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GUIDE / EV-CHARGER

業務用のEV充電器とは?急速・普通・V2Xの違い、補助金と選び方

店舗・ホテル・事業所の駐車場に置く業務用のEV充電器(電気自動車の充電スタンド)の種類、急速充電器と普通充電器の出力の違い、何台も置くときの電力の分け方、認証・課金とOCPP、消防の届出、令和7年度補正の補助金を、メーカーと公的機関の資料をもとにまとめました。

2026年10月13日更新

この記事の答え

EV充電器は、駐車場で電気自動車(EV)の電池に電気を送る設備です。選ぶときは「車が何分・何時間止まるか」「受電と契約電力にどれだけ余裕があるか」「来客に有料で貸すか」の3つを先に決めます。

業務用のEV充電器とは

EV充電器(EV充電スタンド)⁠は⁠、電気自動車やプラグインハイブリッド車に電気を送る設備です。業務用は、商業施設・宿泊施設・事業所・社用車の駐車場に置き、何台もの車や来客が使う前提で作られています。

比較ページには、業務用の急速充電器・普通充電器・V2H/V2Xの充放電器を、1社1〜2製品に絞って載せています。家庭用だけの製品(戸建ての200Vコンセント・住宅専用のV2H⁠)⁠、充電サービスだけの事業者、車載充電器、販売や受注を終えた製品は載せていません。

種類と出力の違い

経済産業省の資料では、普通充電器は3〜6kW、急速充電器は10〜100kWの区分で整理しています(一部100kW⁠を超える充電器の設置も始まっています⁠)⁠。

種類 電気 出力 向いている所
急速充電器(高出力) 直流 90kW以上 幹線道路・観光地、2台を同時に充電したい駐車場
急速充電器(中出力) 直流 50kW前後 道の駅・コンビニ・ディーラー・営業所
普通充電器 交流 3〜6kW ホテル・商業施設の来客用、社用車の夜の充電
V2H・V2X 直流(充電と放電) 10kW前後 停電に備える事業所・公共施設
  • 急速充電器の差し込み口は CHAdeMO(チャデモ)⁠で⁠す⁠。デルタ電子のDC 50/100kW充電器は、CHAdeMOとComboの2つを持っています
  • 普通充電器の差し込み口は SAE J1772(Type1)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • 経済産業省の資料では、2024年度末の時点で充電器は約6.8万口あり、うち急速が約1.2万口、普通が約5.6万口です

急速充電器は高出力化が進んでいる

公共用の急速充電器では、2025年3月までの1年で50kW未満が約1,400口減り、90kW以上が1,000口以上増えました。経済産業省の指針は、高速道路では90kW以上で150kWも設置し、高速道路以外でも50kW以上を置く方針です。令和7年度補正の補助金では、商業施設などに150kW以上の機種を置くための区分ができました。

このページの急速充電器は、50kW前後の機種(ニチコン・東光高岳・ダイヘン・ハセテック・JFEテクノス)⁠と⁠、90kW以上の機種(新電元工業の90kW・デルタ電子の最大100kW)⁠で⁠⁠⁠⁠す⁠。

受電と契約電力を先に確かめる

急速充電器は入力が三相のものが多く、建物の受電設備と契約電力に影響します。

  • 三相200V:ニチコンのNQC-TC504、東光高岳のSERA-50、ダイヘンのDQC050LD、ハセテックのSC05、JFEテクノスのRAPIDAS-EX55(低圧動力契約)
  • 単相200V:JFEテクノスのRAPIDAS-X2は、単相2線式AC200Vの従量電灯契約で50kWを出せます
  • 三相400V級:新電元工業のSDQC2F90は三相4線式415V、デルタ電子のDC 50/100kW充電器は3相400Vです

高圧の受電設備を新しく入れる工事には、補助金の区分があります(総出力に応じて上限300万円〜900万円⁠)⁠。

何台も置くときは電力を分け合う

普通充電器を何台も並べると、全部が同時に6kWで動いたときに契約電力を超えることがあります。電力を分け合う制御のある機種を選ぶと、契約を上げずに台数を増やせます。

