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GUIDE / ANTEIKA-DENGEN

直流安定化電源とは?シリーズ方式とスイッチング方式の違い・種類・使い方と選び方

研究開発・製品検査・生産ラインの試験で使う直流安定化電源(DC電源・ベンチ電源)の種類(シリーズ方式・スイッチング方式・多出力・ワイドレンジ⁠)⁠、定電圧(CV)と定電流(CC)、リップルノイズの読み方、直列・並列運転とリモートセンシング、使い方と選び方を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

直流安定化電源は、決めた電圧や電流をぶれずに出し続ける直流の電源です。DC電源・ベンチ電源・安定化直流電源とも呼びます。選ぶときは「ノイズをどこまで嫌うか(シリーズ方式かスイッチング方式か)」「出力はいくつ要るか(1出力か多出力か)⁠」「電圧と電流の両方を振るか(ワイドレンジか)」「パソコンから動かすか(インターフェース)」の4つを先に決めます。

直流安定化電源とは

直流安定化電源は、試作品や部品に、決めた電圧・電流の直流を送る電源です。電池やACアダプターと違い、電圧をつまみや数字で細かく決められ、流れている電流もその場で読めます。研究開発の試作、製品の検査、生産ラインの試験、エージングで使います。

比較ページには、研究開発・検査・試験で使う卓上型とラックに組む直流安定化電源を、方式ごとに代表の型式で載せています。機器に組み込むスイッチング電源ユニット、UPS、ACアダプター、交流安定化電源(AC電源)、回生・双方向電源は載せていません。

定電圧(CV)と定電流⁠(CC)

  • 定電圧(CV):決めた電圧を保って出す。ふだんの使い方
  • 定電流(CC):決めた電流を保って出す
  • 定電圧で使うときも電流の上限を決めておくと、ショートや試作品の不具合で電流が増えても、決めた値で止まる

エー・アンド・デイは、AD-8735Dを「定電圧電源または定電流電源として2通りの使い方が可能⁠」と案内しています。

安定化のしかた:シリーズ方式とスイッチング方式

シリーズ方式(リニア・ドロッパ方式)

  • 負荷に直列につないだ半導体(トランジスタ・FET)で電圧を合わせる
  • リップルとノイズが少ない。アナログ回路やセンサーの評価に向く
  • 重く大きくなりやすく、大きな電力には向かない

高砂製作所は「ドロッパー方式ともいい、スイッチングレギュレータ⁠に比べノイズが少ないのが特徴⁠」と説明しています。

スイッチング方式

  • 半導体をオン・オフさせて電圧を合わせる
  • 電力の変換効率がよく、小さく軽い
  • リップルとノイズはシリーズ方式より大きめ

高砂製作所は、LX-2シリーズについて、同じ出力のドロッパ方式と比べて体積が約1/2、質量が約1/3と案内しています。

出力の数と範囲で分ける

1出力

  • 1つの電圧を出すいちばん基本の形
  • シリーズ方式とスイッチング方式の両方がある

多出力

  • 1台に2〜3個の出力を持つ
  • 出力どうしが絶縁されていれば、+電源・−電源・±電源として使える
  • 2つの出力を直列や並列にして、電圧や電流を増やせる機種もある(テクシオ・テクノロジー GPE-2323Aは直列で64V、並列で6A)

ワイドレンジ(可変電力型・ズーム)

  • 定格の電力の中で、電圧が低いときは大きな電流、高いときは高い電圧を出せる
  • 固定レンジの電源は電圧を下げても最大の電流が変わらないので、低い電圧では取り出せる電力が減る
  • 高砂製作所は、ズーム機能で固定レンジの直流電源5〜8機種分の範囲を1台でまかなえると案内している

リップルノイズの読み方

  • 出力に乗る細かい揺れの大きさ。小さいほど、きれいな直流
  • 「mVrms」は実効値、「mVp-p」は山から谷までの幅。同じ単位どうしで比べる
  • 高砂製作所のLX-2-018-2Aは、リップル5mV RMSとノイズ50mVp-pを分けて書いている

直列・並列運転とリモートセンシング

  • 並列運転:同じ機種をつないで電流を増やす。直列運転:電圧を増やす
  • エー・アンド・デイのAD-8735Dは、2台を並列にすると30V・6A、直列にすると60V・3Aとして使える
  • リモートセンシング:負荷の端で電圧を測り、電線の抵抗で下がるぶんを補う。テクシオ・テクノロジーのPA-Bシリーズは片道0.5Vまで補う

使い方の流れ

  1. 負荷をつなぐ前に、出力を切った状態で電圧と電流の上限を決める
  2. 過電圧保護(OVP)がある機種は、負荷を壊さない電圧に合わせておく
  3. 負荷をつないで出力を入れ、電圧・電流の表示を見ながら試す
  4. 電線が長い・電流が大きいときは、リモートセンシングで負荷の端の電圧を合わせる

選び方

  • ノイズを嫌うアナログ回路やセンサー → シリーズ方式
  • 机の上を広く使いたい、手軽な1台 → スイッチング方式
  • +と−の電源が要る、電圧の違う回路をまとめて試す → 多出力
  • 電圧も電流も振る、電池や車載部品の試験 → ワイドレンジ
  • 検査を自動で回す → USB・LAN・GPIBなどのインターフェースを確かめる
  • 海外メーカーの機種 → 日本の100V仕様かどうかを確かめる(テクトロニクスは、2230Gシリーズが日本国内仕様ではないと案内している)

出典

  • 高砂製作所「直流電源の機能について」・LX-2シリーズ・ZX-Sシリーズの公式ページ
  • 菊水電子工業 PMX-Aシリーズ・PMX-Multiシリーズ・PWR-01シリーズの公式ページ
  • テクシオ・テクノロジー PA-Bシリーズ(製品ページ・取扱説明書)・GPE-Aシリーズ・PSW-Aシリーズの公式ページ
  • エー・アンド・デイ AD-8735D、カスタム DPS-3005、松定プレシジョン P4LE・P4K-80、テクトロニクス 2230Gシリーズ、クロマジャパン 62000Eシリーズの公式ページ
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