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GUIDE / XYLENE

キシレンとは?混合キシレン・試薬・病理用の違いと純度・水分・価格の選び方

塗料・樹脂の溶解や病理標本の作製、分析試験に使うキシレンの種類、純度・水分・不純物規格、瓶・ドラム・ローリーの荷姿と価格を、メーカー公式資料からまとめました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

キシレンは、塗料・インキ・接着剤を溶かす芳香族炭化水素系の有機溶剤です。「工業用の混合キシレンか試薬か」「病理・脱水・電子工業用のどの規格が効くか」「1つの異性体だけを使うか」を先に決めます。試薬の純度は3つの異性体の合量なので、水分や不純物の規格と合わせて製品規格書で確かめます。

キシレンとは

キシレンは、キシロール・ジメチルベンゼンとも呼ぶ物質で、化学式はC8H10です。油類と樹脂の両方を溶かすため、塗料・接着剤・インキ・農薬の溶剤やシンナーに使われます(三協化学の製品説明)⁠。

構造式でメチル基の付く位置が異なる、o-キシレン(オルトキシレン)・m-キシレン(メタキシレン)・p-キシレン(パラキシレン)の3つの異性体があります。工業的に使う「キシレン」⁠は⁠、⁠こ⁠の3つが混ざった混合キシレンです。厚生労働省のモデルSDSでは、キシレンのCAS番号は1330-20-7と記載されています(厚生労働省のキシレンSDS)⁠。

メーカー比較ページは、混合キシレンと単一の異性体の工業用・試薬を扱います。トルエンやベンゼンなど別の物質、濃度を調製した標準液、キシレン代替剤、混合シンナーは含めません。

用途・グレードの違い

  • 工業用の混合キシレンは、塗料・インキ・接着剤を溶かす工程で使います。品質の規格と缶・ドラム・ローリーの受入条件を確かめます
  • 一般試薬は、特級・一級・GRなどの等級で選びます。試験法が指定する等級と、水分・不揮発物・ベンゼン・トルエンの規格を照らし合わせます
  • 用途別の試薬は、病理標本の作製・水を嫌う反応・電子部品の工程に合わせて、水分や金属不純物の規格を足したものです
  • 単一の異性体は、o-・m-・p-キシレンのうち1つだけの製品です。テレフタル酸や農薬・顔料の原料など、異性体を指定する用途に使います

混合キシレンとエチルベンゼン

三協化学は、混合キシレンはキシレン100%ではなく、エチルベンゼンが混ざった状態で販売されていると説明しています。エチルベンゼンは特化則の特別有機溶剤に指定されているため、取り扱いの管理が変わります(三協化学の解説)⁠。

単体のキシレンを使うときは、混合キシレンをさらに蒸留精製したオルソキシレン・メタキシレン・パラキシレンを選びます。

純度と水分は別々に見る

試薬の純度は、o-・m-・p-キシレンの合量で表します。SDSの組成欄にある含有量を、製品の保証純度として使いません。

  • 和光の試薬一級241-00096は、純度80%以上、水分0.03%以下、ベンゼン0.1%以下、トルエン1.0%以下です
  • 純正化学の純正特級25165-0430は、純度83.0%以上、水分0.03%以下、不揮発物0.001%以下です
  • 関東化学の鹿特級46004-00は、GC純度が85.0%を超える規格です
  • 関東化学の脱水-Super-46061-05は、水分0.001%以下で、アルゴンを封入しています

出典は和光の試薬一級規格書、純正化学の規格書、関東化学の鹿特級、関東化学の脱水品です。

病理標本用のキシレン

病理組織標本を作るとき、組織の中のアルコールをパラフィンになじむ中間剤に置き換えます。中間剤には主にキシレンが使われています(和光の病理研究用)⁠。

  • 和光の病理研究用245-00717は、特級キシレンにモレキュラシーブスの袋を入れ、水分を0.01%以下に抑えています。細胞診にも使えます
  • 武藤化学の病理用キシレン43120は、病理用溶剤として500mLから15kgまでの包装があり、使用期限は1年です(武藤化学の製品ページ)

電子工業用と単一の異性体・酸化用途

林純薬工業の電子工業用EL 51007025は、銅0.01ppm以下、鉄0.05ppm以下、ナトリウム0.1ppm以下などの金属不純物を規定しています。金属汚染を嫌う工程では、この項目を確かめます(製品規格)。

林純薬工業のp-キシレン24000219は、含量98.0%以上、水分0.1%以下のGRです。三菱ガス化学はメタキシレンを水島で生産し、主な用途を農薬・顔料としています(⁠林純薬工業の規格、三菱ガス化学)⁠。

p-キシレンは空気酸化でテレフタル酸を生じ、ポリエステルの合成原料に使われます(和光のp-キシレン製品説明)⁠。

キシレンの購入:荷姿と価格

  • 三協化学のキシロールは、一斗缶16L、ドラム缶170kg、コンテナ860kg、ローリーを案内しています
  • 出光興産の溶剤用は、バルク(船)とローリーの供給です。受入設備と供給量を先に確かめます
  • 三菱ガス化学のメタキシレンは、タンカー・ローリー・ドラム・缶・ISOタンクで供給しています
  • 500mLの公開価格は、林純薬工業の51007025が1,600円、和光の241-00096と純正化学の25165-0430が1,700円、関東化学の46004-00が1,800円です。いずれも税抜です
  • 脱水品の関東化学46061-05は、500mLで4,500円(税抜)⁠で⁠⁠⁠⁠す

価格は2026年10月28日確認。出典は比較ページの各製品の公式ページです。容量が同じでも保証する項目は違うため、規格を満たす製品どうしで見積もりを取ります。

キシレンの性状・色と、危険物としての取り扱い

三協化学はキシレンの色と状態を、常温で無色透明の液体と説明しています。キシロールの参考物性は、比重0.865(20/4℃)、沸点139〜142℃、引火点29℃です。和光の試薬一級は、沸点約140℃、密度0.860〜0.870g/mL(20℃)⁠で⁠す(⁠三協化学の製品説明、和光の製品詳細)。

三協化学は、消防法の第2石油類非水溶性、有機則の第2種有機溶剤として案内しています。火気・静電気を避け、換気・保護具・保管条件は使う製品の最新SDSで確かめます。試験研究用の試薬を製造原料に使うときは、メーカーへ用途を伝えて確かめます。

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