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エミュレータとは?組込みマイコンの開発に使うエミュレータ(オンチップデバッグ・JTAG・トレース付き)の種類と、対応CPU・電圧・トレース・価格の選び方

組込みマイコンのプログラム開発・検証に使うエミュレータ(JTAGエミュレータ・オンチップデバッグエミュレータ・ICE)の3つの種類、対応CPUとコネクタ、ターゲットの電圧、トレースの容量、ホットプラグ、値段を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

エミュレータは、組込みマイコンのプログラムを、実際のボードの上で止めたり1行ずつ動かしたりして不具合を探す道具です。ICE・JTAG ICE・デバッグプローブとも呼びます。半導体メーカーが自社のマイコン用に出す純正のオンチップデバッグエミュレータ、Armなどを広く扱う汎用のJTAGエミュレータ、大きなトレースメモリを積んだトレース付きの型に分かれます。選ぶときは「どのメーカーのどのコアを使うか」「トレースを使うか」「どの開発環境で動かすか」の3つを先に決めます。

エミュレータとは

エミュレータは、パソコンとターゲットのボードの間につなぎ、JTAGやSWDでマイコンのデバッグ回路を動かす道具です。プログラムを止める、1行ずつ動かす、変数やレジスタやメモリを見る、といった作業をボードの上で行います。

比較ページには、自社で作るメーカーと、海外メーカーの日本法人・日本オフィスが案内するエミュレータを、各社の代表の型の単位で載せています。ゲーム機の模倣ソフトや端末エミュレータ、書き込み専用のフラッシュプログラマは載せていません。

3つの種類

  • オンチップデバッグエミュレータ(純正)は、半導体メーカーが自社のマイコン用に出す型です。例はルネサス エレクトロニクスの E2エミュレータと E2エミュレータLite、日本テキサス・インスツルメンツの XDS110 ⁠⁠⁠です
  • JTAGエミュレータ(汎用)は、Armなどのコアを半導体メーカーを問わずデバッグする型です。例は京都マイクロコンピュータの PARTNER-Jet3 Model10、コンピューテックスの PALMiCE4 Model-J、DTSインサイトの adviceXross、IARシステムズの I-jet ⁠⁠⁠です
  • トレース付きは、CPUの外へ出るトレース信号を本体のメモリにためる型です。例は PARTNER-Jet3 Model15、PALMiCE4 Model-T、Lauterbach の µTrace for Cortex-M、Green Hills Probe V4 ⁠⁠⁠です

対応CPUとコネクタ

  • 純正品は、そのメーカーのマイコンだけに使えます。E2エミュレータは、RA・RE・RH850・RL78・RX・R-Car・RISC-V MCU に使えます
  • 汎用の型は、Armのコアを中心に、RISC-Vにも使える製品が増えています。PARTNER-Jet3 と adviceXross はRISC-Vのコアにも使えます
  • ボードのデバッグ用コネクタのピン数とピッチを合わせます。E2エミュレータは、14ピン2.54mmピッチ・20ピン1.27mmピッチ・10ピン1.27mmピッチにつなげます

ターゲットの電圧

  • E2エミュレータと E2エミュレータLite は、1.8〜5.5V で使えます
  • XDS110 は1.8〜3.6V、PARTNER-Jet3 は1.6〜3.6V ⁠⁠⁠です
  • PALMiCE4 は、1.65〜5.5V のターゲット電圧に自動で合わせます
  • µTrace for Cortex-M は、1.2〜5.0V ⁠⁠⁠です

トレースの容量

  • ブレークで止めると再現しないバグや、まれにしか出ないバグは、実行履歴をためるトレースで追います
  • PARTNER-Jet3 Model15 は512Mバイト、PALMiCE4 Model-T と Green Hills Probe V4 は4GBのトレースメモリを積んでいます
  • 外部トレースを使うなら、ボードにトレース用の端子とコネクタを用意しておきます

動かしたままつなぐ

  • E2エミュレータは、別売のアダプタなしでホットプラグインが使えます
  • PALMiCE4 は、電源を切らずにつなぐホットプラグイン・デバッグを持っています
  • PARTNER-Jet3 は、ターゲットが動いたままプローブを抜き差しできます

値段

  • 値段を公式に出しているのは京都マイクロコンピュータで、PARTNER-Jet3 Model10 は150,000円、Model15 は250,000円(どちらも税抜、本体のみ)で⁠⁠⁠⁠す
  • PARTNER-Jet3 は本体だけでは売っておらず、PARTNERデバッガとプローブを同時に買います
  • ほかのメーカーは、公式の製品ページに値段を出していません。見積もりを取ります
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