブーム・シザース式・小型のマスト式に分かれます。選ぶときは「現場を回るか、構内で動き回るか」「斜めに伸ばすか、まっすぐ上げるか」「作業床の高さが10m未満か10m以上か」の3つを先に決めます。

高所作業車とは

高所作業車は、作業床(バケット・プラットフォーム)に人が乗り、工具や資材と一緒に高い所へ上がる機械です。バケット車・ブームリフト・シザーリフトとも呼ばれます。労働安全衛生法施行令では、作業床を最も高く上げたときの床面の高さを「作業床の高さ」とし、この高さが2m以上の高所作業車を定期自主検査の対象にしています。

比較ページには、建設・設備工事・電気工事・倉庫で使う高所作業車を、メーカーごとに代表の型で載せています。脚立・足場・可搬式作業台、クレーン車、果樹園などの農業用の高所作業機、鉄道の軌陸車は、使い方が違うので載せていません。

5つの種類

  • トラック式:トラックの荷台に伸縮ブームを載せ、アウトリガーを張って上げます。道路を走って現場を回る工事向き。例はアイチコーポレーションのスカイマスター SK10C1RN、タダノのスカイボーイ AT-100TG ⁠⁠です
  • 電工用(絶縁):トラック式に絶縁のつくりを持たせ、電線の近くで作業します。例はアイチの SH15C1FS、タダノの AT-146TE ⁠⁠です
  • 自走式のブーム:クローラー(履帯)かホイールで自分で走り、伸縮・屈伸のブームで作業床を斜め上へ出します。例はタダノユーティリティの AA-9PC(クローラ式屈伸ブーム)、トヨタL&F の 5JD12(ホイール式)、デンヨーの HW-600ZC ⁠⁠です
  • シザース式:はさみ状の脚で、広い作業床をまっすぐ上げます。例は AIRMAN の ENTL099S-4、ジーニーの GS-2669 RT、JLG の ES1932 ⁠⁠⁠です
  • マスト式(小型):柱が伸びて、小さな作業床をまっすぐ上げます。例はスノーケルの TM12、ジーニーの GR-20、デンヨーの HW-380IC ⁠⁠です

トラック式と自走式の選び方

  • 1日に何か所も回るなら、トラック式です。タダノの AT-100TG は2.0t車クラスのトラックに載り、現場から現場へそのまま走れます
  • トラック式で道路を走るには、車の免許も持ちます。アイチの SK10C1RN は準中型免許、SH15C1FS は中型免許(8t限定)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • 工場・造船所・建設現場の構内で動き回るなら、自走式です。未舗装や傾斜地はクローラ、舗装や広い構内はホイールを選びます
  • 配管や梁を越えて奥へ回り込むなら、屈伸ブームです。まっすぐ上がればよいなら、シザース式やマスト式で足ります

高さとサイズの見方

  • 表は「作業床の高さ」でそろえています。海外メーカーのカタログの「最大作業高さ」⁠は⁠、作業床の高さに人の背丈ぶんの2mを足した値です。ホロットの Star 10 は最大作業高さ10m・プラットフォーム高さ8mです
  • 斜めに伸びるブームは、作業半径(横にどこまで出せるか)も見ます。トヨタL&F の 5JD12 は作業床12,000mm・作業半径10,000mm、LGMG の AR16J は作業床15.7m・水平アウトリーチ9.39mです
  • 屋内で使うなら全幅を見ます。スノーケルの TM12 は幅0.76mでエレベータに積め、ジーニーの GR-20 は0.80m、JLG の ES1932 は0.81mです
  • 資材を載せて上がるなら、積載荷重を見ます。ジーニーの GS-2669 RT は680kg、ホロットの Compact 10 は450kgです

資格(10m未満資格・10m以上)と免許

高所作業車を運転する人の資格は、作業床の高さで分かれます(どちらも道路を走る運転は除く)。

  • 作業床の高さが10m未満:高所作業車運転特別教育を受けた人(労働安全衛生規則第36条第10号の5)
  • 作業床の高さが10m以上:高所作業車運転技能講習を修了した人など(労働安全衛生法施行令第20条第15号)

たとえば、アイチの SK10C1RN(9.9m)は特別教育で乗れ、SH15C1FS(14.6・15.1m)は技能講習が条件です。道路を走るトラック式は、これとは別に車の免許で運転します。

点検と作業の決まり

労働安全衛生規則(e-Gov法令検索で確認)⁠は⁠、高所作業車について次のことを決めています。

  • 1年以内ごとに1回、定期に自主検査を行う(第194条の23)。これが特定自主検査で、資格のある人か検査業者が行い、済んだら検査標章を貼る(第194条の26)
  • 1月以内ごとに1回、ブレーキ・操作装置・作業装置・安全装置などを点検する(第194条の24)
  • 自主検査の記録は3年間残す(第194条の25)
  • その日の作業の前に、制動装置・操作装置・作業装置の機能を点検する(第194条の27)
  • 作業の前に作業計画を定め、作業指揮者を決める(第194条の9・第194条の10)
  • アウトリガーを張る、地盤の沈下や路肩の崩れを防ぐなど、転倒を防ぐ措置をとる(第194条の11)
  • 作業床が斜めにも動く機種では、作業床の上の人に墜落制止用器具を使わせる。垂直にだけ上下する機種は除く(第194条の22)

建設荷役車両安全技術協会は、特定自主検査を「1年⁠を超えない期間ごとに1回、有資格者が行う年次検査⁠」と説明しています。

値段の見方

値段を公式に出しているのは、掲載した22製品のうち、デンヨーの2製品だけです(HW-600ZC が5,550,000円(税別)⁠、HW-380IC が3,850,000円(税別))⁠。種類が違い、同じ種類で3製品そろわないので、「安め・高め」の判定はしていません。ほかの製品は、型式・架装するトラック・付ける装置を決めて、販売店かメーカーに見積もりを頼みます。

シェアについて

高所作業車全体のメーカー別の国内シェアを示す公的な統計は見つかりませんでした。タダノユーティリティは自社の会社案内で、クローラ式屈伸ブームを日本国内シェア1位と案内しています(高所作業車全体ではなく、クローラ式屈伸ブームについての自社の記載です⁠)⁠。

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