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GUIDE / TAISHIN-MAT

耐震マット・転倒防止器具とは?マット・ベルト・固定金具・免震台の違いと、事業所での選び方

事業所・工場・研究所・病院で、機器や棚、サーバーラックが地震で倒れたり動いたりするのを防ぐ耐震マット・ベルト・固定金具・免震台について、方式ごとの違い、止められる重さの見方、耐震性能の数字の読み方、交換の時期を、東京消防庁の資料とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

重い設備や背の高い棚は、金具とボルトで床や壁に留めるのがいちばん確実です。穴をあけられない所は、ゲルで床に貼る金具や、マットとベルトの組み合わせで留めます。揺れで壊れてほしくないサーバーや精密機器は、留めずに免震台に載せます。どの方式も、止められる重さ(耐荷重)と、どんな試験をしたかを公式資料で確かめてから選びます。

事業所で転倒防止がいる理由

東京消防庁の調べでは、東日本大震災のとき、都内の中高層のオフィスの20%で家具類の転倒・落下・移動がありました。高い階ほど、家具類が動いた割合が大きくなっています(東京消防庁)⁠。

  • 倒れた棚や動いた機器で、人がけがをする
  • 通路や出入口がふさがれて、逃げられなくなる
  • サーバーや計測器が壊れて、仕事に戻れなくなる

東京都では、家具の転倒防止は事業所防災計画に書く事項です。都内のすべての事業所が、用途や規模にかかわらず事業所防災計画を作ります(東京消防庁 よくあるご質問)⁠。

4つの方式

比較ページでは、製品を4つの方式に分けています。

粘着式の耐震マット

  • ゲルや粘着ポリマーのマットを、機器の底に貼ります
  • 工事も穴あけもいりません
  • 50mm角のマット4枚で100kgまでの製品が多く、40mm角4個で30kgまでの小さなものもあります
  • 古くなると効きが落ちるので、交換の時期を決めておきます

ベルト・ストラップ

  • 機器や棚と、壁・机・台をベルトでつなぎます
  • サンワサプライのQL-58は4本で80kgまで、不二ラテックスのFFT-015は150kgまでの家具で試しています
  • 点検のときに外せる製品もあります

固定金具

  • L字金具やボルトで、床・壁・天井に留めます
  • 東京消防庁は、ネジで留めるL型金具などをいちばん効果が高い器具としています
  • 設備のアジャスターに付けてゲルで床に貼る、穴あけのいらない金具もあります(⁠NITTOKUのN-Gripは4か所で1,200kgまで)

免震台・免震ラック

  • 機器を載せる台やラックが横に動き、揺れを機器に伝えにくくします
  • THKのTSD-1200は、入力0.8Gを0.2G以下にします
  • 台のまわりに、動ける空きを取ります(⁠TSD-1200は最大変位±200mm)

置いている物から選ぶ

  • 机の上のパソコン・計測器:粘着マットか、ベルト式。重さに合わせて枚数や本数を決めます
  • キャビネット・書庫:床と壁に金具で留めます。壁にネジを打てないなら、天板と壁を耐震マットでつなぐ金具(⁠プロセブンのKPS5-1は1セットで125kgまで)
  • 工場の重い設備:アンカーで床に留めるか、アジャスターにゲルで貼る金具(⁠安震のA90M-B16-125はゲル1枚で600kg)
  • サーバーラック:壁や床に留める金具か、免震台。昭電のSD-5 typeⅡは、入力800galを200gal以下にします
  • 美術品・文化財:免震台。上下の揺れも気になるなら、特許機器のsT3-LMのような3次元の免震装置

オフィス家具を留めるときの決まりごと

東京消防庁のハンドブックは、オフィス家具について次のように書いています(東京消防庁)⁠。

  • キャビネットは、金具で床やコンクリートにボルトで留め、上の部分を壁と留めるのが最も効果的
  • ボルトは直径6mm以上の強度のあるものを使う
  • 一般的な複合機は、使うときの重さが150kgほどあるので、キャスターのロックとベルトで留める
  • 避難通路は、まっすぐ幅1.2m以上とる

穴をあけられないときは、ストッパー式や粘着マット式とポール式を組み合わせる方法もあります(東京消防庁 よくあるご質問)⁠。ただし、ポール式はオフィス家具では家具の強度が足りず、合わないものが多いとしています。

耐震性能の数字の読み方

「1000ガル」「震度7相当⁠」⁠と書いてあっても、試験のやり方はメーカーごとに違います。

  • プロセブンのP-N50L:1000ガルの耐震試験
  • NITTOKUのN-Grip:818Galクラスの振動実験
  • 安震のアジャスター:1,200ガルで試験
  • プロバインドのMAP505:4Hz(震度7相当⁠)⁠の震動試験

数字の大きさだけで決めず、どのくらいの重さの機器で、どんな揺れで試したかを見ます。

交換の時期

  • プロセブンのP-N50L:5〜7年
  • 北川工業のTF-50K:約8年
  • NITTOKUのN-GripのGELマット:約10年
  • 安震のゲル:設置後20年

貼った日を記録し、点検のときに浮きや汚れがないかを見ます。

免震の建物でも対策はいる

免震の建物でも、揺れが全くなくなるわけではありません。東京消防庁が熊本地震のあとに調べたところ、免震の機能があるマンションでも、約3⁠割の世帯で家具類の転倒・落下・移動がありました(東京消防庁 よくあるご質問)⁠。

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