  • 河村電器産業のwayEV トリプルモデルは、6kW×3を1台にまとめ、契約電力を超えないよう充電量を抑えます
  • ダイヘンのDSC006は、Synergy Linkで各充電器の出力を自動で絞ります
  • デルタ電子のQ-VECは、デマンドコントローラと組んで充電の量を増減します
  • ジゴワッツのIndustrial Modelは、API連携で電流値を外から指示できます

認証・課金とOCPP

来客に有料で貸すなら、認証・課金の機能を本体に持つ機種か、課金サービスとつなげる機種を選びます。

  • 新電元工業のPM-CS04-U-H1はICカード認証、ダイヘンのDQC050LDはパスワード認証を持ちます
  • ジゴワッツのIndustrial Modelは、決済アプリPIYO CHARGEと組みます
  • 河村電器産業のEVコンポは、エネゲートのエコQ電と連携して認証課金をします

OCPPは、充電器と管理・課金のシステムをつなぐ通信の決まりです。ニチコンのNQC-TC504とJFEテクノスのRAPIDAS-X2がOCPP 2.0.1、東光高岳のSERA-50がOCPP 1.6に対応します。令和7年度補正の補助金では、マンションに置く非公共用の充電器にOCPP等への対応が求められます。

経済産業省は、充電した電力量(kWh)に応じた課金を2025年度から始める方針を示しています。

消防の届出

東京消防庁の管内では、全出力50kWを超える急速充電設備を置くときは、置く7日前までに管轄の消防署へ届け出ます。届け出るのは工事の会社ではなく、設備の所有者・管理者です。決まりは市町村の火災予防条例で違うので、置く所の消防本部に出力を伝えて確かめます。

値段の比べ方

値段を公開しているのは19製品中4製品です(2026年10月13日確認)。

製品 種類 価格
河村電器産業 EVコンポα Mode3 ECM3-6X-5(6kW・⁠⁠⁠5m) 普通・壁掛け 260,000円(税別)
日東工業 Pit-3G 通信モデル(6kW・⁠⁠⁠5m) 普通・壁掛け 284,000円(税抜)
パナソニック ELSEEV public Mode3 DNE3611(6kW・⁠⁠⁠5m) 普通・スタンド 452,100円(税込)
ニチコン NQC-TC504P(50kW) 急速 3,800,000円(税別)

6kWの普通充電器の3製品は、同じ出力・同じケーブル長の1基どうしで「安め・平均的・高め」を付けています。パナソニックはスタンド型で、ほかの2製品は壁掛けです。急速充電器で値段を出しているのは1製品だけなので、判定はしていません。どれも工事費は別です。

補助金

国の令和7年度補正「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金」は510億円で、うち365億円を充電設備に充てています。執行は次世代自動車振興センターです。

  • 急速充電器(高速道路以外):機器の1/2・工事の1/1。出力と口数ごとに上限があります。蓄電池付きの急速充電設備は100万円を加算します
  • 普通充電器:機器の1/2・工事の1/1。ケーブル付き6kW以上は機器35万円まで
  • V2H充放電設備:その他施設は機器の1/2(上限75万円)・工事の1/1(上限55万円)

充電設備の第1期・第2期の受付は終わっています(2026年10月確認)。自治体の上乗せの補助は、国の交付決定を前提にしていることが多いので、国の公募の時期とあわせて確かめます。

選ぶ前に確かめること

  1. 止まる時間:休憩の数十分なら急速、数時間以上なら普通
  2. 受電:単相か三相か、低圧か高圧か、契約電力に余裕があるか
  3. 台数:何台を同時に充電するか、電力を分け合う制御が要るか
  4. 料金:来客に有料で貸すか、認証・課金の仕組みをどうするか
  5. 停電:車の電気を建物で使うなら、V2H・V2Xの充放電器
  6. 置き場所:屋外の防水(IP)、海の近くなら塩害への対応
  7. 届出と補助金:消防の届出、補助金の受付時期と対象の機種

蓄電池の選び方は蓄電池の比較⁠、受電設備はキュービクルの比較⁠にまとめています。

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