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GUIDE / HOIST

ホイスト・チェーンブロックとは?電気チェーンブロック・ワイヤロープ式ホイスト・手動・エアの違いと選び方

工場・倉庫で荷を吊り上げるホイストとチェーンブロックの4つの方式、定格荷重・揚程・巻上速度の見方、クレーン等安全規則で決まっている特別教育・定期自主検査・作業開始前の点検を、メーカーの公式資料と法令・労働局の資料をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

ホイスト・チェーンブロックは、梁やクレーンに吊るして、チェーンやワイヤロープを巻き上げて荷を持ち上げる機械です。工場で使うものは、電気チェーンブロック、ワイヤロープ式電気ホイスト、手で動かす手動チェーンブロック・レバーブロック、圧縮空気で動くエアホイストの4つに分かれます。選ぶときは「吊る重さ(定格荷重)」「吊る高さ(揚程)」「動かす元(電気・人の手・空気⁠)」⁠の3つを先に決めます。電気やエアで吊り上げて横に運ぶなら、クレーン等安全規則のクレーンとして扱います。

ホイスト・チェーンブロックとは

ホイストは、巻上げの仕組みとモーターを1つの箱にまとめた、小さな巻上げ機です。梁のレールに付けたトロリで横に動かしたり、天井クレーンの巻上げ部として組み込んだりして使います。チェーンブロックは、ロードチェーンを歯車で巻き上げる道具で、手で手鎖を引く手動式と、モーターで巻く電気式があります。

比較ページには、工場・倉庫で荷を吊り上げる業務用のホイスト・チェーンブロックを、各社の代表機種(定格荷重1t前後⁠)⁠で載せています。天井クレーン・ジブクレーンの構造(ガーダ・柱・旋回の部分⁠)⁠、吊りクランプ・スリングなどの吊り具だけの製品、ウインチ、中古品、代理店が売る他社製品は載せていません。吊り具はクランプの比較⁠で扱っています。

4つの方式

  • 電気チェーンブロック:モーターでロードチェーンを巻き上げます。本体が小さく、梁のレールに付けたトロリで横に動かして使います。例はキトーのER2‑010S(⁠1t・最小フック間距離430mm)、象印チエンブロツクのDA‑1S(⁠1t・50Hzで6.8m/min)、日立産機システムの1S(H)(⁠1t・標準揚程3m・6m・9m)です
  • ワイヤロープ式電気ホイスト:ドラムでワイヤロープを巻き上げます。揚程を長く取りやすく、天井クレーンの巻上げ部にも使います。例は日本ホイストのNHEE1.0MRV(⁠1.0t・揚程7m・巻上と横行のインバータ)と、AC100Vで動くトーヨーコーケンのDB‑E820(⁠460kg・揚程10m)です
  • 手動チェーンブロック・レバーブロック:人の手で巻きます。手動チェーンブロックは手鎖を引いて真上に吊り、レバーブロックはレバーを往復させて横や斜めにも引けます。例はキトーのCX010L(⁠1t・7.3kg)、象印チエンブロツクのC21‑1(⁠1t・手巻力量314N)、HIDAXのNK010(⁠1.0t・6.1kg)です
  • エアホイスト:工場の圧縮空気でエアーモータを回します。火花や熱が出にくく、火気厳禁の工場や粉じんの多い現場で使います。例は日本ニューマチック工業のRHL‑1000(⁠1,000kg・22kg)、神内電機製作所のAH‑2RN(⁠1,000kg・21.5kg)、遠藤工業のEHL95S(⁠950kg)です

選ぶときに見る数字

  • 定格荷重:吊ってよい最大の重さです。フックや吊り具の重さも含めて、吊る荷がこれを超えないものを選びます
  • 揚程:フックが上がり下がりできる高さの幅です。標準の揚程は3mの機種が多く、梁が高い所では長い揚程を指定します。チェーンやワイヤロープが長くなるぶん、本体の質量と値段も上がります
  • 巻上速度:1分に何m上がるかです。電気式は2速やインバータで、荷を置く直前だけゆっくりにできる機種があります
  • 最小フック間距離:本体を吊ったフック(またはトロリ)から、下のフックまでの一番短い長さです。天井が低い所では、この数字が小さいほど荷を高く上げられます
  • 動力:電気式は三相200Vが多く、単相100Vで動く小型の機種もあります。エアホイストは工場の圧縮空気で動き、空気の圧力と量が足りるかを先に確かめます

クレーン等安全規則との関係

労働安全衛生法では、クレーンを「荷を動力を用いて吊上げ、これを水平に運搬することを目的とする機械装置」としています。滋賀労働局の資料は、ホイストや電動式のチェーンブロックをクレーンの例に挙げ、人力で巻上げを行うチェーンブロックはクレーンに当たらないとしています。

電気やエアのホイストを梁に付け、吊った荷を横に運ぶなら、クレーン等安全規則(e-Gov法令検索で確認⁠)⁠の決まりに沿います。

  • つり上げ荷重0.5t未満のクレーンには、この規則は適用されません(第2条⁠)⁠。ただし滋賀労働局は、事故を防ぐために定期自主検査などをすることが望ましいとしています
  • つり上げ荷重0.5t以上3t未満のクレーンは、設置する前にクレーン設置報告書を労働基準監督署長に出します(第11条)。3t以上は設置届と落成検査になります
  • つり上げ荷重5t未満のクレーンの運転には、安全のための特別の教育をします(第21条)。5t以上はクレーン・デリック運転士免許で、床上で操作して荷と一緒に歩く床上操作式クレーンは、技能講習の修了者でも運転できます(第22条)
  • 定格荷重を超える荷重をかけて使いません(第23条)
  • 1年以内ごとに1回の定期自主検査(第34条)と、1か月以内ごとに1回の自主検査(第35条⁠)⁠をします。月の検査では、巻過防止装置などの安全装置・ブレーキ・ワイヤロープとつりチェーンの傷みを見ます
  • その日の作業を始める前に、巻過防止装置・ブレーキ・コントローラーの機能、トロリが動くレールの状態、ワイヤロープが通っている所を点検します(第36条)
  • 自主検査の結果は記録し、3年間残します(第38条)

荷を吊るときの玉掛けは、つり上げ荷重1t以上なら玉掛け技能講習の修了者、1t未満なら特別教育を受けた人が行います(第221条・第222条⁠)⁠。手で動かすチェーンブロックやレバーブロックはクレーンではありませんが、取扱説明書の使い方と点検を守ります。

値段の見方

このページに載せた11製品は、どれも公式サイト・カタログに値段を出していませんでした。そのため「安め・高め⁠」⁠の判定はしていません。同じ1tでも、揚程・速度(1速・2速・インバータ)・電源・トロリの有無で値段が変わります。型式・揚程・電源・数量を決めて、販売店かメーカーに見積もりを頼みます。

載せなかった会社

  • バイタル工業・東洋ホイスト・スリーエッチ・三菱電機FA産業機器は、ホイストやチェーンブロックを案内していますが、仕様が画像か文字の取れない資料だけで、値を確かめられなかったので載せていません
  • 日立産機システムのワイヤロープ式ホイストは、カタログの表で型と値を結べなかったので、電気チェーンブロックだけを載せています
  • 海外ブランドは、日本法人の公式サイトで仕様を文字で確かめられたものだけを載せる決まりで、今回は該当がありませんでした
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