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GUIDE / STAINLESS-STEEL

ステンレス鋼とは?SUS304・SUS316・SUS430の違いと種類(オーステナイト系・フェライト系・二相系⁠)⁠、板・棒・管の選び方

耐食設備や機械部品に使うステンレス鋼の種類(オーステナイト系・フェライト系・マルテンサイト系・二相系・析出硬化系⁠)⁠、SUS304とSUS316・SUS430の違い、磁石につくか、表面仕上げの記号、板・棒・線・管の形、値段の見積もり方を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

ステンレス鋼は、鉄にクロムを10.5%以上加えて、表面の薄い膜でさびにくくした鋼です。組織でオーステナイト系・フェライト系・マルテンサイト系・二相系・析出硬化系に分かれ、SUS304・SUS316・SUS430のような鋼種の記号で中身が決まります。選ぶときは「どこで使うか(塩分・海水・薬品)」「磁石につかない方がいいか」「どの形で買うか(板・棒・線・管)」の3つを先に決めます。

ステンレス鋼とは

ステンレス鋼は、鉄にクロムを加えて、表面に薄い酸化皮膜(不動態皮膜)をつくり、さびにくくした鋼です。日本冶金工業の解説では、クロムを10.5%以上加えると、この皮膜ができます。ステンレス・ステンレススチールとも呼びます。

比較ページには、日本の会社が自社の工場で作るステンレス鋼の板・帯・箔、棒・線・形鋼、鋼管を、鋼種や商品名の単位で載せています。商社や流通会社が売るもの、炭素鋼、ニッケル合金・チタン、タンクのような完成品は載せていません。

ステンレス鋼の種類と特徴:5つの系統

  • オーステナイト系:SUS304・SUS316が代表です。さびにくく、冷間加工しやすい鋼です。ふだんは磁石につきません
  • フェライト系:SUS430が代表です。ニッケルを使わず、磁石につきます。JFEスチールのJFE443CTや日本製鉄のNSSC FW2も、この仲間の省資源型です
  • マルテンサイト系:SUS410・SUS420J2が代表です。焼入れで硬くなり、刃物やバルブ、機械部品に使います
  • 二相系:オーステナイトとフェライトが混ざった組織です。日本冶金工業のNAS329J3Lや日本製鉄のNSSC 2120があり、オーステナイト系より強度が高くなります
  • 析出硬化系:SUS630が代表です。時効処理で強度を上げ、高強度ボルトやシャフトに使います

SUS304とSUS316、SUS430の違い

  • SUS304は、18Cr-8Niの代表的なステンレス鋼です。建材や食品関係、化学プラントに使います
  • SUS316は、17Cr-12Ni-2.5Moで、モリブデンが入る分、SUS304より耐食性と耐孔食性に優れます。SUS316Lは、炭素を下げて粒界腐食に強くした鋼種です
  • SUS430は、16Crのフェライト系で、厨房機器や建築内装材に使います。磁石につきます
  • 塩分の多い所では鋼種で差が出ます。JFEスチールの4年間の沖縄の暴露試験では、SUS443J1がSUS304より優れた耐食性を示しました

磁石につくか

  • JFEスチールの資料では、SUS304は磁性なし、SUS430とSUS443J1は磁性ありです
  • SUS304のようなオーステナイト系も、冷間加工でわずかに磁性が出ることがあります
  • 磁性を嫌う電子部品には、日本金属のNK-305Sのように、加工しても透磁率が上がりにくい鋼帯があります

形の選び方

  • 板・帯・箔は、切って曲げ、溶接してタンクや装置、厨房機器、電子部品にします。日本金属の広幅ステンレス箔は、厚さ20μmから、幅は最大700mmまであります
  • 棒・線・形鋼は、削ってシャフトにしたり、架台に組んだり、ばねにしたりします。日本精線のばね用鋼線は、線径0.020〜12.00mmです
  • 鋼管は、継目のないシームレス鋼管と溶接鋼管があります。山陽特殊製鋼のSUS304のシームレス鋼管は、熱間仕上が外径34〜148mmです

表面仕上げの記号

  • 2Bは、冷間圧延後に焼鈍酸洗し、スキンパスで光沢を付けた一般用の仕上げです
  • No.4は、150〜180番程度の研磨仕上げで、台所の設備器具に使います
  • HLは、連続したみがき目を付けた研磨で、主に建築に使います
  • BAは、光輝熱処理のあとスキンパスで反射率を上げた仕上げです

加工・使用温度のデメリット:削る部品と溶接する部品

  • 削る部品には、硫黄などを加えた快削鋼(SUS303など)を使います。日本冶金工業のNAS303AMは、ドリル寿命の試験で625個まで孔を開けても折れませんでした
  • 大同特殊鋼の304マックは、成分をSUS304のまま、ドリル穴を開けやすくした平鋼です
  • 硫黄の多い快削鋼は、溶接割れが出やすく、溶接に向きません
  • 二相系は、推奨使用温度が-50〜300℃と、オーステナイト系より狭くなります

ステンレス鋼材価格表と見積もり

  • 比較ページの製品で、値段を公式に出しているものはありません。鋼種・形状・寸法・量を決めて見積もりを取ります
  • 値段はニッケルなどの相場で動きます。日本製鉄は、ニッケル系(SUS304)とクロム系(SUS430)の販売価格の改定幅を、契約月ごとに公開しています
  • ニッケルやモリブデンを使わないSUS443J1やNSSC FW2は、原料の相場に値段が振られにくい鋼種です
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